「かくれんぼ」

キジとら猫

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「かくれんぼ」

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 子供の頃の記憶の一つを書いてみよう。

 その日、僕は隠れていた。見つからないように隠れていた。
悪い事をしたからではない。かくれんぼをしているからだ。
「OO君みっけ、OOちゃんみっけ。」という声が聞こえてくる。
僕の他に何人が残っているのだろう。
また声が聞こえる。
そっと顔を出し覗いてみる。
どうやら、僕の他にはもう一人しか残っていないようだ。

 前にこんなことがあった。
僕以外のみんなが見つかった。残っているのは僕ひとり。
僕は楽しかった。かくれんぼは見つからないから楽しいんだ。
 『僕はここだよ。見つけられるかな?』
 でも、なんだか様子がおかしい。
全員見つけたと思ったのか、もうみんなは次のかくれんぼに移ろうとしていた。
 慌てて僕は出て行った。
「まだ見つかってないよ。」
そしたらこう言われた。
「忘れていた。もう全員見つけたと思っていた。」
見つけられないんじゃなかった。忘れられていたんだ。
少し腹が立った。少しショックだった。
でも、しょうがないからまた、かくれんぼに加わった。

 今度もまたそうなるのかな?
今のおにはあの子だ... 見つけて欲しい...
 見つけて欲しいけど、簡単に見つかる所には隠れたくなかった。
 
 あの子は見つけてくれるかな?
 僕を覚えているのかな?
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