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創造Ⅱ
第13話 ココロ
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太陽がなくなると人の心まで闇に染まる。
〈嫌い〉
〈死ね〉
〈いらない〉
〈ころしてしまおう〉
人が人をころし、神が創った地上を血で染め、人々の悪意がやがて大蛇のような円を描き神さえも驚愕した知恵を持って兵器を作り出した。
地面がボコボコになり、植物も動物も絶滅していく。これを見た神たちは人間を滅ぼそうと決意。
「待ってください」
その決断に待ったをかけたのは大地の神。
「そもそも太陽神が拗ねて地上に光が届かなかったせい。人間の闇が増幅したのは太陽神及び、わたしたち神ではないか」
「何を言っている。何故我ら神のせいになるのだ。我らは何もしていない」
「そもそも人間に知恵を持たせたのが悪いのだ。あんなの持っているせいで植物連鎖の頂点だと勝手に勘違いしている。我ら神が頂点なのを忘れている」
「地上の空気はもう死んでいる――これを見て太陽神、及び最高神のお二人はどんな考えを?」
矛先はヤミとヒカリ。
そして、今もなお岩山に隠れている太陽神。太陽神はこんな事になり、顔向けできない。先に口を開いたのはヒカリ。
「確かに地上の空気は淀んでいる。あの方が創った大地が悪意によってボコボコになっていくのを見過ごせない――滅ぼそう」
決定した。
罪滅ぼしに太陽神から一部をもぎ取り、小さな太陽神を地上に降ろせ、地上を真っ赤な炎で燃やした。
運命であれ、因果であれ、そんなのひっくり返して人間が絶対だと思う神によってこの世を抹消された。炎はそれから毎日燃え続け、人々の血が砂となり真っ赤な砂漠となった。
それから心機一転。砂漠となった地上にまた新たな生命を施そうと神々は決意。強欲で傲慢な彼らは柱が誰かを決めた。
「柱とは秩序を正しく、そしてこの世で最も高貴たる存在。最低十二柱だ。勿論俺が入る」
天空の男神が言った。
「何故貴方はそう勝手に決めるのですか⁉ 柱とはこの世で最も崇拝される存在。ならばみんなの意見を聞くべきでしょう」
大地の女神が再び待ったをかけて、天空の男神と睨みっ子。
「最低十二柱は少ない。この世にはありとあらゆる神がいる。三〇〇に増やそう」
時空の男神が宣言。
まとまりのない議会。柱の中心格が存在しなければ我先にと飛び上がり、自分が、と名乗り上げてくる。今まで最高神と言われ続けたが、この議会で見向きもされなくなった。
「どうする? ヤミ。僕らも参戦しよう」
「いい。ようやく降りたんだ……」
ヤミは一人でボソボソと暗いところにいる。ヒカリはそれを見かねて手を引っ張るがヤミは拒否。ヤミは蹲ってぶるぶる震えていた。
「どうしたの?」
ヒカリが訊くとヤミは頭を抑えてさらに蹲った。胎児のように丸まって。暫くしてから口を開いた。
「ヒカリも見ただろ。あの底しれぬあの闇を……! あれと俺は同じだ。人々は闇を恐れて光を求める。何度も何度も聞こえるんだ……お前なんかいらないって、闇なんてこの世からいなくなれって……なんで、なんでどうして……俺はいるんだ?」
人間の悪意は一柱にも伝染した。
ヤミ自身が長年疑問に思っていたこと、それは、形姿もままならないのに神の座に座り、人々からも崇拝されない必要とされない孤独。どこに行っても孤独。
〈嫌い〉
〈死ね〉
〈いらない〉
〈ころしてしまおう〉
人が人をころし、神が創った地上を血で染め、人々の悪意がやがて大蛇のような円を描き神さえも驚愕した知恵を持って兵器を作り出した。
地面がボコボコになり、植物も動物も絶滅していく。これを見た神たちは人間を滅ぼそうと決意。
「待ってください」
その決断に待ったをかけたのは大地の神。
「そもそも太陽神が拗ねて地上に光が届かなかったせい。人間の闇が増幅したのは太陽神及び、わたしたち神ではないか」
「何を言っている。何故我ら神のせいになるのだ。我らは何もしていない」
「そもそも人間に知恵を持たせたのが悪いのだ。あんなの持っているせいで植物連鎖の頂点だと勝手に勘違いしている。我ら神が頂点なのを忘れている」
「地上の空気はもう死んでいる――これを見て太陽神、及び最高神のお二人はどんな考えを?」
矛先はヤミとヒカリ。
そして、今もなお岩山に隠れている太陽神。太陽神はこんな事になり、顔向けできない。先に口を開いたのはヒカリ。
「確かに地上の空気は淀んでいる。あの方が創った大地が悪意によってボコボコになっていくのを見過ごせない――滅ぼそう」
決定した。
罪滅ぼしに太陽神から一部をもぎ取り、小さな太陽神を地上に降ろせ、地上を真っ赤な炎で燃やした。
運命であれ、因果であれ、そんなのひっくり返して人間が絶対だと思う神によってこの世を抹消された。炎はそれから毎日燃え続け、人々の血が砂となり真っ赤な砂漠となった。
それから心機一転。砂漠となった地上にまた新たな生命を施そうと神々は決意。強欲で傲慢な彼らは柱が誰かを決めた。
「柱とは秩序を正しく、そしてこの世で最も高貴たる存在。最低十二柱だ。勿論俺が入る」
天空の男神が言った。
「何故貴方はそう勝手に決めるのですか⁉ 柱とはこの世で最も崇拝される存在。ならばみんなの意見を聞くべきでしょう」
大地の女神が再び待ったをかけて、天空の男神と睨みっ子。
「最低十二柱は少ない。この世にはありとあらゆる神がいる。三〇〇に増やそう」
時空の男神が宣言。
まとまりのない議会。柱の中心格が存在しなければ我先にと飛び上がり、自分が、と名乗り上げてくる。今まで最高神と言われ続けたが、この議会で見向きもされなくなった。
「どうする? ヤミ。僕らも参戦しよう」
「いい。ようやく降りたんだ……」
ヤミは一人でボソボソと暗いところにいる。ヒカリはそれを見かねて手を引っ張るがヤミは拒否。ヤミは蹲ってぶるぶる震えていた。
「どうしたの?」
ヒカリが訊くとヤミは頭を抑えてさらに蹲った。胎児のように丸まって。暫くしてから口を開いた。
「ヒカリも見ただろ。あの底しれぬあの闇を……! あれと俺は同じだ。人々は闇を恐れて光を求める。何度も何度も聞こえるんだ……お前なんかいらないって、闇なんてこの世からいなくなれって……なんで、なんでどうして……俺はいるんだ?」
人間の悪意は一柱にも伝染した。
ヤミ自身が長年疑問に思っていたこと、それは、形姿もままならないのに神の座に座り、人々からも崇拝されない必要とされない孤独。どこに行っても孤独。
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