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Ⅱ 誘発の魔女
第17話 北欧神話
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今回のテスト、赤点なし。
わたしはダイキと一緒に大泣きした。感動で涙が滝のように溢れてくるよ。頑張ったかいがあるもんだ。
待ちに待ったテストがあり、それを無事終えると、その次に控えているイベント。大大大重要な修学旅行がやってくる。
ひと波乱終え、わたしたちは安息の時を過ごしていた。あと何週間したら修学旅行だ。
必須な物資はそろってある。買い物に行かなくても良さそうだ。
でも、修学旅行の物資は揃えてあるけど、色々なことを想定すると、やっぱり何か買わないとな。
たとえば、可愛いお洋服とか。
修学旅行、それは三泊四日の旅。男子と同じ屋根の下で寝る。そんなの、リュウにちゃんとわたしを「可愛い女の子」として見てほしい一世一代のイベント。
可愛いお洋服とか着たりとか、可愛いものを身に着けておけば、リュウだって――――脳裏に赤い薔薇に囲まれたわたしたち。リュウが、わたしの頬に手をそえ「こんなに可愛かったなんて、ごめんな、ちゃんと見てなくて、これからは俺が守ってやる」
強く抱きしめられて――――。
だめだめ。わたしたら、何考えてるの。そう。リュウの口から「可愛い」て言われるために。可愛いものを身に着けておかないと。
でもシノが冷めた表情で「人の心を奪えるのはそう簡単じゃないわ」と言われた。シノには分かんないんだよ。ずっと好きな人がこっち、振り向いてくれないと寂しいし、切ないんだよ。
だから、買い物に行きたいのだけれど、シノもナノカも用事があって行けないそうだ。だからといって、わたし一人で街を歩くのも不安だ。
誰か、買い物に付き添ってくれる人はいるだろうか。そんなとき、シノからある提案を持ち出してきた。
「ダイキと行ったら面白いんじゃない?」と。
「ダイキは、面白いし、一緒にいて楽しいけど……リュウの好みて分かるの?」
「あら、振られた」
ダイキはなし。やっぱりここは女子と行く。
「ねぇねぇシノぉ~」
「ちょっとくっつかないで」
本を読んでいるシノにぴったりとくっついた。ここは寮内。シノは相変わらず朝から本を読んで、そこから全く動かない。本の虫状態。
今日はせっかくの休み。たった一日しかないんだから、有意義に使わないと。
「有意義に使う時間は人それぞれよ」
「でもぉ」
駄々こねるわたしに見限ってか、シノはやっと本から顔を出した。冷めた目で見下すのかと思いきや、意外な言葉が返ってきた。
「そのままでもユナは可愛いんだから、変に飾らなくても充分可愛いわ」
シノはにこっと笑った。
この世で一、ニ回しか出会えないシノの稀の笑顔。この目前で納めることになるとは。でもパッとすぐに元の表情に戻った。
シノの笑顔を見れたからなのか、わたしはその言葉を鵜呑みにした。
「そうかな? ほんとに?」
「ほんとほんと」
そうだよね。この姿がありのままの姿で、わたしはわたしなんだから。変に飾ったらわたしじゃなくなるよね。それに、この姿のままで「可愛い」て言われたいな。
やっと静かになったからシノは、本に目をやった。シノが読んでいるのは北欧神話。またまた北欧神話である。北欧神話、好きなのかな。
そういえば、とふと思い出した。
「シノの言ってたあれ、ノルンが神さまなんじゃないかって、もっと詳しく聞かせて」
シノがまた本から顔を覗かせた。今度は切れ長の目が鋭い槍になっている。真面目な表情だ。これは、話が長くなる。そう感じた。
シノの表情が真面目になり、空気が明らかに変わった。ピリピリ刺すような、肌に刺すような、重い空気だ。
「そうね……」
シノは本を閉じ、わたしをじっと見た。
わたしの目は、覚悟を決まっている。それを確認してシノは自分の話を始めた。
「大昔、人間は花のように儚い生命だった。けど突然変異が起き、何十年何百年も生き永らえた。この突然変異って、なんだと思う?」
「え? えっと……ウイルス?」
わたしは当てずっぽうで答えた。
シノは首を縦に振った。
「神と契約したのよ」
大真面目に言ったシノ。わたしはたじろいた。
「神と? え? 人が?」
当然の反応にシノも動じなかった。話を続けた。
「この世は九つの世界で別けられている。神々、人間、巨人……その九つの世界を繋いでいるのがユグドラシルの樹。運命の女神って知ってる? ユグドラシルの樹の下の泉に住む、三姉妹の女神。その女神は、私たち人間の寿命を図っている」
「つまり……?」
「その女神と契約して、人間は長寿になったのよ」
へ、へぇ……。
ちょっと待って。黙って話聞いてたけど、わたしの頭じゃ整理できないわ。ちょっと待って待って。一から整理すると。人間は運命の女神様と契約して、長寿を得たということだよね。
それがノルンと何が関係しているのやら。
素直に言うけど、神様と人間が契約したって話も信じ難い。けれど、シノは真面目に大真面目に言ってる。この表情は、嘘ついていない。
シノが嘘をつくような子じゃない。
「簡単に信じなくていいわ。私もあまり、確証はないもの」
「この前、確証したって……」
「それは別の話」
それを早く話してくれ。
危うく信じきるところだった。シノさえ確証しないものを信じたら、ばかじゃん。
シノはコホン、と咳払いした。閉じた本を机に置き、今度は体ごとこちらに向く。
「ノルンって北欧神話ではアーズガルズ、アース神族、ヴァン神族を指す。個体ではノルン。複数の場合はノルニル。前も言ったけど、どうして宇宙害生命体の名前を〝ノルン〟てつけたの? 大昔の人間は、ノルンを見て、神と錯覚せざるをえない思想だった。それはどうしてか。人間が神族から何かを奪ったからだと思う」
「それじゃあ、ノルンは奪われたものを取り返しに地球に降りてくる? それを、わたしたち魔女が殺してるの?」
わたし体から血の気が引いていくのが分かった。さぁと。対してシノは、顔色変えずにまた話を続ける。
「ノルンが取り返そうとしているのは、魔女の原初、アリス様だと思う」
わたしは唾をごくりと飲み込んで、シノの話に釘付けになる。アリス様はこの世の全て。宇宙の全てである。
「アリス様の信仰は、根強いもので、魔女じゃない一家でも肉片を持っている異常な信仰心。そうならないといけない理由があるのか、私には分からない。でも、私の家は信仰してなかった。肉片を持つのに抵抗があったから。だからなのか、死体もぐちゃぐちゃのひどい有様で、結局、ほんとに運命は残酷。アリス様がもし、運命の女神ならば、当然降りてくる」
わたしは言葉が出なかった。
アリス様が、運命の女神様。
信じがたい。
瞼裏で思い出すアリス様の姿は、包帯ぐるぐるの巨人。広い敷地に横になり、寝ているのか死んでいるのか、分からないほど微動だにしない巨人。はっきり言って、運命の女神様という風貌は感じられない。
運命の女神様は、三人いてウルドが「過去」ヴェルザンティが「現在」スクルドが「未来」という。
このどちらかが、人間界に。
しかも、まだノルンが神様だという根拠もはっきり信じられない。頭ががんがんする。膨大な情報が頭の中にねじ込まれ、頭が痛い。
それを察してか、シノがぽんと肩に手を置いた。
「やっぱり聞かなかったことにして。私の、考え過ぎだから」
切ない表情。
まるで捨てられた仔犬のような。わたしはガッと肩においている手のひらを掴んだ。
「ううん。信じる。友達の話を信じないやつは、友達なんかじゃない!」
シノはいきなり手を掴まれてびっくりしてるのか、友達という単語にびっくりしているのか、切れ長の目が大きく見開いた。ビー玉みたい。
「あ、ありがと……」
目をぱちくりさせ、顔を伏せた。
重い空気がやんわり、和んでいく。
そうだ。たとえ、これが真実だとしても受け取める。受けとめる覚悟をしなきゃ。
この世は残酷なのだから。
話に夢中でもう夕方だ。
時間はあっという間だな。夕ごはんを食べに食堂に向かった。寮と食堂は近い。ついでに図書館も。リュウのいる男子棟はちょっと遠い。
寮を抜け、渡り廊下があると食堂になる。その行きに偶然、今回任命された魔女が通りかかった。
わたしたちより学年が下の子たち。
彼女たちは、無事ノルン討伐を達成し高揚感に満ち溢れ、和気あいあいとしていた。渡り廊下をはしゃいで歩いて。右側のほうにすれ違ったので、会話は難なく聞こえる。
わたしたち認められた。
すごい。
あたしたち誰よりも強いよね。
このまま、ノルン全滅できる。
と。
今回任命され、ノルン討伐を初めて達成した人の傲慢感、高揚感の声だった。
その姿はまるで……まるで……三ヶ月前のわたしたちのようだった。
ココアがいた、刺青のなかったココアがいた、あのときの姿とうり二つ。
あの笑顔がいつか、断ち切ることもある。勝ったからといって、また勝つことはない。死ぬことだってある。
未来は残酷だ。
わたしはダイキと一緒に大泣きした。感動で涙が滝のように溢れてくるよ。頑張ったかいがあるもんだ。
待ちに待ったテストがあり、それを無事終えると、その次に控えているイベント。大大大重要な修学旅行がやってくる。
ひと波乱終え、わたしたちは安息の時を過ごしていた。あと何週間したら修学旅行だ。
必須な物資はそろってある。買い物に行かなくても良さそうだ。
でも、修学旅行の物資は揃えてあるけど、色々なことを想定すると、やっぱり何か買わないとな。
たとえば、可愛いお洋服とか。
修学旅行、それは三泊四日の旅。男子と同じ屋根の下で寝る。そんなの、リュウにちゃんとわたしを「可愛い女の子」として見てほしい一世一代のイベント。
可愛いお洋服とか着たりとか、可愛いものを身に着けておけば、リュウだって――――脳裏に赤い薔薇に囲まれたわたしたち。リュウが、わたしの頬に手をそえ「こんなに可愛かったなんて、ごめんな、ちゃんと見てなくて、これからは俺が守ってやる」
強く抱きしめられて――――。
だめだめ。わたしたら、何考えてるの。そう。リュウの口から「可愛い」て言われるために。可愛いものを身に着けておかないと。
でもシノが冷めた表情で「人の心を奪えるのはそう簡単じゃないわ」と言われた。シノには分かんないんだよ。ずっと好きな人がこっち、振り向いてくれないと寂しいし、切ないんだよ。
だから、買い物に行きたいのだけれど、シノもナノカも用事があって行けないそうだ。だからといって、わたし一人で街を歩くのも不安だ。
誰か、買い物に付き添ってくれる人はいるだろうか。そんなとき、シノからある提案を持ち出してきた。
「ダイキと行ったら面白いんじゃない?」と。
「ダイキは、面白いし、一緒にいて楽しいけど……リュウの好みて分かるの?」
「あら、振られた」
ダイキはなし。やっぱりここは女子と行く。
「ねぇねぇシノぉ~」
「ちょっとくっつかないで」
本を読んでいるシノにぴったりとくっついた。ここは寮内。シノは相変わらず朝から本を読んで、そこから全く動かない。本の虫状態。
今日はせっかくの休み。たった一日しかないんだから、有意義に使わないと。
「有意義に使う時間は人それぞれよ」
「でもぉ」
駄々こねるわたしに見限ってか、シノはやっと本から顔を出した。冷めた目で見下すのかと思いきや、意外な言葉が返ってきた。
「そのままでもユナは可愛いんだから、変に飾らなくても充分可愛いわ」
シノはにこっと笑った。
この世で一、ニ回しか出会えないシノの稀の笑顔。この目前で納めることになるとは。でもパッとすぐに元の表情に戻った。
シノの笑顔を見れたからなのか、わたしはその言葉を鵜呑みにした。
「そうかな? ほんとに?」
「ほんとほんと」
そうだよね。この姿がありのままの姿で、わたしはわたしなんだから。変に飾ったらわたしじゃなくなるよね。それに、この姿のままで「可愛い」て言われたいな。
やっと静かになったからシノは、本に目をやった。シノが読んでいるのは北欧神話。またまた北欧神話である。北欧神話、好きなのかな。
そういえば、とふと思い出した。
「シノの言ってたあれ、ノルンが神さまなんじゃないかって、もっと詳しく聞かせて」
シノがまた本から顔を覗かせた。今度は切れ長の目が鋭い槍になっている。真面目な表情だ。これは、話が長くなる。そう感じた。
シノの表情が真面目になり、空気が明らかに変わった。ピリピリ刺すような、肌に刺すような、重い空気だ。
「そうね……」
シノは本を閉じ、わたしをじっと見た。
わたしの目は、覚悟を決まっている。それを確認してシノは自分の話を始めた。
「大昔、人間は花のように儚い生命だった。けど突然変異が起き、何十年何百年も生き永らえた。この突然変異って、なんだと思う?」
「え? えっと……ウイルス?」
わたしは当てずっぽうで答えた。
シノは首を縦に振った。
「神と契約したのよ」
大真面目に言ったシノ。わたしはたじろいた。
「神と? え? 人が?」
当然の反応にシノも動じなかった。話を続けた。
「この世は九つの世界で別けられている。神々、人間、巨人……その九つの世界を繋いでいるのがユグドラシルの樹。運命の女神って知ってる? ユグドラシルの樹の下の泉に住む、三姉妹の女神。その女神は、私たち人間の寿命を図っている」
「つまり……?」
「その女神と契約して、人間は長寿になったのよ」
へ、へぇ……。
ちょっと待って。黙って話聞いてたけど、わたしの頭じゃ整理できないわ。ちょっと待って待って。一から整理すると。人間は運命の女神様と契約して、長寿を得たということだよね。
それがノルンと何が関係しているのやら。
素直に言うけど、神様と人間が契約したって話も信じ難い。けれど、シノは真面目に大真面目に言ってる。この表情は、嘘ついていない。
シノが嘘をつくような子じゃない。
「簡単に信じなくていいわ。私もあまり、確証はないもの」
「この前、確証したって……」
「それは別の話」
それを早く話してくれ。
危うく信じきるところだった。シノさえ確証しないものを信じたら、ばかじゃん。
シノはコホン、と咳払いした。閉じた本を机に置き、今度は体ごとこちらに向く。
「ノルンって北欧神話ではアーズガルズ、アース神族、ヴァン神族を指す。個体ではノルン。複数の場合はノルニル。前も言ったけど、どうして宇宙害生命体の名前を〝ノルン〟てつけたの? 大昔の人間は、ノルンを見て、神と錯覚せざるをえない思想だった。それはどうしてか。人間が神族から何かを奪ったからだと思う」
「それじゃあ、ノルンは奪われたものを取り返しに地球に降りてくる? それを、わたしたち魔女が殺してるの?」
わたし体から血の気が引いていくのが分かった。さぁと。対してシノは、顔色変えずにまた話を続ける。
「ノルンが取り返そうとしているのは、魔女の原初、アリス様だと思う」
わたしは唾をごくりと飲み込んで、シノの話に釘付けになる。アリス様はこの世の全て。宇宙の全てである。
「アリス様の信仰は、根強いもので、魔女じゃない一家でも肉片を持っている異常な信仰心。そうならないといけない理由があるのか、私には分からない。でも、私の家は信仰してなかった。肉片を持つのに抵抗があったから。だからなのか、死体もぐちゃぐちゃのひどい有様で、結局、ほんとに運命は残酷。アリス様がもし、運命の女神ならば、当然降りてくる」
わたしは言葉が出なかった。
アリス様が、運命の女神様。
信じがたい。
瞼裏で思い出すアリス様の姿は、包帯ぐるぐるの巨人。広い敷地に横になり、寝ているのか死んでいるのか、分からないほど微動だにしない巨人。はっきり言って、運命の女神様という風貌は感じられない。
運命の女神様は、三人いてウルドが「過去」ヴェルザンティが「現在」スクルドが「未来」という。
このどちらかが、人間界に。
しかも、まだノルンが神様だという根拠もはっきり信じられない。頭ががんがんする。膨大な情報が頭の中にねじ込まれ、頭が痛い。
それを察してか、シノがぽんと肩に手を置いた。
「やっぱり聞かなかったことにして。私の、考え過ぎだから」
切ない表情。
まるで捨てられた仔犬のような。わたしはガッと肩においている手のひらを掴んだ。
「ううん。信じる。友達の話を信じないやつは、友達なんかじゃない!」
シノはいきなり手を掴まれてびっくりしてるのか、友達という単語にびっくりしているのか、切れ長の目が大きく見開いた。ビー玉みたい。
「あ、ありがと……」
目をぱちくりさせ、顔を伏せた。
重い空気がやんわり、和んでいく。
そうだ。たとえ、これが真実だとしても受け取める。受けとめる覚悟をしなきゃ。
この世は残酷なのだから。
話に夢中でもう夕方だ。
時間はあっという間だな。夕ごはんを食べに食堂に向かった。寮と食堂は近い。ついでに図書館も。リュウのいる男子棟はちょっと遠い。
寮を抜け、渡り廊下があると食堂になる。その行きに偶然、今回任命された魔女が通りかかった。
わたしたちより学年が下の子たち。
彼女たちは、無事ノルン討伐を達成し高揚感に満ち溢れ、和気あいあいとしていた。渡り廊下をはしゃいで歩いて。右側のほうにすれ違ったので、会話は難なく聞こえる。
わたしたち認められた。
すごい。
あたしたち誰よりも強いよね。
このまま、ノルン全滅できる。
と。
今回任命され、ノルン討伐を初めて達成した人の傲慢感、高揚感の声だった。
その姿はまるで……まるで……三ヶ月前のわたしたちのようだった。
ココアがいた、刺青のなかったココアがいた、あのときの姿とうり二つ。
あの笑顔がいつか、断ち切ることもある。勝ったからといって、また勝つことはない。死ぬことだってある。
未来は残酷だ。
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