ラジオの恋路-こいじ-

祝木田 吉可

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第3話:ミカの不登校

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(男は、なんとなく、そんなこともあったなと思い出した。)

「く、クラスでは、その、中1の2学期から見なかったけど、学校には来てたの?」

「うん。最初の頃は、部屋から出られなくて自暴自棄になってた。けど、健吾くんが毎日、配布物なんかを届けてくれたり、吾郷先生が週末になると様子を見に来てくれたりしてたのが、元気もらった気がして、部屋出てみようと思ったのね。」

「へ、変なこと、き、聞いちゃっても、良いかな。」

「良いよ、なに?」

「学校に来れなくなったのは、なんで?」

「中1の1学期の終業式の後、夏休み初日の朝、いつもの時間に起きれなくて、いつもの時間から3時間経ってようやく起きれるようになって、起きてる間、ずっと頭痛が続いて、それが夏休み中続いたから、ママがしびれ切らして小児科連れて行ったら、総合病院紹介されて検査したら、起立性調節障害だって言われたの。」

「起立性調節障害、だったのね。」

「うん。起立性調節障害って分かってから、ママが学校に相談してくれたみたいで、自宅学習を認めてくれて、それから金曜日の夕方に吾郷先生が、1週間分のスケジュールと課題を持ってきてくれて、毎週金曜日になったら、進捗状況を確認してくれてたんだ。」

「高校はどうしたの?全日制は、流石に難しかったでしょう。」

「うん。だから、吾郷先生が定時制の夜間部がある学校があるからって面談の時に勧めてもらって、山高の定時制に進学したの。」

「定時制の夜間って、夕方からだよね。日中は、どんなふうに過ごしてたの?」

「ママが、パソコンあったら在宅の仕事も出来て、幅が広がるからって、パソコンを買ってくれて、MOSやCAD、ライティングや文章構成の勉強をして、資格取ってたよ。」

(なるほど。そんなふうにして過ごしてたのか。)

「そ、そうだったのか。症状は改善できた?」

「うん。起立性調節障害の症状は、中学の間で快方に向かって良くなって来て、高校の時は、調子良くて、パソコンの勉強と定時制の勉強を楽しくできたんだけどね。」

(男は女の含み表現が気になった。)

「た、楽しくできたんだけど?」

「高2の頃に、好きで告白した人いたんだけど、その人に、理想の体型じゃないから好きじゃないって言われて振られたの。酷くない!?」

「うん。ひ、酷い。」

「でね、その人に「俺の中で女は45kg未満しかないから、出直してきて」って言われて、悔しくて、悔しくて、頑張ってダイエットしたの。1ヶ月で8kg減。」

「い、1ヶ月で8kg減!?それ、支障出るよ。危険!」

「そう。食事で極端にセーブしちゃったら、拒食と過食を繰り返すようになって。」

「そ、それで?」

「結果、その人と付き合えたんだけど、1ヶ月したら直ぐにまたリバウンドして、別れ言われて、おしまい。」

「そんなことが、あったんだね。」

「うん。でね、その人と別れてから、ママが拒食と過食を繰り返してる私を心配して、病院に行ったら、今度は、摂食障害だって、言われちゃった。」

「そっかぁ。そうだったのね。」

「車の免許はね、高校卒業した夏の合宿に参加したの。」

(やばい、どうリアクション取って良いのか、どう返したら正解なのか、分からない)

(女は続ける。)

「ごめんね、私の話ばかりしてしまった。」

「大丈夫だよ。学校に来てない間のミカさんがどんな生活してたのか、知りたかったのも、あったし。こうして、色々、ミカさんのこと、知れて良かった。話してくれて、声かけてくれて、ありがとう。」

「私の方こそ、せっかくの再会なのに、私の話ばかりしてしまったのに、聞いてくれて、ありがとう。」

(女は、自分の腕時計で時間を確認する。)

「今は、15時かあ。ごめんね、1時間も私ばかり、喋ってたね。」

「大丈夫だよ。」

「私、15時30分から整体予約してるから行くね。」

「整体?どこか痛めたの?」

「座り作業、同じ姿勢続きだから、腰やられちゃってね。最近。整体通い始めたの。」

「そうなんだね。腰、お大事に。」

「ありがとう、またね。ばいばい。」

(手を振りレジに向かう女に、男も手を振り返した。)

-続く-

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