一目惚れしました。

月夜 雪姫

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一目惚れ

一目惚れ・⑩

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 もう、紫乃と出会ってから一年半が経つ。
 紫乃とも仲良くなってきたし、今ではもう、友達のままじゃ足りないくらいに紫乃のことが好きだ。
 そろそろ想いを伝えよう。

「今日、部活終わったら昇降口で待ってるから、来て。」

そう紫乃にメールをした。



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「今日、部活終わったら昇降口で待ってるから、来て。」

メールの着信音が鳴り、携帯に目をやると、春瑠からこんなメールが届いていた。

「わかった。」

とりあえず、そう返信して、部室に向かった。

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 あっという間にに部活は終わり、部員たちは一斉に帰る支度をし始める。

そんな中、俺はいそいで昇降口に走った。

キミに想いを伝えるために。

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 部活が終わると、春瑠が走っていくのが見えた。
もう昇降口に行くつもりなのだろうか?

 私も春瑠のあとを追うように、

「お疲れ様でした」

と、部員たちに声をかけて、昇降口へ向かうのだった。

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 紫乃はすぐに来た。
走って来たみたいで、少し息が切れていた。

「なに、どうしたの。」

いつものそっけない、淡々とした口調で話す。

「紫乃に伝えたいことがあって。」

それだけ言うと、紫乃はポカンとしたような顔をした。

「俺、ずっと紫乃のことが好きだった。一目惚れだった。
だから、俺と付き合ってくれませんか。」

さっきのヒヨコのような顔とは一変して、紫乃の顔は真っ赤になっていた。

そして、紫乃は微笑んだ。

「私も好き。だから、こちらこそよろしくお願いします。」

 今までに見たことのない顔だった。
それはまるで、天使だった。

「ありがと。てか、なにその顔、可愛すぎ。」

あ、思わず思ってたことが口に出てしまった、、

「は、は?!な、なにいってんの?!ばかなの!?」

紫乃は顔をさらに真っ赤にして早口でそう言った。
その後に小声で、

「まぁ、そういうとこも好き。」

と言ったのがかすかに聞こえた。

「え?なんか言ったか?」

「ううん、なんでもないよ。帰ろっか。」

「そーだな。」



そうして俺たちは恋人同士になったのだった。

一目惚れ’s story →the end.
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