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第一章 ルード皇国 編
勇者一行 side-A
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~勇者・ジークの視点~
『やっと辿り着いた……』
俺はこの長い旅を思い出した。
きっかけは、奴隷の切断された足が不思議な液体で完治したという嘘か本当か分からない噂からだった。
その噂を南の大陸最大の王国、メガラニカ王国の国王が聞きつけた。この国王には3人の娘と2人の息子がいた。その娘の1人が事故で手を失うことになってしまった。どんな治癒魔術でも治すことができなかったそうだ。
そして、その奴隷に会い、いろいろと聞き出したところによると、北の大陸の北西にある洞窟で手に入るということらしかった。北の大陸は、強力な魔獣が跋扈し、いろいろな人間以外の種族が住んでいて、人間が旅するには危険な場所だと言われていた。
そこで、俺に依頼が来たというわけだ。報酬は金銀財宝、もし、娘が気に入れば、婿にしてくれるというものだった。俺は了解した。俺は、その手を失った国王の娘と恋仲な関係にあった。しかし、相手は強大な国王の娘。身分の差で諦めなければならぬ恋だった。この話があるまでは。俺は、さっそくパーティーの編成をした。
まず魔法使いである。メガラニカ王国には魔導士学園というところがあった。そこに、魔導士学園始まって以来の天才少女が現れたと聞いたことがあった。スカウトしに行って見ると、2つ返事で了解してくれた。
「私の力を試す絶好の機会を頂いて感謝します。私の大魔導士としての新たな1ページが刻まれるのですね。私のティーエという名前が世界に轟く日も近いです。」
外見が子供っぽいので少々不安に思えたが、魔導士学園の先生達に聞く限り、実力は折り紙つきだという事だった。
そして、2人目はドワーフ族のガラフだった。俺はよく、ガラフと旅に出かけていた。旅先で武器や防具のメンテナンスをしてもらうことができたし、屈強な肉体を使って、戦いにおいても先陣を切ってみんなの盾となり敵の攻撃を誘導してくれる役割を担ってくれる。
そして最後に、僧侶のマヤカだった。治癒の魔法を得意としていた。男好きが祟って、教会にはいづらくなっていた。だから、これを薬を持ち帰って遊んで暮らしたいということだった。
この4人のメンバーで薬の入手を試みることになった。
薬を持ち帰るだけなら、簡単ではないかと思っていたのだが、それはすぐに間違っていたと知ることになった。
南の大陸の北の海岸線までは苦労せずに行きついた。その後、国王が手配してくれた船で北の大陸までた辿り着いた。ここまではよかったのだが、北の大陸の魔獣は恐ろしく強かった。国王から授かったオリハルコンの剣とオリハルコンの鎧がなければ、もっと苦戦していただろう。
そうして、1年半の月日をかけて、それらしい洞窟に辿り着いた。
洞窟の中は真っ暗だった。ティーエの炎の魔法で照らして進んでいった。その洞窟は曲がりくねっていたが、ずっと一本道で迷うことがなかった。歩きついた先で驚愕の瞬間を目撃してしまった。
黒竜が今にも裸になった少年を食べ殺さんとしているじゃないか。
「大丈夫か?! 今助けてやるぞ。」
その少年は手を振りながら、大声で助けを求めていた。
「ΑΘ✇§℀§Ωλ×ー。」
あまりの恐怖で言葉にならないようだった。
俺は剣を抜き、黒竜との間合いをつめて切りつけようとした。
「今、助けてやるぞ!」
そう言って俺は微動だにしない竜に向かった。
しかし、少年が俺と竜の間に入ってきた。俺の振り下ろした剣は止まらなかった。
『まずい、黒竜に操られているのか?少年を殺してしまう。』
少年は俺の剣の腹に手刀叩きこんだ。すると、最強の硬度を誇るオリハルコンの剣が真っ二つに折られてしまった。俺は驚愕した。俺は何が何やら分からなかったが、咄嗟に腰にあるもう1本の剣に手をかけた。その瞬間だった。右横腹に強烈な痛みが走った。そう思った瞬間俺は後方の壁に叩きつけられ、気を失った。
~魔法使い・ティーエの視点~
驚愕です。オリハルコンの剣が折られ、オリハルコンの鎧が一瞬で粉々にされるなんて。あの変態露出狂は悪魔の手先です。いや、後ろに控える邪竜の使い魔かもしれません。失った奴隷の足が生えてくるなんて、ここに人間をおびき寄せる罠だったのです。ちょっと考えれば簡単にわかることだったじゃないですか。私は魔導士学園始まって以来の天才なのですから。それが、名声を轟かせるなんて甘い誘惑に惑わされるなんて・・・いや、こんなことを考えてる場合じゃない。ここを乗り切らないと。
ティーエは魔法を詠唱する。
「 炎精よ 紅蓮の焔を纏いて 顕現せよ ファイヤーフレイム 」
そして、魔力結晶が埋め込まれた杖でパワーを増幅し、炎の魔法を打ち出した。
すると、その変態悪魔は詠唱することなく魔法を打ち出した。
『ありえない………』
そこに広がった光景は想像を絶するものでした。
本来氷の魔法はその優位性から、火の魔法にぶつけても霧散して霧になるはずなのです。それが、霧散するどころか、火が凍ってます。物理法則的にあり得ないことです。
そして、私の持ってた杖も氷の中に入れられてしまいました。間一髪杖から手を離したおかげで事なきを得ましたが、ここから脱出する算段が、この天才魔導士ティーエにも思いつきません。
私は気づくと、座り込んで失禁してしまいました。これは仕方ないことでしょう。誰だってこんな恐怖に合えば、同じようになるはずです。
変態悪魔が右手をあげました。何か魔力の流れが見えます。私は死を覚悟しました………
上から大量の水が現出しました。洪水のような水の流れは私をもと来た道へと押し出しました。私は洞窟の外の光が見えたと思ったとき意識が途切れてしまいました。
~ドワーフ・ガラフの視点~
洞窟の内部に入った瞬間に、ワシは死を覚悟した。圧倒的竜の存在感にワシは気圧されてしもうた。その後の光景にさらにワシの足は震えあがって身動きすらとれなかった。ワシは、本来皆の前に立って守るのが役目。『動け。動け。』そう念じるが、一向に動けなかった。そうしていると、洪水のような水がワシを洞窟の外へと放り出した………
~僧侶・マヤカの視点~
洞窟内にある空間で目にしたのは、少年のような甘いマスク、その顔に似合わない鍛えぬかれて引き締まった体。そして、私の目は1点から離せないでいた。それは、全裸の少年の股間だった。顔に似合わずワイルドなそれは、私が見た中では一番大きかった。そして、まだ生えそろっていない、綺麗な姿をしていた。
私はこんな大きな竜と戦わなければならない時に、変なことを考えてしまう自分の性を呪った。あー神よお許し給え。
しかし、その後の展開に驚いた。勇者がその少年に吹っ飛ばされたのだ。私は勇者に駆け寄り、回復魔法を発動した。勇者の怪我は致命傷のようで、私の魔法ではすぐには治すことができなかった。
その後に起きた出来事を見て悟った。あの少年は千数百年前にこの世を滅ぼした魔王だわ。
私は、今からあの魔王に犯され、妾にされてしまうのだわ。神よ。魔王に身も心も奪われてしまう私をお許しください。私は魔王との夜を想像して、あそこが濡れるのを感じてしまった………
しかし、そうはならなかった。魔王は慌てて服を着だした。すると、黒竜が人間の姿へと変わった。
「何の用じゃ?」
私は、慌ててここに来た目的を告げる。最初、奇跡の水を探しに来たと答えると、最初はそんなものはないと言われたが、王女の失った手を治す薬が必要だと告げると、奥にあった家に入って、また戻ってきた。
そして、紫色の液体の入った瓶を10本手渡された。
「たぶん、この薬の事じゃ。そこのものと、洞窟の外に行った2人に飲ませるとよい。残りは自由に使うといいわ。」
私は、勇者に1本飲ませると、勇者の体を光が取り巻いたかと思うとその光は霧散した。勇者の怪我は治っているようだった。意識を取り戻した勇者に肩を貸し、私と勇者は洞窟を後にした。
魔王様は、ずっとよくわからない言葉を話されていた。もしかすると、薬の代価に私の体を求めていたのかもしれないわね………
こうして勇者一行は目的の薬の入手に成功したのだった。
『やっと辿り着いた……』
俺はこの長い旅を思い出した。
きっかけは、奴隷の切断された足が不思議な液体で完治したという嘘か本当か分からない噂からだった。
その噂を南の大陸最大の王国、メガラニカ王国の国王が聞きつけた。この国王には3人の娘と2人の息子がいた。その娘の1人が事故で手を失うことになってしまった。どんな治癒魔術でも治すことができなかったそうだ。
そして、その奴隷に会い、いろいろと聞き出したところによると、北の大陸の北西にある洞窟で手に入るということらしかった。北の大陸は、強力な魔獣が跋扈し、いろいろな人間以外の種族が住んでいて、人間が旅するには危険な場所だと言われていた。
そこで、俺に依頼が来たというわけだ。報酬は金銀財宝、もし、娘が気に入れば、婿にしてくれるというものだった。俺は了解した。俺は、その手を失った国王の娘と恋仲な関係にあった。しかし、相手は強大な国王の娘。身分の差で諦めなければならぬ恋だった。この話があるまでは。俺は、さっそくパーティーの編成をした。
まず魔法使いである。メガラニカ王国には魔導士学園というところがあった。そこに、魔導士学園始まって以来の天才少女が現れたと聞いたことがあった。スカウトしに行って見ると、2つ返事で了解してくれた。
「私の力を試す絶好の機会を頂いて感謝します。私の大魔導士としての新たな1ページが刻まれるのですね。私のティーエという名前が世界に轟く日も近いです。」
外見が子供っぽいので少々不安に思えたが、魔導士学園の先生達に聞く限り、実力は折り紙つきだという事だった。
そして、2人目はドワーフ族のガラフだった。俺はよく、ガラフと旅に出かけていた。旅先で武器や防具のメンテナンスをしてもらうことができたし、屈強な肉体を使って、戦いにおいても先陣を切ってみんなの盾となり敵の攻撃を誘導してくれる役割を担ってくれる。
そして最後に、僧侶のマヤカだった。治癒の魔法を得意としていた。男好きが祟って、教会にはいづらくなっていた。だから、これを薬を持ち帰って遊んで暮らしたいということだった。
この4人のメンバーで薬の入手を試みることになった。
薬を持ち帰るだけなら、簡単ではないかと思っていたのだが、それはすぐに間違っていたと知ることになった。
南の大陸の北の海岸線までは苦労せずに行きついた。その後、国王が手配してくれた船で北の大陸までた辿り着いた。ここまではよかったのだが、北の大陸の魔獣は恐ろしく強かった。国王から授かったオリハルコンの剣とオリハルコンの鎧がなければ、もっと苦戦していただろう。
そうして、1年半の月日をかけて、それらしい洞窟に辿り着いた。
洞窟の中は真っ暗だった。ティーエの炎の魔法で照らして進んでいった。その洞窟は曲がりくねっていたが、ずっと一本道で迷うことがなかった。歩きついた先で驚愕の瞬間を目撃してしまった。
黒竜が今にも裸になった少年を食べ殺さんとしているじゃないか。
「大丈夫か?! 今助けてやるぞ。」
その少年は手を振りながら、大声で助けを求めていた。
「ΑΘ✇§℀§Ωλ×ー。」
あまりの恐怖で言葉にならないようだった。
俺は剣を抜き、黒竜との間合いをつめて切りつけようとした。
「今、助けてやるぞ!」
そう言って俺は微動だにしない竜に向かった。
しかし、少年が俺と竜の間に入ってきた。俺の振り下ろした剣は止まらなかった。
『まずい、黒竜に操られているのか?少年を殺してしまう。』
少年は俺の剣の腹に手刀叩きこんだ。すると、最強の硬度を誇るオリハルコンの剣が真っ二つに折られてしまった。俺は驚愕した。俺は何が何やら分からなかったが、咄嗟に腰にあるもう1本の剣に手をかけた。その瞬間だった。右横腹に強烈な痛みが走った。そう思った瞬間俺は後方の壁に叩きつけられ、気を失った。
~魔法使い・ティーエの視点~
驚愕です。オリハルコンの剣が折られ、オリハルコンの鎧が一瞬で粉々にされるなんて。あの変態露出狂は悪魔の手先です。いや、後ろに控える邪竜の使い魔かもしれません。失った奴隷の足が生えてくるなんて、ここに人間をおびき寄せる罠だったのです。ちょっと考えれば簡単にわかることだったじゃないですか。私は魔導士学園始まって以来の天才なのですから。それが、名声を轟かせるなんて甘い誘惑に惑わされるなんて・・・いや、こんなことを考えてる場合じゃない。ここを乗り切らないと。
ティーエは魔法を詠唱する。
「 炎精よ 紅蓮の焔を纏いて 顕現せよ ファイヤーフレイム 」
そして、魔力結晶が埋め込まれた杖でパワーを増幅し、炎の魔法を打ち出した。
すると、その変態悪魔は詠唱することなく魔法を打ち出した。
『ありえない………』
そこに広がった光景は想像を絶するものでした。
本来氷の魔法はその優位性から、火の魔法にぶつけても霧散して霧になるはずなのです。それが、霧散するどころか、火が凍ってます。物理法則的にあり得ないことです。
そして、私の持ってた杖も氷の中に入れられてしまいました。間一髪杖から手を離したおかげで事なきを得ましたが、ここから脱出する算段が、この天才魔導士ティーエにも思いつきません。
私は気づくと、座り込んで失禁してしまいました。これは仕方ないことでしょう。誰だってこんな恐怖に合えば、同じようになるはずです。
変態悪魔が右手をあげました。何か魔力の流れが見えます。私は死を覚悟しました………
上から大量の水が現出しました。洪水のような水の流れは私をもと来た道へと押し出しました。私は洞窟の外の光が見えたと思ったとき意識が途切れてしまいました。
~ドワーフ・ガラフの視点~
洞窟の内部に入った瞬間に、ワシは死を覚悟した。圧倒的竜の存在感にワシは気圧されてしもうた。その後の光景にさらにワシの足は震えあがって身動きすらとれなかった。ワシは、本来皆の前に立って守るのが役目。『動け。動け。』そう念じるが、一向に動けなかった。そうしていると、洪水のような水がワシを洞窟の外へと放り出した………
~僧侶・マヤカの視点~
洞窟内にある空間で目にしたのは、少年のような甘いマスク、その顔に似合わない鍛えぬかれて引き締まった体。そして、私の目は1点から離せないでいた。それは、全裸の少年の股間だった。顔に似合わずワイルドなそれは、私が見た中では一番大きかった。そして、まだ生えそろっていない、綺麗な姿をしていた。
私はこんな大きな竜と戦わなければならない時に、変なことを考えてしまう自分の性を呪った。あー神よお許し給え。
しかし、その後の展開に驚いた。勇者がその少年に吹っ飛ばされたのだ。私は勇者に駆け寄り、回復魔法を発動した。勇者の怪我は致命傷のようで、私の魔法ではすぐには治すことができなかった。
その後に起きた出来事を見て悟った。あの少年は千数百年前にこの世を滅ぼした魔王だわ。
私は、今からあの魔王に犯され、妾にされてしまうのだわ。神よ。魔王に身も心も奪われてしまう私をお許しください。私は魔王との夜を想像して、あそこが濡れるのを感じてしまった………
しかし、そうはならなかった。魔王は慌てて服を着だした。すると、黒竜が人間の姿へと変わった。
「何の用じゃ?」
私は、慌ててここに来た目的を告げる。最初、奇跡の水を探しに来たと答えると、最初はそんなものはないと言われたが、王女の失った手を治す薬が必要だと告げると、奥にあった家に入って、また戻ってきた。
そして、紫色の液体の入った瓶を10本手渡された。
「たぶん、この薬の事じゃ。そこのものと、洞窟の外に行った2人に飲ませるとよい。残りは自由に使うといいわ。」
私は、勇者に1本飲ませると、勇者の体を光が取り巻いたかと思うとその光は霧散した。勇者の怪我は治っているようだった。意識を取り戻した勇者に肩を貸し、私と勇者は洞窟を後にした。
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