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Ⅱ 誘発の魔女
第15話 シノの過去
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わたしはぎょとした。だって、泣くほどとは思わなかったもん。あの無表情冷酷少女の姿がどこにもない。ただ、わたしと同じ十二歳のかよわき女の子。
いや、それ以上に弱々しい女の子だ。
感情をぽろりと出したような。
今まで溜めてあった涙腺が崩壊したように、ポロポロと涙を溢した。
「シノさん? ほんとにシノだよね?」
恐る恐る訊くと、シノの眼光が赤くなり刃のように鋭くなった。
「何?」
「いいえ、何もございません」
シノだ。この恐ろしい眼光はシノしかいない。さっきの弱々しい女の子の姿が見る影もなし。元のシノに戻った。
ほんとに切り替え早いんだから。
シノは、背中を向けてハンカチで涙をぬぐった。でも、衝撃的だな。シノがあんな涙を流すなんて。いつも冷めた表情だから、他の人でもびっくりだよ。
涙を拭き終わったシノは背を向けたまま。顔を向けないのは、多分、恥ずかしいのだろう。
「私はたいして怒ってないわ。ジュースを飲んだのも気まぐれだし、あなたと何日か言葉を交わさずとも人生生きていけれるし、何も心配いらなかったのよ」
威勢を奮っているけれど、声が微かに震えている。こんなシノ、初めて見た。思わず微笑んだ。
すると、また無言になった。でも空気は割と重くない。ざぁ、と静かに吹く人口風は、季節に沿って、涼しく、暖かく、まるでエアコンのように吹く。その風が、冬となる季節の今日は暖かい。
静かに吹く風と同時にシノの深呼吸する音が聞こえた。そして、重たい口を開く。
「私は、四歳からここにきたの」
突然の告白。
シノは話を続けた。
「自分の子どもを魔女にするのは反対だって、一部の親はいる。私の両親は、そんな親だった。優しくて、温かくて、魔女協会にどんなに目をつけられても、私を売ろうとはしなかった」
淡々と自分の過去を告白するシノ。
その言葉は、一つ一つが重くて、シノも噛み締めているような口調だった。
「でも、魔女協会も痺れを切らしたある日、両親と私が旅行にいったとき、自分たちもろとも車で激突。崖下に転落。運良く生き延びたのは私だけ。何週間か、生死の境をさ迷ったわ。そして目が覚めたら魔女だの、なんだの、バディと顔合わせだの、ほんとに、頭にくる。あなたは」
くるりと振り向いた。
とても、切ない表情。泣きそうな表情だ。
「あなたは、それでもここが好きなんでしょ? でも、私は嫌い。魔女は、私たちの命は紙切れなんかじゃない。街の人たちと同じなの。年端もいかない私たちにただ、頼っているだけの大人」
シノの過去を聞いて、底のみえない憤怒を感じた。わたしと同じ、十二歳なのに、その憤怒を体の内に隠し続けていた。
わたしは、かける言葉が浮かばなかった。いいや、簡単に言葉をかけていいものじゃない。こんな重いもの、わたしは経験したことない。
どんなにつらかっただろう。暗い崖下に突き落とされ、今まで笑っていた両親が動かないなんて。
どんなに絶望に打ちのめしたのだろう。目がさめたとき、自分はどんなにちっぽけな存在だと。
けど、分かるよ。大事な人が突然いなくなるの、すごく悲しいよね。苦しくて、どうしてわたしだけが生きてるんだ、と思う。
わたしもココアを失って、すごく苦しい。
シノは、その何年前からその苦しみを胸に秘めていたんだ。たった一人で。
もう、苦しまなくていいんだよ。
わたしがいる。
きっと、そのころは感情がコロコロ変わって、表に出ていたんだろうな。今のように、悲しいときとか、涙を流していたんだろうな。
かつて、シノはこの学校を憎むような言動をしていた。その理由が明らかになった。
わたしがかける言葉は、これしかない。
「結果はどうであれ、わたしとシノと出会えて良かった。シノは?」
シノは、少し穏やかな表情へと変わる。
「そうね。確かに」
わたしは背後に回った。
「さぁ! 授業が始まるぞ! 急ごう!」
わたしはぐん、と車椅子を押し、廊下を駆け抜けた。通り過ぎる風と景色。シノは「危ないじゃない」と甲高く叫ぶ。
わたしたちの仲睦まじい声が、廊下中に響き渡る。その姿を影ながら眺めてたダイキは、一人微笑んだという。
シノのこと、少しでも分かって良かった。両親がいたころと同じように、わたしにもいつか、そのときの笑顔を見せてくれる日がくると信じて、そばいる。その閉じこもった殻をわたしがぶち上げる。そう宣言したら、シノの切れ長の目が大きくなった。困ったように、眉をさげた。
シノと和解し、それまで崩れていたものが再生した。テスト前日のたった一日だけ、また三人でテスト勉強をした。
シノは的確に教えてくれる。
ダイキも教えてくれて、難問正解。逆にダイキが理解できないところは、わたしが教える。やっぱり勉強は一人でやっているより、複数とやったほうが、為になる。
自分も理解するというか、相手から教わるというか。
そして、ついに決戦の日が訪れた。
シノに叩き込まれたものを存分に出すんだ。久しぶりにドキドキと、心臓が高鳴っている。滅多に緊張しないんだけど、この日ばかりは緊張と不安が胸中をざわつかせている。
一限目から苦手な数学だ。
シノが教えてくれたんだ。無駄なことなんて、一つもない。全部をこのテストに出すんだ。
一問目から、シノに教えてくれた問題が出た。苦手な数学なのに、すらすら解ける。シノのおかげでだ。きっと今頃、ダイキも絶好調でテストを解いているだろう。
今回のテストは絶好調だ。詰まるところもない。頭を悩ます問題に合わない。これも全て、シノのおかげだ。シノはというと、終了の鐘が鳴る10分前には全ての問題を解き、うつ伏せになり、寝ていた。
余裕だな。
そういえば、シノは自分の勉強時間はわたしたちのあとだった。就寝する時間前の、限られた時間。その限られた時間で、常にトップを飾っているシノて、すごい化物だな。
そして、テスト最終日は実技だ。
この実技のテストは、筆記試験の倍以上に厳しく採点される。
実技がおもにこの試験の要といってもいい。
筆記試験で赤点とったら、朝方から深夜まで勉強させられる地獄とかす。
けれど、実技で赤点とったら最悪、留年になる。この実技だけは、みんな気合入っている。もちろん、わたしも。
筆記は血を流すように勉強したけど、実技だけは得意なんだ。何気に体を動かすのが好きだからかな。
すると、隣にふとリュウがドカと座ってきた。この科目だけは、バディとは同じ教室で受ける。息をそろえて、お互いのことを考えればこのテストは大丈夫、とシノが教えてくれた。
おかしな話だけど、根こそ嫌っているナノカがバディといる。
ナノカのバティは、ナノカの体の調子を気にしているのにナノカは気にもとめない。むしろ、嫌悪感が増している。
つまらなそうに頬杖ついて、窓を見上げているリュウが、ぽつりと呟いた。
「頑張ったのかよ」
わたしは、うんと意気込んで
「頑張ったよ! シノの勉強会のおかげで、結果見なくても赤点じゃないて、分かるもん! この実技ではリュウが足引っ張るかもよ~」
わたしはくすくす笑った。
対してリュウは、そうも変わらずつまらなそう。冗談がきかないなんて、面白くない。わたしはムッとする。だめだめ。試験前なんだから、心を落ち着かせないと。落ち着いて、落ち着くの。息を整えると、おもむろにリュウが口が開いた。
「俺も負けない。この試験、頑張るぞ」
やけに気合が入ってんな。
絶対負けない相手が見つかったのだろうか。わたしも負けないよ。
このテストは、バディと組んで魔女との一体感を見せつけるテストだ。少しミニゲーム感なテスト。だけど、それが割と難しい。宇宙空間じゃないけど、そこそここの学校では一番大きい建物に移る。
草木や生い茂る森、浸かると途端に死ぬ毒の湖、険しい岩道など、遊園地みたいにステージが用意されてるドーム。
テスト内容はこう。
このステージを駆け抜けて、ゴールするだけ。
魔女がこのステージを駆け抜けて、バディがこのステージの安全な道のりを教えてくれる。それは、首輪についている発振器から。バディはモニターからステージを見て、誘導してくれる。
魔女対魔女だ。
わたしたちは、茂みが生い茂る森のステージからスタート。
「今回は、絶対負けないんだから!」
そう意気込むナノカ。
ナノカもこういう実技には強い。
前回のテストでは、わたしが一位でナノカが二番手。その差は0.5だったという。だからわたしも負けられない。今回の実技も一位を取る。
「リュウ、よろしくね!」
ここから離れ地にいるリュウに送る。
『OK』
と、そっけない返事が返ってくる。
わたしは深呼吸した。ドキドキしてる。緊張で何より、体が強ばっている。でも不安はない。だって、リュウがいるもの。
この実技を受けるのは、同期の魔女、約二十五人。一斉に森からスタートする。
スタートと合図の笛の音がなると、一斉に駆け出した。
いや、それ以上に弱々しい女の子だ。
感情をぽろりと出したような。
今まで溜めてあった涙腺が崩壊したように、ポロポロと涙を溢した。
「シノさん? ほんとにシノだよね?」
恐る恐る訊くと、シノの眼光が赤くなり刃のように鋭くなった。
「何?」
「いいえ、何もございません」
シノだ。この恐ろしい眼光はシノしかいない。さっきの弱々しい女の子の姿が見る影もなし。元のシノに戻った。
ほんとに切り替え早いんだから。
シノは、背中を向けてハンカチで涙をぬぐった。でも、衝撃的だな。シノがあんな涙を流すなんて。いつも冷めた表情だから、他の人でもびっくりだよ。
涙を拭き終わったシノは背を向けたまま。顔を向けないのは、多分、恥ずかしいのだろう。
「私はたいして怒ってないわ。ジュースを飲んだのも気まぐれだし、あなたと何日か言葉を交わさずとも人生生きていけれるし、何も心配いらなかったのよ」
威勢を奮っているけれど、声が微かに震えている。こんなシノ、初めて見た。思わず微笑んだ。
すると、また無言になった。でも空気は割と重くない。ざぁ、と静かに吹く人口風は、季節に沿って、涼しく、暖かく、まるでエアコンのように吹く。その風が、冬となる季節の今日は暖かい。
静かに吹く風と同時にシノの深呼吸する音が聞こえた。そして、重たい口を開く。
「私は、四歳からここにきたの」
突然の告白。
シノは話を続けた。
「自分の子どもを魔女にするのは反対だって、一部の親はいる。私の両親は、そんな親だった。優しくて、温かくて、魔女協会にどんなに目をつけられても、私を売ろうとはしなかった」
淡々と自分の過去を告白するシノ。
その言葉は、一つ一つが重くて、シノも噛み締めているような口調だった。
「でも、魔女協会も痺れを切らしたある日、両親と私が旅行にいったとき、自分たちもろとも車で激突。崖下に転落。運良く生き延びたのは私だけ。何週間か、生死の境をさ迷ったわ。そして目が覚めたら魔女だの、なんだの、バディと顔合わせだの、ほんとに、頭にくる。あなたは」
くるりと振り向いた。
とても、切ない表情。泣きそうな表情だ。
「あなたは、それでもここが好きなんでしょ? でも、私は嫌い。魔女は、私たちの命は紙切れなんかじゃない。街の人たちと同じなの。年端もいかない私たちにただ、頼っているだけの大人」
シノの過去を聞いて、底のみえない憤怒を感じた。わたしと同じ、十二歳なのに、その憤怒を体の内に隠し続けていた。
わたしは、かける言葉が浮かばなかった。いいや、簡単に言葉をかけていいものじゃない。こんな重いもの、わたしは経験したことない。
どんなにつらかっただろう。暗い崖下に突き落とされ、今まで笑っていた両親が動かないなんて。
どんなに絶望に打ちのめしたのだろう。目がさめたとき、自分はどんなにちっぽけな存在だと。
けど、分かるよ。大事な人が突然いなくなるの、すごく悲しいよね。苦しくて、どうしてわたしだけが生きてるんだ、と思う。
わたしもココアを失って、すごく苦しい。
シノは、その何年前からその苦しみを胸に秘めていたんだ。たった一人で。
もう、苦しまなくていいんだよ。
わたしがいる。
きっと、そのころは感情がコロコロ変わって、表に出ていたんだろうな。今のように、悲しいときとか、涙を流していたんだろうな。
かつて、シノはこの学校を憎むような言動をしていた。その理由が明らかになった。
わたしがかける言葉は、これしかない。
「結果はどうであれ、わたしとシノと出会えて良かった。シノは?」
シノは、少し穏やかな表情へと変わる。
「そうね。確かに」
わたしは背後に回った。
「さぁ! 授業が始まるぞ! 急ごう!」
わたしはぐん、と車椅子を押し、廊下を駆け抜けた。通り過ぎる風と景色。シノは「危ないじゃない」と甲高く叫ぶ。
わたしたちの仲睦まじい声が、廊下中に響き渡る。その姿を影ながら眺めてたダイキは、一人微笑んだという。
シノのこと、少しでも分かって良かった。両親がいたころと同じように、わたしにもいつか、そのときの笑顔を見せてくれる日がくると信じて、そばいる。その閉じこもった殻をわたしがぶち上げる。そう宣言したら、シノの切れ長の目が大きくなった。困ったように、眉をさげた。
シノと和解し、それまで崩れていたものが再生した。テスト前日のたった一日だけ、また三人でテスト勉強をした。
シノは的確に教えてくれる。
ダイキも教えてくれて、難問正解。逆にダイキが理解できないところは、わたしが教える。やっぱり勉強は一人でやっているより、複数とやったほうが、為になる。
自分も理解するというか、相手から教わるというか。
そして、ついに決戦の日が訪れた。
シノに叩き込まれたものを存分に出すんだ。久しぶりにドキドキと、心臓が高鳴っている。滅多に緊張しないんだけど、この日ばかりは緊張と不安が胸中をざわつかせている。
一限目から苦手な数学だ。
シノが教えてくれたんだ。無駄なことなんて、一つもない。全部をこのテストに出すんだ。
一問目から、シノに教えてくれた問題が出た。苦手な数学なのに、すらすら解ける。シノのおかげでだ。きっと今頃、ダイキも絶好調でテストを解いているだろう。
今回のテストは絶好調だ。詰まるところもない。頭を悩ます問題に合わない。これも全て、シノのおかげだ。シノはというと、終了の鐘が鳴る10分前には全ての問題を解き、うつ伏せになり、寝ていた。
余裕だな。
そういえば、シノは自分の勉強時間はわたしたちのあとだった。就寝する時間前の、限られた時間。その限られた時間で、常にトップを飾っているシノて、すごい化物だな。
そして、テスト最終日は実技だ。
この実技のテストは、筆記試験の倍以上に厳しく採点される。
実技がおもにこの試験の要といってもいい。
筆記試験で赤点とったら、朝方から深夜まで勉強させられる地獄とかす。
けれど、実技で赤点とったら最悪、留年になる。この実技だけは、みんな気合入っている。もちろん、わたしも。
筆記は血を流すように勉強したけど、実技だけは得意なんだ。何気に体を動かすのが好きだからかな。
すると、隣にふとリュウがドカと座ってきた。この科目だけは、バディとは同じ教室で受ける。息をそろえて、お互いのことを考えればこのテストは大丈夫、とシノが教えてくれた。
おかしな話だけど、根こそ嫌っているナノカがバディといる。
ナノカのバティは、ナノカの体の調子を気にしているのにナノカは気にもとめない。むしろ、嫌悪感が増している。
つまらなそうに頬杖ついて、窓を見上げているリュウが、ぽつりと呟いた。
「頑張ったのかよ」
わたしは、うんと意気込んで
「頑張ったよ! シノの勉強会のおかげで、結果見なくても赤点じゃないて、分かるもん! この実技ではリュウが足引っ張るかもよ~」
わたしはくすくす笑った。
対してリュウは、そうも変わらずつまらなそう。冗談がきかないなんて、面白くない。わたしはムッとする。だめだめ。試験前なんだから、心を落ち着かせないと。落ち着いて、落ち着くの。息を整えると、おもむろにリュウが口が開いた。
「俺も負けない。この試験、頑張るぞ」
やけに気合が入ってんな。
絶対負けない相手が見つかったのだろうか。わたしも負けないよ。
このテストは、バディと組んで魔女との一体感を見せつけるテストだ。少しミニゲーム感なテスト。だけど、それが割と難しい。宇宙空間じゃないけど、そこそここの学校では一番大きい建物に移る。
草木や生い茂る森、浸かると途端に死ぬ毒の湖、険しい岩道など、遊園地みたいにステージが用意されてるドーム。
テスト内容はこう。
このステージを駆け抜けて、ゴールするだけ。
魔女がこのステージを駆け抜けて、バディがこのステージの安全な道のりを教えてくれる。それは、首輪についている発振器から。バディはモニターからステージを見て、誘導してくれる。
魔女対魔女だ。
わたしたちは、茂みが生い茂る森のステージからスタート。
「今回は、絶対負けないんだから!」
そう意気込むナノカ。
ナノカもこういう実技には強い。
前回のテストでは、わたしが一位でナノカが二番手。その差は0.5だったという。だからわたしも負けられない。今回の実技も一位を取る。
「リュウ、よろしくね!」
ここから離れ地にいるリュウに送る。
『OK』
と、そっけない返事が返ってくる。
わたしは深呼吸した。ドキドキしてる。緊張で何より、体が強ばっている。でも不安はない。だって、リュウがいるもの。
この実技を受けるのは、同期の魔女、約二十五人。一斉に森からスタートする。
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