3 / 18
第3話:ミカの不登校
しおりを挟む
(男は、なんとなく、そんなこともあったなと思い出した。)
「く、クラスでは、その、中1の2学期から見なかったけど、学校には来てたの?」
「うん。最初の頃は、部屋から出られなくて自暴自棄になってた。けど、健吾くんが毎日、配布物なんかを届けてくれたり、吾郷先生が週末になると様子を見に来てくれたりしてたのが、元気もらった気がして、部屋出てみようと思ったのね。」
「へ、変なこと、き、聞いちゃっても、良いかな。」
「良いよ、なに?」
「学校に来れなくなったのは、なんで?」
「中1の1学期の終業式の後、夏休み初日の朝、いつもの時間に起きれなくて、いつもの時間から3時間経ってようやく起きれるようになって、起きてる間、ずっと頭痛が続いて、それが夏休み中続いたから、ママがしびれ切らして小児科連れて行ったら、総合病院紹介されて検査したら、起立性調節障害だって言われたの。」
「起立性調節障害、だったのね。」
「うん。起立性調節障害って分かってから、ママが学校に相談してくれたみたいで、自宅学習を認めてくれて、それから金曜日の夕方に吾郷先生が、1週間分のスケジュールと課題を持ってきてくれて、毎週金曜日になったら、進捗状況を確認してくれてたんだ。」
「高校はどうしたの?全日制は、流石に難しかったでしょう。」
「うん。だから、吾郷先生が定時制の夜間部がある学校があるからって面談の時に勧めてもらって、山高の定時制に進学したの。」
「定時制の夜間って、夕方からだよね。日中は、どんなふうに過ごしてたの?」
「ママが、パソコンあったら在宅の仕事も出来て、幅が広がるからって、パソコンを買ってくれて、MOSやCAD、ライティングや文章構成の勉強をして、資格取ってたよ。」
(なるほど。そんなふうにして過ごしてたのか。)
「そ、そうだったのか。症状は改善できた?」
「うん。起立性調節障害の症状は、中学の間で快方に向かって良くなって来て、高校の時は、調子良くて、パソコンの勉強と定時制の勉強を楽しくできたんだけどね。」
(男は女の含み表現が気になった。)
「た、楽しくできたんだけど?」
「高2の頃に、好きで告白した人いたんだけど、その人に、理想の体型じゃないから好きじゃないって言われて振られたの。酷くない!?」
「うん。ひ、酷い。」
「でね、その人に「俺の中で女は45kg未満しかないから、出直してきて」って言われて、悔しくて、悔しくて、頑張ってダイエットしたの。1ヶ月で8kg減。」
「い、1ヶ月で8kg減!?それ、支障出るよ。危険!」
「そう。食事で極端にセーブしちゃったら、拒食と過食を繰り返すようになって。」
「そ、それで?」
「結果、その人と付き合えたんだけど、1ヶ月したら直ぐにまたリバウンドして、別れ言われて、おしまい。」
「そんなことが、あったんだね。」
「うん。でね、その人と別れてから、ママが拒食と過食を繰り返してる私を心配して、病院に行ったら、今度は、摂食障害だって、言われちゃった。」
「そっかぁ。そうだったのね。」
「車の免許はね、高校卒業した夏の合宿に参加したの。」
(やばい、どうリアクション取って良いのか、どう返したら正解なのか、分からない)
(女は続ける。)
「ごめんね、私の話ばかりしてしまった。」
「大丈夫だよ。学校に来てない間のミカさんがどんな生活してたのか、知りたかったのも、あったし。こうして、色々、ミカさんのこと、知れて良かった。話してくれて、声かけてくれて、ありがとう。」
「私の方こそ、せっかくの再会なのに、私の話ばかりしてしまったのに、聞いてくれて、ありがとう。」
(女は、自分の腕時計で時間を確認する。)
「今は、15時かあ。ごめんね、1時間も私ばかり、喋ってたね。」
「大丈夫だよ。」
「私、15時30分から整体予約してるから行くね。」
「整体?どこか痛めたの?」
「座り作業、同じ姿勢続きだから、腰やられちゃってね。最近。整体通い始めたの。」
「そうなんだね。腰、お大事に。」
「ありがとう、またね。ばいばい。」
(手を振りレジに向かう女に、男も手を振り返した。)
-続く-
「く、クラスでは、その、中1の2学期から見なかったけど、学校には来てたの?」
「うん。最初の頃は、部屋から出られなくて自暴自棄になってた。けど、健吾くんが毎日、配布物なんかを届けてくれたり、吾郷先生が週末になると様子を見に来てくれたりしてたのが、元気もらった気がして、部屋出てみようと思ったのね。」
「へ、変なこと、き、聞いちゃっても、良いかな。」
「良いよ、なに?」
「学校に来れなくなったのは、なんで?」
「中1の1学期の終業式の後、夏休み初日の朝、いつもの時間に起きれなくて、いつもの時間から3時間経ってようやく起きれるようになって、起きてる間、ずっと頭痛が続いて、それが夏休み中続いたから、ママがしびれ切らして小児科連れて行ったら、総合病院紹介されて検査したら、起立性調節障害だって言われたの。」
「起立性調節障害、だったのね。」
「うん。起立性調節障害って分かってから、ママが学校に相談してくれたみたいで、自宅学習を認めてくれて、それから金曜日の夕方に吾郷先生が、1週間分のスケジュールと課題を持ってきてくれて、毎週金曜日になったら、進捗状況を確認してくれてたんだ。」
「高校はどうしたの?全日制は、流石に難しかったでしょう。」
「うん。だから、吾郷先生が定時制の夜間部がある学校があるからって面談の時に勧めてもらって、山高の定時制に進学したの。」
「定時制の夜間って、夕方からだよね。日中は、どんなふうに過ごしてたの?」
「ママが、パソコンあったら在宅の仕事も出来て、幅が広がるからって、パソコンを買ってくれて、MOSやCAD、ライティングや文章構成の勉強をして、資格取ってたよ。」
(なるほど。そんなふうにして過ごしてたのか。)
「そ、そうだったのか。症状は改善できた?」
「うん。起立性調節障害の症状は、中学の間で快方に向かって良くなって来て、高校の時は、調子良くて、パソコンの勉強と定時制の勉強を楽しくできたんだけどね。」
(男は女の含み表現が気になった。)
「た、楽しくできたんだけど?」
「高2の頃に、好きで告白した人いたんだけど、その人に、理想の体型じゃないから好きじゃないって言われて振られたの。酷くない!?」
「うん。ひ、酷い。」
「でね、その人に「俺の中で女は45kg未満しかないから、出直してきて」って言われて、悔しくて、悔しくて、頑張ってダイエットしたの。1ヶ月で8kg減。」
「い、1ヶ月で8kg減!?それ、支障出るよ。危険!」
「そう。食事で極端にセーブしちゃったら、拒食と過食を繰り返すようになって。」
「そ、それで?」
「結果、その人と付き合えたんだけど、1ヶ月したら直ぐにまたリバウンドして、別れ言われて、おしまい。」
「そんなことが、あったんだね。」
「うん。でね、その人と別れてから、ママが拒食と過食を繰り返してる私を心配して、病院に行ったら、今度は、摂食障害だって、言われちゃった。」
「そっかぁ。そうだったのね。」
「車の免許はね、高校卒業した夏の合宿に参加したの。」
(やばい、どうリアクション取って良いのか、どう返したら正解なのか、分からない)
(女は続ける。)
「ごめんね、私の話ばかりしてしまった。」
「大丈夫だよ。学校に来てない間のミカさんがどんな生活してたのか、知りたかったのも、あったし。こうして、色々、ミカさんのこと、知れて良かった。話してくれて、声かけてくれて、ありがとう。」
「私の方こそ、せっかくの再会なのに、私の話ばかりしてしまったのに、聞いてくれて、ありがとう。」
(女は、自分の腕時計で時間を確認する。)
「今は、15時かあ。ごめんね、1時間も私ばかり、喋ってたね。」
「大丈夫だよ。」
「私、15時30分から整体予約してるから行くね。」
「整体?どこか痛めたの?」
「座り作業、同じ姿勢続きだから、腰やられちゃってね。最近。整体通い始めたの。」
「そうなんだね。腰、お大事に。」
「ありがとう、またね。ばいばい。」
(手を振りレジに向かう女に、男も手を振り返した。)
-続く-
0
あなたにおすすめの小説
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写と他もすべて架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる