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プロローグ
しおりを挟む「どうして彼を愛してあげないのですか?」
雨が降りしきる夕方馬車から降りた私の前に立ちはだかる女性。
どうして愛さないかって?
それは…
「政略結婚だからです。」
「そんな…!だからって、」
目の前にいる女性はこの世界の女主人公。
悪役の私とは違い純真無垢で健気な眼差し。
「それなら貴女にあげましょうか。
ねぇルフラン?」
馬車を降り隣に佇む男主人公は私がそう問いかけるとショックを受けたように目を見開く。
「僕は…そんなの望んでません。」
「ルフラン…!」
女主人公が悲痛の声を上げる。
私は前世読んだ小説の悪役に憑依した。
私の役割はこの世界で男主人公に失恋のトラウマを植え付けること。
そろそろ邪魔物は退散しよう。
この後傷心の彼を女主人公が慰めたことで男主人公の気持ちが傾き始める。
すごく重要な場面だもの。
「ネフィーリア、待ってください。」
こんな展開あったっけ。
傷心してるルフランが私を引き留める展開が。
案外この人メンタル強かったのね。
私は彼の意外な一面をしる。
いつも私の顔色を伺って突き放されることを恐れてたのに。
「僕は貴女を諦めたくないです。」
うわお。
なんて切実なの。
というか絶対こんな場面なかった。
けど面白い。
そんなに言われたら…更に2人の障壁になってみようかな?
「そんなに言うなら…今すぐ彼女と会うのをやめて。
そしたら考えてみるけど?」
上から見下ろす形で傲慢に言葉を発する。
やっぱしびれるわ。
この男主人公が縋る姿。
悪役としての腕が鳴るってものね。
「わかった。
ミア嬢もう会いに来ないでくれ。
迷惑だ。」
「ルフラン…どうして!」
私の今の行動のせい?
いくら私に言われたからって女主人公をこんな冷たくあしらう?
「名前で呼ぶことを許可した覚えもないけど金輪際そう呼ぶのはやめてくれ。」
男主人公が凍てつくような眼差しを女主人公に向ける。
私のせいではあるんだけどなんか変よね。
彼女を意識してないときでもこんな冷たい態度してたっけ。
「ネフィーリアこれで許してもらえますか?」
「…ええ、許すわ。」
「僕にエスコートさせてくれますか?」
「そうね任せるわ。」
私達はそのまま女主人公を残してその場を後にした。
女主人公が般若のように豹変したことに気付かずに。
「なんで、こんなのありえない!
あの女狐…」
─────────────
…これでよかったのよね?
少しシナリオいじったけどそこまで大きく変えてないし?
きっと大丈夫だわ。
私は後にその楽観的な考えを後悔することになる。
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