ラジオの恋路-こいじ-

祝木田 吉可

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第1話:喫茶店で①

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~一人の男が喫茶店に入る。~

「いらっしゃいませ」

(満席、か。)

「今、席開くのでどうぞ。」

「こちら、どうぞ。」

(カウンターだよ、両側女性だよ、緊張するよ、、)

「ど、どうも。こ、コーヒーください。」

「かしこまりました。」

(うん?これ、もしかして、、!やばい!緊張してるからこれは、まずい!)

「す、すいません!」

「どうしました?」

「せ、席。外でも良いですか?」

「分かりました。良いですよ。お持ちしますね。」

「あ、ありがとうございます。」

(ライターの音、フーッ)

~一服した男が席に座ると女がやってくる。~

「ご一緒しても良いですか?」

「は、はい。」

「あの、お名前聞いてもいいですか?」

「や、矢野健吾て言います。」

「私、平野ミカ。よろしく。」

「よ、よろしくお願いします。」

「健吾くん、緊張してる?」

「は、はい。な、慣れてなくて。」

(この人、いきなりタメ語?)

「あっ、ごめん。いきなりタメ語は、ダメだよね。」

「い、いえ。び、ビックリしただけで。き、気にしないので、だ、大丈夫です。」

「良かった。ところで、健吾くん何歳?」

「に、26です。み、み、みか、さんは?」

「私?私は今年27だよ。」

(同級生、だったのか。初対面だよな?でも、この人のタメ語、嫌じゃない。それに、あの匂いもしないから、こんなに近くても楽だ。)

「そういえば、健吾くんは、どうしていきなり席移動したの?喫煙席が良かった?」

「そ、それもあるけど、そ、それだけじゃないです。」

「どういうこと?」

「び、敏感に、な、なってしまう匂いがあって、それで。き、気持ち悪くなって。」

「どんな匂い?」

「ベリーの匂い、だめで、好きなんだけど。」

「もしかして、さっきの両隣の人の匂いが、イチゴだったとか。」

(男は静かに頷く。)

「そっか。そういうこと、あるよね。私、匂いは嫌いなものとか、ないんだけど、故意に、付けすぎたり、それで見せびらかす人が嫌いなの。」

「あ、あのー。」

「うん?なに?」

(その首を傾げての上目遣いの笑顔、やめてー。余計に緊張するっての!)

「ど、どうして僕のことを?」

「それはね、、、」

-続く-




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