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第6話 新しいメンバーを探します!
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リーナから預かった鍵を使い鍵を閉め家から出る。
俺は生粋の女好きだが、女の子と同棲なんてしたことはない。
いや、同棲はおろか、そもそも俺は童貞だ。
恥ずかしがり屋な女の子たちは、俺のイケボを聞くたびに恋に落ちる恐怖からなのか直ぐに目の前からいなくなる。
リーナは美声妨害持ちなのでまだ俺の美声を聞かせるには至ってないが、一緒に暮らすんだ、時間の問題だろう。
さて、この確かこの道を右に曲がればリーナが働いている店だ。
確かここらへんに…… ここだ!
そういえば店の名前を知らなかったな、なになに。
"かわいい女の子バー"
——なんて安直なネーミングなんだ。
確かに店の趣旨を的確に表現できてはいるが、なんかこうもう少しおしゃれにできるはずだ、キュートカールズバーとか。
だがここは異世界だし、この名前でも前来たときに結構人が入っていたし、俺がとやかく言うことじゃない。
本当に可愛い子がいたんだから嘘偽りない、その点に関しては敬意を評したい。
さて、今日は沢山お金を持ってきたんだ。
あのボーイを懲らしめてやろう。
「邪魔するぜ!!」
俺は勢いよく入店した。
「アンタ、この前の無一文だろ、金がないならとっとと帰んな」
「俺が無一文……? 面白いことを言うボーイだ。 この札束が目に入らんか!!」
俺は一枚一枚丁寧に向きを揃えて胸ポケットに入れておいた札束を、これでもかと言わんばかりに見せつけた。
さっきまで店員の眉間にはシワが寄っていたが、札束を見るや否やシワは消え去り、完璧なまでの営業スマイルに変化した。
——これが金の力か。
「これはこれは大変失礼しました、今日はどんな女の子を御所望で?」
「リーナちゃんと同じくらい可愛い子いるか?」
「なるほど、同じくらい……といいますと私が思いつくのは1人だけですな、個人の好みにもよるとは思いますが」
「お、いるんだな、ではその子と話がしてみたい」
「承知しました、少々お待ちください」
リーナ級の美少女なんてそんな簡単には見つからないと思うがな。
残念ながらリーナとこの一日を一緒に過ごしてしまったものだから、俺の目は肥えてしまった。
これから来る子には大変申し訳ない。
きっと可愛いんだ、だがリーナと比べると仕方な……
「お、お待たせしました!」
「ああ君か…… はうっ!!」
なんだこのリーナとはまた違ったベクトルの美少女は。
透き通る様な白い髪に、それに負けないくらいに白い肌。
ぱっつんカットの前髪の下から覗く神秘的な湖を連想させる様な青い瞳。
あと……ツノ? これはよく分からん。
とにかく、少し大人っぽい雰囲気のリーナに対して、こちらはロリロリ全開だ。
もしリーナとこの子、どちらか付き合うとしたら俺は確実に選べない。
「ど、どうかされましたか?」
「いやいや、あまりに君がキュートでね。 脳内がショートしかけちまったよ、ハハッ」
「キュートだなんてそんな、嬉しいです!」
「俺はマサオ、君の名前は?」
「私はルンっていいます!」
「ルンちゃんか、可愛らしい名前だね」
「わ、私も気に入ってます!」
ルンの笑顔が眩しすぎて目が開けられない。
さっきから俺は半目状態で会話している。
多分側から見たら俺は変人だ。
「マサオさんはお仕事何されてるんですか?」
「俺か、今アイドルプロデューサーって仕事を始めたんだ」
「あいどるぷろでゅーさー? なんですかそれは!」
「可愛い女の子を集めて踊ってもらうんだよ。 今日はそのスカウトだ!!」
「え、誰をですか!? 確かにこのお店可愛い子いっぱい居るし……」
「他の誰でもない、君だ! 君は選ばれしものだ」
ジェダイに勧誘するかのごとく、俺はルンを勧誘する。
「でも私鬼族ですし……」
「なるほど、ということはそのツノは本物なのか!?」
「はい……」
「いいじゃないか、大歓迎だよ!!」
「でも嫌われ者の鬼族ですよ…… この店にいることすらおこがましいんです……」
「種族なんて関係ないだろ!! 可愛い、それだけでアイドルはできる!!」
「種族なんて…… 関係ない?」
「ああ、少なくとも俺は全く気にしない!」
何やらルンは下を向いてしまった。
目には頬を涙が伝っているのが見える。
「ごめん、俺なんかショックなこと言っちゃった!?」
「逆です、そんなこと今まで言ってくれる人いなかったから嬉しいんです」
「そんな鬼族っていうのは嫌われているのか?」
「はい、人間以外の人型種族は階級が低いんです。 鬼族は昔一度人間と敵対していた時期がありまして、鬼族は戦いに敗れ、そこから敗戦族として最低階級としてずっと生きているんです」
なんか桃太郎みたいな話が始まったな。
そして戦争に負けたから長いこと階級が低いと。
日本とアメリカですら比較的有効な関係を気づいているんだから、人間と鬼族も和解できそうなもんだが。
「とりあえず話は分かった。 だったらその階級、俺たちで払拭してやろうぜ!」
「え、私たち……?」
「ああ、アイドルとしてルンが世間に認知され人気が出てきたら、自然と鬼族の印象ってのも変わってくるはずだ」
「な、なるほど…… そんなことができるかもしれないなら、やってみたいです!」
「よしきた!! これから宜しくな、ルンちゃん!」
「はい!!」
こうして2人目のメンバーの勧誘に成功した。
俺は生粋の女好きだが、女の子と同棲なんてしたことはない。
いや、同棲はおろか、そもそも俺は童貞だ。
恥ずかしがり屋な女の子たちは、俺のイケボを聞くたびに恋に落ちる恐怖からなのか直ぐに目の前からいなくなる。
リーナは美声妨害持ちなのでまだ俺の美声を聞かせるには至ってないが、一緒に暮らすんだ、時間の問題だろう。
さて、この確かこの道を右に曲がればリーナが働いている店だ。
確かここらへんに…… ここだ!
そういえば店の名前を知らなかったな、なになに。
"かわいい女の子バー"
——なんて安直なネーミングなんだ。
確かに店の趣旨を的確に表現できてはいるが、なんかこうもう少しおしゃれにできるはずだ、キュートカールズバーとか。
だがここは異世界だし、この名前でも前来たときに結構人が入っていたし、俺がとやかく言うことじゃない。
本当に可愛い子がいたんだから嘘偽りない、その点に関しては敬意を評したい。
さて、今日は沢山お金を持ってきたんだ。
あのボーイを懲らしめてやろう。
「邪魔するぜ!!」
俺は勢いよく入店した。
「アンタ、この前の無一文だろ、金がないならとっとと帰んな」
「俺が無一文……? 面白いことを言うボーイだ。 この札束が目に入らんか!!」
俺は一枚一枚丁寧に向きを揃えて胸ポケットに入れておいた札束を、これでもかと言わんばかりに見せつけた。
さっきまで店員の眉間にはシワが寄っていたが、札束を見るや否やシワは消え去り、完璧なまでの営業スマイルに変化した。
——これが金の力か。
「これはこれは大変失礼しました、今日はどんな女の子を御所望で?」
「リーナちゃんと同じくらい可愛い子いるか?」
「なるほど、同じくらい……といいますと私が思いつくのは1人だけですな、個人の好みにもよるとは思いますが」
「お、いるんだな、ではその子と話がしてみたい」
「承知しました、少々お待ちください」
リーナ級の美少女なんてそんな簡単には見つからないと思うがな。
残念ながらリーナとこの一日を一緒に過ごしてしまったものだから、俺の目は肥えてしまった。
これから来る子には大変申し訳ない。
きっと可愛いんだ、だがリーナと比べると仕方な……
「お、お待たせしました!」
「ああ君か…… はうっ!!」
なんだこのリーナとはまた違ったベクトルの美少女は。
透き通る様な白い髪に、それに負けないくらいに白い肌。
ぱっつんカットの前髪の下から覗く神秘的な湖を連想させる様な青い瞳。
あと……ツノ? これはよく分からん。
とにかく、少し大人っぽい雰囲気のリーナに対して、こちらはロリロリ全開だ。
もしリーナとこの子、どちらか付き合うとしたら俺は確実に選べない。
「ど、どうかされましたか?」
「いやいや、あまりに君がキュートでね。 脳内がショートしかけちまったよ、ハハッ」
「キュートだなんてそんな、嬉しいです!」
「俺はマサオ、君の名前は?」
「私はルンっていいます!」
「ルンちゃんか、可愛らしい名前だね」
「わ、私も気に入ってます!」
ルンの笑顔が眩しすぎて目が開けられない。
さっきから俺は半目状態で会話している。
多分側から見たら俺は変人だ。
「マサオさんはお仕事何されてるんですか?」
「俺か、今アイドルプロデューサーって仕事を始めたんだ」
「あいどるぷろでゅーさー? なんですかそれは!」
「可愛い女の子を集めて踊ってもらうんだよ。 今日はそのスカウトだ!!」
「え、誰をですか!? 確かにこのお店可愛い子いっぱい居るし……」
「他の誰でもない、君だ! 君は選ばれしものだ」
ジェダイに勧誘するかのごとく、俺はルンを勧誘する。
「でも私鬼族ですし……」
「なるほど、ということはそのツノは本物なのか!?」
「はい……」
「いいじゃないか、大歓迎だよ!!」
「でも嫌われ者の鬼族ですよ…… この店にいることすらおこがましいんです……」
「種族なんて関係ないだろ!! 可愛い、それだけでアイドルはできる!!」
「種族なんて…… 関係ない?」
「ああ、少なくとも俺は全く気にしない!」
何やらルンは下を向いてしまった。
目には頬を涙が伝っているのが見える。
「ごめん、俺なんかショックなこと言っちゃった!?」
「逆です、そんなこと今まで言ってくれる人いなかったから嬉しいんです」
「そんな鬼族っていうのは嫌われているのか?」
「はい、人間以外の人型種族は階級が低いんです。 鬼族は昔一度人間と敵対していた時期がありまして、鬼族は戦いに敗れ、そこから敗戦族として最低階級としてずっと生きているんです」
なんか桃太郎みたいな話が始まったな。
そして戦争に負けたから長いこと階級が低いと。
日本とアメリカですら比較的有効な関係を気づいているんだから、人間と鬼族も和解できそうなもんだが。
「とりあえず話は分かった。 だったらその階級、俺たちで払拭してやろうぜ!」
「え、私たち……?」
「ああ、アイドルとしてルンが世間に認知され人気が出てきたら、自然と鬼族の印象ってのも変わってくるはずだ」
「な、なるほど…… そんなことができるかもしれないなら、やってみたいです!」
「よしきた!! これから宜しくな、ルンちゃん!」
「はい!!」
こうして2人目のメンバーの勧誘に成功した。
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