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Ⅱ 誘発の魔女
第14話 ココアのはなし
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美味しいものはすぐになくなくる。今買ってきたジュースが、もう空。もう一個買っときゃ良かったなぁ。
向かいにいるシノは、そのジュースをちまちま飲んでいた。
「ねぇ」
「ん?」
珍しい。シノから話しかけてきた。シノは、相変わらず本に顔を隠していた。
「ココアのこと、どう思っている?」
突然の話題だった。
空気がひんやりした。
シノから久しぶりにきく、親友の名前。あれから三ヶ月経って、もう誰もその名前を口にする者はいなくなった。
わたしからも。
口にしたら、涙がどうしようもなく止まらないから。
でも、ある日突然にその名前を聞いて、心臓が締め付けられる痛みが走った。シノは、話を続けた。
「あとから聞いたんだけど、宇宙空間で、少しでも怪我すれば現実世界に戻ると、そこから刺青が這い、体の機器を蝕む。現実世界に戻ったところでその怪我をどうにかすれば、進行をとめていたのかもしれない。病気でも何でもない。ノルンの呪いだそうよ」
何が聞きたいの、と不安と不満にかられた。ココアはノルンの呪いで死んだ。スバルもだ。首についてる首輪を決して離していけない。その理由は、その首輪がすべての神経、血管を繋ぎ合わせているから。
スバルの場合は、首輪が勝手に解き、体が爆発した。死体も骨も残らなかったらしい。
ココアがあのとき、もう動けないと自分でも悟りながらも、懸命に立ち、そして宇宙空間まで足を動かした理由は、誰にも看取ることなく、死に場所を宇宙空間に選んだからだ。
ココアは、覚悟してたんだ。悟っていたんだ。自分が死ぬこと。人ではない姿で死ぬこと。
シノがどうしてココアの話を切り出したのか、疑問だった。シノは、ココアについて特に何も思っていないと思ったから。ココアが死んでから三ヶ月間、特に顔色を変えずに過ごしていた。シノにとって、ココアはそれくらいの子しかない。
シノは、本から顔を出した。本を閉じ、机に静かに置く。わたしの顔をまじまじ見て、すぅと息を吸った。
「どうしてあの子の話を切り出したのか、疑問に思っている顔ね。ユナが私のことをどう思っていようが、私もあの子の死は、衝撃的だったの」
シノは、淡々と言った。
とても、そうは思えない冷めた表情で。
空気が重い。どうしても泣きたくなる感情が、腹の底から湧き上がってくる。わたしはすぐに、この話をやめようと中断した。
そろそろダイキが帰ってきても、いいころだ。時計をふと見ると、休憩に入ってから五分も経っていない。あの時間は長くて、永遠のように感じたが、実際はそれほど時間は経っていなくて、短い一瞬の時だった。
休憩時間は10分。
あと五分以上ある。買ったジュースはもうなくて、暇な時間になった。
シノはまた本を読んでいる。北欧神話は、この図書館ではいっぱいある。だって、宇宙から襲ってくる生命体は、ノルンという。北欧神話に登場する運命の女神を指す言葉。
わたしたち人間の寿命は、石のように長い。限られてる寿命じゃない。運命の女神に愛されたからだ。
パン屋のおばさんや、服屋の店員だって、永遠の寿命を持っている。もちろん、わたしたち魔女も。全人類の人間は、老いることもない永遠の寿命を持っている。
それでも、傷を負って、死ぬことはある。わたしたち魔女は、限られた寿命だ。
「ノルンて、本当は神さまだったりして」
シノが言った。
「えぇ!? 何言ってんの!?」
わたしが叫ぶと、静かだった図書館がざわつく。図書館にいる人たちの顔が一斉にわたしに向く。わたしは萎縮した。
シノは、黙って本に顔を隠している。まるで、他人事のように。
わたしは肩を萎縮しながら、シノに再度訊いてみた。
「冗談言わないで! ノルンが神さまなわけないでしょ!」
「『殺傷はよろしくない』『命、大事、分かっていない』これは、知性型ノルンが言った言葉。まるで、仏さまじゃない?」
わたしはむっとした。
シノは好きだけど、ノルンのことを神さまと言うなんて、嫌悪感と失意がわく。ノルンは魔女を殺す。街の人たちの暮らしを脅かす。敵だ。全人類の敵だ。なのに、それが神さまだなんて、冗談でも嫌いになる。
わたしが怒ったことに、シノの切れ長の目が鋭くなった。
「冗談なんかじゃない。どうしてノルンのことを北欧神話のこの名前にしたの? 宇宙害生命体なのに、北欧神話から名付けるのって、おかしくない?」
「おかしいよ!? でも、シノのほうこそおかしいよ!」
「二人とも、何揉めてるの?」
わたしとシノの間にダイキが入って来た。
ダイキは、ぱちくりしていた。わたしたちが揉めているように見えたらしく、心配の表情。わたしたちが話してる間に休憩時間はあっという間に過ぎていた。
シノと目が合うと、気まずい。
空気が重い。
今日はとりあえず、勉強会はお開きにした。シノとこれ以上顔も見たくない。黒く渦巻いていたものが、全身を這い、時間が経つにつれどんどん気まずくなる。
テストが二日前と迫った日には、単独で勉強していた。そこに、ダイキが現れる。放課後と時間をずらして昼休み時間でやってたときだ。
「お前ら何喧嘩したの?」
呆れたように言ったダイキ。
「喧嘩してない」
わたしはむっとした。
ダイキは頭をかいた。
「いやいや、喧嘩してるでしょ! 分かるよ!? あれからさ、シノちゃん元気がなくて勉強会も俺だけで寂しいし」
わたしは知らない、と知らんぷりした。ペンを持って、ノートを解く。ダイキは、はぁと深いため息ついた。そもそも、あれは喧嘩じゃないし。ダイキの言ってる言葉を信じられない。シノは学校でも寮内でも一緒だ。だから分かる。全然元気だよ。ピンピンしているよ。
どこに元気なさが出てるのか全く分からない。
わたしはスズ、とジュースを飲んだ。相変わらず砂糖ジュース。ダイキはそれをじっと横で見て、そういえば、と語りだす。
「あのシノちゃんにどうやって砂糖ジュース飲ませたの? 何か策があったの?」
「何言ってんの。普通に飲んでたよ」
ちまちまだったけど。
大好物を味わって食べているようにちまちまだった。
ダイキは関心したように目を見開いた。
「普通に? ほんと? シノちゃん、甘いの苦手なのに」
わたしの手は止まった。
恐る恐る見上げる。
「シノ、甘いの苦手だったの?」
「え? 知らなかった? 聞いてたと思って」
「全然聞いてないよ」
ちまちま飲んでいたのは、嫌いだったから。苦手だったから。なのに、無理して飲んでくれてた。あのとき、お開きしていたときには、全部飲んでいた。どうして。どうして苦手なものを、無理して。
「そりゃ、友達からもらったものは、どんなに苦手でも超えられるんじゃない?」
ダイキはニカッと笑った。
ダイキのくせに、わたしたちの仲を取り繕うとしている。わたしは急いで立ち上がった。シノは今どこで何しているのだろう。とりあえず走ったわたしに、ダイキは、「シノちゃんなら職員室にいるよ!」と大声で見送られる。
わたしは職員室にて急いで向かった。まずシノに会ったら、謝らないと。苦手な甘いの飲ませてごめん。全然口を聞かなくてごめん。それから、それから。
職員室にたどり着くと、もうそこにシノはいなくて、廊下を走り回って探した。でも見当たらない。どこにいるの。シノ。学校でも寮内でも顔を嫌ってほど見るのに、こういうときに顔を見たい。話したい。
「シノぉ」
無意識につぶやくと、背後から「何かしら」と声が降ってきた。
その声は、知っていて、探していた人物の声だった。振り向くと、そこにはキョトンとした表情でシノがいた。
「シノ、どこにいたの! 探したんだよ!」
駆け寄ると、怪訝な表情をする。
「探したって、何か用があるの? 私はプリントを頼まれて、視聴覚室に持っていってたんだけど」
「そ、そうかぁ~」
そうだったんだ。わたしは何故か安堵し、体が崩れた。くにゃくにゃと膝をつく。シノは突然膝をついたわたしを見て、びっくり。シノも近づいてくる。
「大丈夫? なにか、あったの?」
そう言うシノの表情は、本当に心配していた表情。無表情で冷めている子なんかじゃない。ちゃんと、意思を持った優しい、わたしの友達だ。
膝に置いてある手を握った。その手はずっと外に晒され冷たかった。
「シノ、ごめんね。甘いの苦手なこと知ってたら渡さなかった。それと、ずっと無視しててごめんなさい」
暫く無言。
シノも暫くは、言葉が出でこなかった様子。でも、ずっと無言だと怖い。シノの場合、こういうとき切り替えが早くてすぐにこの状況を打破する言葉を言うか、手を離すか、すると思った。
でも違った。
恐る恐るシノの表情を見上げると、ポロポロと大粒の涙を流す彼女が、わたしの眼前にいた。信じられないほど弱々しい、十二歳年相応な女の子の姿。
向かいにいるシノは、そのジュースをちまちま飲んでいた。
「ねぇ」
「ん?」
珍しい。シノから話しかけてきた。シノは、相変わらず本に顔を隠していた。
「ココアのこと、どう思っている?」
突然の話題だった。
空気がひんやりした。
シノから久しぶりにきく、親友の名前。あれから三ヶ月経って、もう誰もその名前を口にする者はいなくなった。
わたしからも。
口にしたら、涙がどうしようもなく止まらないから。
でも、ある日突然にその名前を聞いて、心臓が締め付けられる痛みが走った。シノは、話を続けた。
「あとから聞いたんだけど、宇宙空間で、少しでも怪我すれば現実世界に戻ると、そこから刺青が這い、体の機器を蝕む。現実世界に戻ったところでその怪我をどうにかすれば、進行をとめていたのかもしれない。病気でも何でもない。ノルンの呪いだそうよ」
何が聞きたいの、と不安と不満にかられた。ココアはノルンの呪いで死んだ。スバルもだ。首についてる首輪を決して離していけない。その理由は、その首輪がすべての神経、血管を繋ぎ合わせているから。
スバルの場合は、首輪が勝手に解き、体が爆発した。死体も骨も残らなかったらしい。
ココアがあのとき、もう動けないと自分でも悟りながらも、懸命に立ち、そして宇宙空間まで足を動かした理由は、誰にも看取ることなく、死に場所を宇宙空間に選んだからだ。
ココアは、覚悟してたんだ。悟っていたんだ。自分が死ぬこと。人ではない姿で死ぬこと。
シノがどうしてココアの話を切り出したのか、疑問だった。シノは、ココアについて特に何も思っていないと思ったから。ココアが死んでから三ヶ月間、特に顔色を変えずに過ごしていた。シノにとって、ココアはそれくらいの子しかない。
シノは、本から顔を出した。本を閉じ、机に静かに置く。わたしの顔をまじまじ見て、すぅと息を吸った。
「どうしてあの子の話を切り出したのか、疑問に思っている顔ね。ユナが私のことをどう思っていようが、私もあの子の死は、衝撃的だったの」
シノは、淡々と言った。
とても、そうは思えない冷めた表情で。
空気が重い。どうしても泣きたくなる感情が、腹の底から湧き上がってくる。わたしはすぐに、この話をやめようと中断した。
そろそろダイキが帰ってきても、いいころだ。時計をふと見ると、休憩に入ってから五分も経っていない。あの時間は長くて、永遠のように感じたが、実際はそれほど時間は経っていなくて、短い一瞬の時だった。
休憩時間は10分。
あと五分以上ある。買ったジュースはもうなくて、暇な時間になった。
シノはまた本を読んでいる。北欧神話は、この図書館ではいっぱいある。だって、宇宙から襲ってくる生命体は、ノルンという。北欧神話に登場する運命の女神を指す言葉。
わたしたち人間の寿命は、石のように長い。限られてる寿命じゃない。運命の女神に愛されたからだ。
パン屋のおばさんや、服屋の店員だって、永遠の寿命を持っている。もちろん、わたしたち魔女も。全人類の人間は、老いることもない永遠の寿命を持っている。
それでも、傷を負って、死ぬことはある。わたしたち魔女は、限られた寿命だ。
「ノルンて、本当は神さまだったりして」
シノが言った。
「えぇ!? 何言ってんの!?」
わたしが叫ぶと、静かだった図書館がざわつく。図書館にいる人たちの顔が一斉にわたしに向く。わたしは萎縮した。
シノは、黙って本に顔を隠している。まるで、他人事のように。
わたしは肩を萎縮しながら、シノに再度訊いてみた。
「冗談言わないで! ノルンが神さまなわけないでしょ!」
「『殺傷はよろしくない』『命、大事、分かっていない』これは、知性型ノルンが言った言葉。まるで、仏さまじゃない?」
わたしはむっとした。
シノは好きだけど、ノルンのことを神さまと言うなんて、嫌悪感と失意がわく。ノルンは魔女を殺す。街の人たちの暮らしを脅かす。敵だ。全人類の敵だ。なのに、それが神さまだなんて、冗談でも嫌いになる。
わたしが怒ったことに、シノの切れ長の目が鋭くなった。
「冗談なんかじゃない。どうしてノルンのことを北欧神話のこの名前にしたの? 宇宙害生命体なのに、北欧神話から名付けるのって、おかしくない?」
「おかしいよ!? でも、シノのほうこそおかしいよ!」
「二人とも、何揉めてるの?」
わたしとシノの間にダイキが入って来た。
ダイキは、ぱちくりしていた。わたしたちが揉めているように見えたらしく、心配の表情。わたしたちが話してる間に休憩時間はあっという間に過ぎていた。
シノと目が合うと、気まずい。
空気が重い。
今日はとりあえず、勉強会はお開きにした。シノとこれ以上顔も見たくない。黒く渦巻いていたものが、全身を這い、時間が経つにつれどんどん気まずくなる。
テストが二日前と迫った日には、単独で勉強していた。そこに、ダイキが現れる。放課後と時間をずらして昼休み時間でやってたときだ。
「お前ら何喧嘩したの?」
呆れたように言ったダイキ。
「喧嘩してない」
わたしはむっとした。
ダイキは頭をかいた。
「いやいや、喧嘩してるでしょ! 分かるよ!? あれからさ、シノちゃん元気がなくて勉強会も俺だけで寂しいし」
わたしは知らない、と知らんぷりした。ペンを持って、ノートを解く。ダイキは、はぁと深いため息ついた。そもそも、あれは喧嘩じゃないし。ダイキの言ってる言葉を信じられない。シノは学校でも寮内でも一緒だ。だから分かる。全然元気だよ。ピンピンしているよ。
どこに元気なさが出てるのか全く分からない。
わたしはスズ、とジュースを飲んだ。相変わらず砂糖ジュース。ダイキはそれをじっと横で見て、そういえば、と語りだす。
「あのシノちゃんにどうやって砂糖ジュース飲ませたの? 何か策があったの?」
「何言ってんの。普通に飲んでたよ」
ちまちまだったけど。
大好物を味わって食べているようにちまちまだった。
ダイキは関心したように目を見開いた。
「普通に? ほんと? シノちゃん、甘いの苦手なのに」
わたしの手は止まった。
恐る恐る見上げる。
「シノ、甘いの苦手だったの?」
「え? 知らなかった? 聞いてたと思って」
「全然聞いてないよ」
ちまちま飲んでいたのは、嫌いだったから。苦手だったから。なのに、無理して飲んでくれてた。あのとき、お開きしていたときには、全部飲んでいた。どうして。どうして苦手なものを、無理して。
「そりゃ、友達からもらったものは、どんなに苦手でも超えられるんじゃない?」
ダイキはニカッと笑った。
ダイキのくせに、わたしたちの仲を取り繕うとしている。わたしは急いで立ち上がった。シノは今どこで何しているのだろう。とりあえず走ったわたしに、ダイキは、「シノちゃんなら職員室にいるよ!」と大声で見送られる。
わたしは職員室にて急いで向かった。まずシノに会ったら、謝らないと。苦手な甘いの飲ませてごめん。全然口を聞かなくてごめん。それから、それから。
職員室にたどり着くと、もうそこにシノはいなくて、廊下を走り回って探した。でも見当たらない。どこにいるの。シノ。学校でも寮内でも顔を嫌ってほど見るのに、こういうときに顔を見たい。話したい。
「シノぉ」
無意識につぶやくと、背後から「何かしら」と声が降ってきた。
その声は、知っていて、探していた人物の声だった。振り向くと、そこにはキョトンとした表情でシノがいた。
「シノ、どこにいたの! 探したんだよ!」
駆け寄ると、怪訝な表情をする。
「探したって、何か用があるの? 私はプリントを頼まれて、視聴覚室に持っていってたんだけど」
「そ、そうかぁ~」
そうだったんだ。わたしは何故か安堵し、体が崩れた。くにゃくにゃと膝をつく。シノは突然膝をついたわたしを見て、びっくり。シノも近づいてくる。
「大丈夫? なにか、あったの?」
そう言うシノの表情は、本当に心配していた表情。無表情で冷めている子なんかじゃない。ちゃんと、意思を持った優しい、わたしの友達だ。
膝に置いてある手を握った。その手はずっと外に晒され冷たかった。
「シノ、ごめんね。甘いの苦手なこと知ってたら渡さなかった。それと、ずっと無視しててごめんなさい」
暫く無言。
シノも暫くは、言葉が出でこなかった様子。でも、ずっと無言だと怖い。シノの場合、こういうとき切り替えが早くてすぐにこの状況を打破する言葉を言うか、手を離すか、すると思った。
でも違った。
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