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第二章:明らかになっていく真実
第24話 スカーレットの力
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「皆さん。ご苦労様です。よく4人を守ってくれました」
なぜか少し寝ぐせのついたスカーレット王女が、一人で空から降ってきたのだ。
王女を見て4体の召喚獣は一歩下がっている。
「イレギュラーなことが起きたようですね。もう大丈夫です。すぐに回復しましょう。
ラュレュ!」
(そんな魔法見たことも聞いたこともない。これは、広範囲の完全回復!?…)
エリは空に広がった巨大な魔法陣を見て衝撃を受ける。
王女が魔法を詠唱すると、4人だけでなく村のけが人もすべて回復した。その光景に目を覚ましたサトルを含め4人は声が出ない。
「ハル…、あっ」
「(バカ!)王女様、ありがとうございます」
村人たちが集まってスカーレット王女に感謝の声をかけていく。
王女は動じることなく笑顔を浮かべ
「御礼はこの4人に。彼らが早くこの地に来たおかげで、犠牲者を出すこともなく魔物を殲滅できました。
すでに城と近くの町からここに向けて衛兵が来ます。なにかありましたら、彼らに」
村人たちの御礼と歓声が響く中、空から異様な叫び声が響いた。
「もう一体いたぞ!」
あの魔物がもう一体いたのだ。しかも先ほどの魔物より一回り大きい。しかしなぜか村人は誰も怯えていない。
「なんでみんな安心しているの?どうして」
エリは異様な光景に戸惑っている。
すると魔物は巨大な火球を吐き出してきた。
直撃すればサトルたちでも即死、そして周囲一帯大惨事になる規模だ。しかしやはり誰も怯えていない。
「セン」
王女が右手をかざし、静かに放ったその一言で、4人は理解した。
自分たちのはるか高みにあるその魔法は、魔物の放った火球を飲み込み、魔物の存在を一瞬にして消滅させたのである。
その威力にサトルたちは整理がつかない。
自分たちがレベル100に達しても追いつけるかどうか、それほどの魔法の精密さと威力だったのである。
「念のため1体置いておきましょう」
王女が手をかざすと、光の中から白い犬のような生き物が誕生した。
「あなたはこの地にて村人を守ってください」
その生き物は王女に撫でられてご機嫌の様子だったが、サトルたち4人はその秘めたる強さに愕然としている。
その威圧感は、先ほど自分たちに致命傷を与えた魔物をはるかに上回っているのだから。
しかし村人たちはその生き物を恐れず、王女に感謝の言葉をかけている。
「さぁもう安心ですよ。それでは移動しましょう。
…セプュト」
何が何だかわからない中、4人は一瞬にして王女の転移魔法で王城までたどり着いた。
「着きました。今日は遅いですから、まずはゆっくりお休みください。明日朝食でも取りながらお話ししましょう」
転移魔法。
ソーマジック・サーガでは、魔法使いがレベル80で取得できる上位魔法の一つ。しかも同時に5人も転移させるには、100以上のレベルが必要のはず。
(この王女は一体、何者?)
まったく隙のない王女の後姿を見つめながら、サトルは底知れぬ恐怖も感じていた。
~~
いや~マジで危なかった。
力を見せてしまったけど、不可抗力よね。
寝ぐせも見られていないわよね。
スカーレットは鏡を見ながらつぶやくと、背後に愛しの男性の気配を感じ、一瞬にしてその胸元へ移動した。
「待っていました!」
見事な上目遣いでマサノリを見上げるスカーレット。
「いい仕事をしたらしいな、寝ぐせのまま。
警報を出したら0.1秒で起きろ!」
マサノリの説教が始まったが、なぜかスカーレットの眼は感動に溢れていた。
「王女の秘密」へつづく
なぜか少し寝ぐせのついたスカーレット王女が、一人で空から降ってきたのだ。
王女を見て4体の召喚獣は一歩下がっている。
「イレギュラーなことが起きたようですね。もう大丈夫です。すぐに回復しましょう。
ラュレュ!」
(そんな魔法見たことも聞いたこともない。これは、広範囲の完全回復!?…)
エリは空に広がった巨大な魔法陣を見て衝撃を受ける。
王女が魔法を詠唱すると、4人だけでなく村のけが人もすべて回復した。その光景に目を覚ましたサトルを含め4人は声が出ない。
「ハル…、あっ」
「(バカ!)王女様、ありがとうございます」
村人たちが集まってスカーレット王女に感謝の声をかけていく。
王女は動じることなく笑顔を浮かべ
「御礼はこの4人に。彼らが早くこの地に来たおかげで、犠牲者を出すこともなく魔物を殲滅できました。
すでに城と近くの町からここに向けて衛兵が来ます。なにかありましたら、彼らに」
村人たちの御礼と歓声が響く中、空から異様な叫び声が響いた。
「もう一体いたぞ!」
あの魔物がもう一体いたのだ。しかも先ほどの魔物より一回り大きい。しかしなぜか村人は誰も怯えていない。
「なんでみんな安心しているの?どうして」
エリは異様な光景に戸惑っている。
すると魔物は巨大な火球を吐き出してきた。
直撃すればサトルたちでも即死、そして周囲一帯大惨事になる規模だ。しかしやはり誰も怯えていない。
「セン」
王女が右手をかざし、静かに放ったその一言で、4人は理解した。
自分たちのはるか高みにあるその魔法は、魔物の放った火球を飲み込み、魔物の存在を一瞬にして消滅させたのである。
その威力にサトルたちは整理がつかない。
自分たちがレベル100に達しても追いつけるかどうか、それほどの魔法の精密さと威力だったのである。
「念のため1体置いておきましょう」
王女が手をかざすと、光の中から白い犬のような生き物が誕生した。
「あなたはこの地にて村人を守ってください」
その生き物は王女に撫でられてご機嫌の様子だったが、サトルたち4人はその秘めたる強さに愕然としている。
その威圧感は、先ほど自分たちに致命傷を与えた魔物をはるかに上回っているのだから。
しかし村人たちはその生き物を恐れず、王女に感謝の言葉をかけている。
「さぁもう安心ですよ。それでは移動しましょう。
…セプュト」
何が何だかわからない中、4人は一瞬にして王女の転移魔法で王城までたどり着いた。
「着きました。今日は遅いですから、まずはゆっくりお休みください。明日朝食でも取りながらお話ししましょう」
転移魔法。
ソーマジック・サーガでは、魔法使いがレベル80で取得できる上位魔法の一つ。しかも同時に5人も転移させるには、100以上のレベルが必要のはず。
(この王女は一体、何者?)
まったく隙のない王女の後姿を見つめながら、サトルは底知れぬ恐怖も感じていた。
~~
いや~マジで危なかった。
力を見せてしまったけど、不可抗力よね。
寝ぐせも見られていないわよね。
スカーレットは鏡を見ながらつぶやくと、背後に愛しの男性の気配を感じ、一瞬にしてその胸元へ移動した。
「待っていました!」
見事な上目遣いでマサノリを見上げるスカーレット。
「いい仕事をしたらしいな、寝ぐせのまま。
警報を出したら0.1秒で起きろ!」
マサノリの説教が始まったが、なぜかスカーレットの眼は感動に溢れていた。
「王女の秘密」へつづく
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