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希望
しおりを挟む「死んでるって どういうこと?」
私は疑問をぶつける。
するとアイが口を開いた。
「私 ここに転生する前に事故で死んでるの。
だから元の世界に私の居場所はないのよ。」
…そうかしら?
アイの話を聞いた私はふとあることを思い出した。
「昔読んだ古い本に
『転生した人物は元の世界においては昏睡状態になっている可能性がある。』
って書いてあったの。」
私がそう言うとアイは驚いたように顔を上げる。
「も、戻れるってこと?」
「分からないわ。
だけどその本には 転生した人物が帰りたいと強く望むことが大事だとあったわ。
何故なら転生人は 転生する前に強く思っていた世界に転生するそうよ。
そのせいで外的要因の命は助かるけど昏睡状態になる。
だから戻るときは それと反対のことをすればいいらしいわ。」
私がそう説明すると突然アイが泣き出した。
「あ、ありがどぅ…ごめんなざぃ!
わだじ…わだじ貴女にひどぃことしぢゃっだぁ~!」
「アイ…?!
ちょっと泣かないで。
今は貴女のこと 抱き締めたり涙を拭ってあげられないのよ。」
あぁ、この鉄格子がもどかしい。
「アイ…私 貴女を元の世界に帰す手伝いをするわ。」
「な、なんでぇ?
私 ひどいことばっか言ったのに…」
「なに言ってるの。
私は貴方の未来のお義母様よ?
遠慮することないんだから。」
私はそう言ってアイに微笑む。
そんな私にまた泣くアイ。
意外と泣き虫だったのね。
前よりもアイとの距離が近くなった気がして嬉しいわ。
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