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再々
第55話 あともう1人
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昼休みが終わり五限目が始まる。昼ごはん食べたあとは眠くなる。眠気を抑えて机の教科書とにらみっ子していると、背後で、背中を叩かれた。
眠気ありながらくるりと振り向く。伊礼がぱっちりした眼で何ら真剣な面持ち。
「なぁあと一人じゃねぇか? 入部すんの」
「そうじゃ。放課後また宣伝をする」
「あーやっぱり」
「でも大声で宣伝すっと四葉さんに怒られるんだよ。目立つな、て。だから放送部借りたりポスターを書いたりしねぇと」
眠い目をこすりながらあやふやに考える。
何よりもあの美人を怒らせるのが怖いから。美人は怒っても美人だけど。
「んー。難しいな」
伊礼は頭を抱えて悩みだす。そんなの俺も知っている。伊礼はうーんと考えて口を開かない。俺は前を向いて今、黒板にある文字をつらつらとノートに書き写す。
そして、全部書き終わったらノートの後ろのページをめくり、そこにつらつらとある事を書き込んだ。
放課後――生徒会で忙しいと思いきや言った通り彼女は部室にいた。椅子に座り静かに読書をしている。綺麗な姿勢で。
俺が来たことも分からない程本に集中している。このまま黙って部屋に入ったほうがいい。邪魔はしたくない。
「やっほー‼ この伊礼、探求部へ一歩、踏み出しました!」
騒がしい奴が出てきて、俺を退けて部室の放課後の、一歩目を踏み出した。彼女はじとりと本から顔を覗く。
「うるさい。響いてる」
その後ろに琉巧が。
「幽霊部員じゃなかったか?」
嫌味たらしく言うと琉巧は口をとがらせる。
「そのつもり。でも初回一回は顔を見せないとだめだろ。うわ、何ここ」
琉巧は部室を見て怪訝なかおした。
本やマット、運動部が使うボールや使えなさそうな棒きれまであるものの、肝心のものがこの部室にない。それは、机と椅子。
「これじゃ勉強できねぇべ! 図書館から机と椅子を掻っ攫って行くでごわすよ、ろくろっち!」
「んだ! でも『ごわすよ』はない」
「頑張って、ここで待ってる」
俺と伊礼は張り切って部室を出ていき、琉巧はスマホ片手に夢中。四葉も読書に夢中。騒がしくしてた連中が出ていってホッとする。
勉強をしている人もいて、放課後だというのに疎らに人が集まっている。物音一つたてば響く室内。くしゃみ一つ許されない場所にズカズカと入っていく。図書館の先生は突然やって来て突然の要求に目を白黒させた。
「余った机と椅子? うぅん、あんまりないわね」
「殺生なっ! お恵みください~」
「うるさいわよ。ちょっと待ってなさい」
メガネをかけた寡黙そうな優しい先生は、奥の小さな小部屋へ。図書館にいる人たちの視線が刺すように痛い。小声で話しかけたのにそんな小さな物音でもこの室内ではよく響くような環境。少しでも物音たてば睨むんだからこわい。
少ししてから先生がやってきた。
「うーん、ここにあるのは先生と委員会の人たちが座るものしかないわ。ごめんね、他を当たってくれる?」
「そうすっか。分かりました。先生、あんがとー」
俺たちは図書館を出た。
静かな場所を抜けられてせいせいする。少しだけ息が落ち着いた。
「図書館にないとすると、用具室から借りてくるか」
伊礼が深く考え込む。
「どこだ?」
入学してからそれ程月日は立っていない。むしろ、こんな大きな校舎を0から覚えてる人間はあまりいないだろう。さながら一年の俺たちからすれば校舎自体が大きな迷路だ。
「四葉さんに聞くか」
俺たちは踵を返して部室に戻る。この大きな校舎を0から覚えてる極小の人間といえば生徒会でもある、四葉さんに頼るしかない。
部室に再び戻ってきた俺たちに四葉さんは、本を閉じた。
「こうなることは分かっていたわ。さて、行くわよ」
本を椅子に置き、俺たちを連れて生徒会の部屋まで。誰もいなかった。静まり返っている部屋に足音と声が響く。生徒会の部屋は書類がダンボールの中にギッシリ入ってて、ダンボールが二個、三個積んである。広いわけもなくかといって狭い訳もなく、物も沢山あって寂れた空間でもない。
俺たちの目当ての机や椅子がそこにあった。椅子を交互に別けて積んである。天井高く積んである椅子を見てバランス崩さないかヒヤヒヤする。
「分かってんなら最初からここに来ればよかったのに」
「あなたたちが俄然と先に飛び出したからでしょ。さ、運ぶわよ」
絶妙なバランス感覚で保っているのを崩すのは気が引けるがまぁ、四葉さんが言うには地震が来たことあっても一度も崩れたことない、と断言。
まぁ、そんな? 誇らしげな顔で言われるとね信じるしかない。
椅子を人数分降ろしても確かに崩れなかった。どういうバランス感覚しているんだ。机も一脚摂る。これを部室まで持っていく。同じ1階だからいいけども。椅子と机を部室まで運びんだところで今日のところは解散としよう。
ふと窓を見れば、空の色がうっすら暗くなって夕日が半分以上も沈んでいる。もっと見上げれば月がもう輝いていた。
「早く帰らねぇと屍人が徘徊するだぁ!」
俺たちは鞄を持って急いで学校を出た。
暗くなると現れる屍人は文字通り、死んだ人間。幽霊みたいなオカルト話ではない。本当に死んだ人間が夜な夜な徘徊するのだ。
眠気ありながらくるりと振り向く。伊礼がぱっちりした眼で何ら真剣な面持ち。
「なぁあと一人じゃねぇか? 入部すんの」
「そうじゃ。放課後また宣伝をする」
「あーやっぱり」
「でも大声で宣伝すっと四葉さんに怒られるんだよ。目立つな、て。だから放送部借りたりポスターを書いたりしねぇと」
眠い目をこすりながらあやふやに考える。
何よりもあの美人を怒らせるのが怖いから。美人は怒っても美人だけど。
「んー。難しいな」
伊礼は頭を抱えて悩みだす。そんなの俺も知っている。伊礼はうーんと考えて口を開かない。俺は前を向いて今、黒板にある文字をつらつらとノートに書き写す。
そして、全部書き終わったらノートの後ろのページをめくり、そこにつらつらとある事を書き込んだ。
放課後――生徒会で忙しいと思いきや言った通り彼女は部室にいた。椅子に座り静かに読書をしている。綺麗な姿勢で。
俺が来たことも分からない程本に集中している。このまま黙って部屋に入ったほうがいい。邪魔はしたくない。
「やっほー‼ この伊礼、探求部へ一歩、踏み出しました!」
騒がしい奴が出てきて、俺を退けて部室の放課後の、一歩目を踏み出した。彼女はじとりと本から顔を覗く。
「うるさい。響いてる」
その後ろに琉巧が。
「幽霊部員じゃなかったか?」
嫌味たらしく言うと琉巧は口をとがらせる。
「そのつもり。でも初回一回は顔を見せないとだめだろ。うわ、何ここ」
琉巧は部室を見て怪訝なかおした。
本やマット、運動部が使うボールや使えなさそうな棒きれまであるものの、肝心のものがこの部室にない。それは、机と椅子。
「これじゃ勉強できねぇべ! 図書館から机と椅子を掻っ攫って行くでごわすよ、ろくろっち!」
「んだ! でも『ごわすよ』はない」
「頑張って、ここで待ってる」
俺と伊礼は張り切って部室を出ていき、琉巧はスマホ片手に夢中。四葉も読書に夢中。騒がしくしてた連中が出ていってホッとする。
勉強をしている人もいて、放課後だというのに疎らに人が集まっている。物音一つたてば響く室内。くしゃみ一つ許されない場所にズカズカと入っていく。図書館の先生は突然やって来て突然の要求に目を白黒させた。
「余った机と椅子? うぅん、あんまりないわね」
「殺生なっ! お恵みください~」
「うるさいわよ。ちょっと待ってなさい」
メガネをかけた寡黙そうな優しい先生は、奥の小さな小部屋へ。図書館にいる人たちの視線が刺すように痛い。小声で話しかけたのにそんな小さな物音でもこの室内ではよく響くような環境。少しでも物音たてば睨むんだからこわい。
少ししてから先生がやってきた。
「うーん、ここにあるのは先生と委員会の人たちが座るものしかないわ。ごめんね、他を当たってくれる?」
「そうすっか。分かりました。先生、あんがとー」
俺たちは図書館を出た。
静かな場所を抜けられてせいせいする。少しだけ息が落ち着いた。
「図書館にないとすると、用具室から借りてくるか」
伊礼が深く考え込む。
「どこだ?」
入学してからそれ程月日は立っていない。むしろ、こんな大きな校舎を0から覚えてる人間はあまりいないだろう。さながら一年の俺たちからすれば校舎自体が大きな迷路だ。
「四葉さんに聞くか」
俺たちは踵を返して部室に戻る。この大きな校舎を0から覚えてる極小の人間といえば生徒会でもある、四葉さんに頼るしかない。
部室に再び戻ってきた俺たちに四葉さんは、本を閉じた。
「こうなることは分かっていたわ。さて、行くわよ」
本を椅子に置き、俺たちを連れて生徒会の部屋まで。誰もいなかった。静まり返っている部屋に足音と声が響く。生徒会の部屋は書類がダンボールの中にギッシリ入ってて、ダンボールが二個、三個積んである。広いわけもなくかといって狭い訳もなく、物も沢山あって寂れた空間でもない。
俺たちの目当ての机や椅子がそこにあった。椅子を交互に別けて積んである。天井高く積んである椅子を見てバランス崩さないかヒヤヒヤする。
「分かってんなら最初からここに来ればよかったのに」
「あなたたちが俄然と先に飛び出したからでしょ。さ、運ぶわよ」
絶妙なバランス感覚で保っているのを崩すのは気が引けるがまぁ、四葉さんが言うには地震が来たことあっても一度も崩れたことない、と断言。
まぁ、そんな? 誇らしげな顔で言われるとね信じるしかない。
椅子を人数分降ろしても確かに崩れなかった。どういうバランス感覚しているんだ。机も一脚摂る。これを部室まで持っていく。同じ1階だからいいけども。椅子と机を部室まで運びんだところで今日のところは解散としよう。
ふと窓を見れば、空の色がうっすら暗くなって夕日が半分以上も沈んでいる。もっと見上げれば月がもう輝いていた。
「早く帰らねぇと屍人が徘徊するだぁ!」
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