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第一章 ルード皇国 編
天狗の鼻
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普通に生活していれば魔法を使う機会があまりなかった。なので、魔法を自ら披露するのは調子に乗っているようでしたくなかった。俺は何気なく披露できる雰囲気にもっていこうと画策していた。
「エレオノールのおかげで魔法を使えるようになったよ。ありがとう。」
昼にエレオノールと、ウェンディーとイグニスの3人でご飯を食べているときに切り出した。
「えっ、何、なにー?」
ウェンディーが食いついた。
「エレオノールが詠唱の言葉の正体を見つけてくれたんだ。そのおかげで、魔法が使えるようになった。」
「良かったじゃん。」
ウェンディーが喜んでくれていた。
「そうか、一度詠唱で魔法を使うのを見てみたいな。」
エレオノールが俺が期待していた言葉を口にした。
「俺も興味ある。」
「私もー。アギラが使うの見てみたい。」
イグニス、ウェンディーが続いた。
そして、俺は学校が終わった後、放課後に誰もいない場所で見せることを約束した。
まず俺は本に載っている詠唱で魔法を使った。
「 炎精よ 紅蓮の焔を纏いて 顕現せよ ファイヤーフレイム 」
俺の炎の属性の魔力は、精霊の力を借りて、必要な属性の魔力に分配され、炎の魔法を手から打ち出した。
「何言ってるかわからなかったけど、炎の魔法が出た。他にもできるの?」
3人は昔の俺がそうだったように。詠唱の呪文は「○×♩/-@&!▽ ▲)」)(\//、Ω℀ Πλθ?・($」と聞こえていて、特に言葉の意味が分かっていなかった。
分からないのだから適当でも良かったのだが、ひとまず基本の詠唱をした。
「 氷精よ 森羅万象凍てつかせ 穿て、貫け、切り刻め アイスランス 」
俺は氷の礫を前方に飛ばした。
「すごい。火以外の属性も使えるの?」
「へー。面白い」
「やるな。」
ウェンディーは驚きを、エレオノールは探求心を、そしてイグニスは感心を示してくれた。
竜人は自分の魔力を魔力結晶に流せば、精霊の代わりに魔力結晶が魔力の配分をしてくれる。そして、魔法を撃つことができる。しかし、魔力結晶はその属性が限定されていたので、各々1つの属性の魔法しか使えなかった。
だから、複数の属性を使いこなすという事はそれだけでも凄いことだったのだ。
「他の属性もいろいろ使えるよ。」
「いいなー。私にもできる?」とウェンディー。
「魔力の属性の変換ができれば使えると思う。」
竜人の魔力は基本は無属性である。それを魔力結晶でイメージした通りの魔法に変換する。だから、魔力に属性をつけるという概念がない。さらに、概念があったとしても、使えるかどうかは別である。属性に変換するのは才能が必要だと師匠は言っていた。
竜人であっても、火の属性の魔力を練りだし、火の精霊を召喚すれば、魔力結晶の属性がたとえ火以外であっても火の魔法を使うことができる。また、複数の属性を作り出すことができれば、師匠や俺のように、魔力結晶にも精霊にも頼らずに魔法を撃つことができた。
しかし、魔力に属性を付与することはなかなか難しいことだった。
それらの事を3人に説明した。
ウェンディーは難しい顔をしていた。分かっているのかどうか微妙なところだった。イグニスとエレオノールは何か納得している様子だった。
俺はみんなの反応に調子に乗っていた。俺の鼻はむくむくと伸び始めていた。
そして、オリジナル詠唱と共に黒炎を披露した。
「 炎精よ 集え、踊れ、焼き尽くせ 地獄の火球」
俺の打ち出した黒い炎の塊は岩に着弾すると、その岩を跡形もなく消し去った。
「すごーい!!」
「黒い炎か………」
ウェンディーとエレオノールは驚いていた。
「イグニスもできる?」
ウェンディーはイグニスに聞いた。
俺は、『しまった。』と思った。ウェンディーとイグニスの前で使うべきではなかったと後悔した。イグニスはウェンディーの事が好きだった。ここはイグニスの顔を立てるべきだったのだ。俺はそんな心配をしていた。
しかし、その心配は杞憂だった。
「そうだな。」
そう言うと、イグニスは俺のいる場所へと近づいてから、俺が消滅させた岩の近くにあった岩へと魔法を放った。
その魔法は俺と同じ黒炎の魔法だった。
「イグニスもすごい!!」
ウェンディーは笑って喜んでいた。
俺は少しほっとすると共に、イグニスの凄さを再認識した。俺なんかが心配する必要はなかったのだ。それよりも、それだけの魔法を使えるのに、特に驕ることなく実力を隠している事がすごかった。俺なんか、調子に乗ってばらしてしまったのだから。
もしかして、イグニスはもっと凄い魔法を使えるのでは、という考えが頭をよぎった。
「ひょっとして、もっと凄いの使えたりする?」
「研究中だ。まだ完成してないが………」
『えっ、あるの?』
「どんなの?」
聞いてみた。
すると、イグニスは莫大な魔力を体内に練りだした。その魔力は魔力結晶を通して、口から小さな光を放つ球を吐き出した。その球は上へ上へと上昇した。
そこからでる光はすさまじいものがあった。今は夕方で少し薄暗かったが、その小さな球に照らされたところは昼間のように明るくなった。
そして、その小さな球には莫大なエネルギーが内包しているのが感じられた。
少しすると、その小さな球は消えて、辺りはまた薄暗い状態に戻った。
俺はあれに似たものを知っていた。本物はもっと大きさも違うものだったが、同じような何かを感じさせた。
それは、……太陽だった。
太陽と呼ぶにはあまりにも小さな球であったが、それに似た何かを感じさせた。維持できたのはほんの十数秒程度だったが、確かにそれはさっきまであったのだ。
「まだ、維持することができないが……」
俺はそれを聞いて、むくむくと伸び始めた俺の鼻はポッキリと折られることになった。しかし、不思議と悔しさはなかった。むしろ、嬉しかった。親友であるイグニスはすごい奴だというのが、俺は誇らしかった。
後で師匠にこのことを話したら、その歳でそこに到達できるとは凄まじい才能とたゆまぬ訓練の結果だという事だった。師匠がそこに到達するのに千年はかかったと言っていた。俺は師匠も使えることに驚いた。
師匠が言うには、今は呪いの影響でその魔法を使うことができないという事だった。使えば魔力を著しく消耗し、呪いの影響を受けてしまうということだった。
6年目は12月で卒業をするという事だった。そこから、みんなは成竜の儀へと、俺は南の大陸へと向かう予定だった。残りの期間を、俺はイグニスが特訓を頑張っているのを見習って、俺も訓練に明け暮れるようになった。
そして俺は最後の夏休みに皇帝から呼ばれて、城へと行くことになった。この国に来て城に行くのは初めてのことだった………
「エレオノールのおかげで魔法を使えるようになったよ。ありがとう。」
昼にエレオノールと、ウェンディーとイグニスの3人でご飯を食べているときに切り出した。
「えっ、何、なにー?」
ウェンディーが食いついた。
「エレオノールが詠唱の言葉の正体を見つけてくれたんだ。そのおかげで、魔法が使えるようになった。」
「良かったじゃん。」
ウェンディーが喜んでくれていた。
「そうか、一度詠唱で魔法を使うのを見てみたいな。」
エレオノールが俺が期待していた言葉を口にした。
「俺も興味ある。」
「私もー。アギラが使うの見てみたい。」
イグニス、ウェンディーが続いた。
そして、俺は学校が終わった後、放課後に誰もいない場所で見せることを約束した。
まず俺は本に載っている詠唱で魔法を使った。
「 炎精よ 紅蓮の焔を纏いて 顕現せよ ファイヤーフレイム 」
俺の炎の属性の魔力は、精霊の力を借りて、必要な属性の魔力に分配され、炎の魔法を手から打ち出した。
「何言ってるかわからなかったけど、炎の魔法が出た。他にもできるの?」
3人は昔の俺がそうだったように。詠唱の呪文は「○×♩/-@&!▽ ▲)」)(\//、Ω℀ Πλθ?・($」と聞こえていて、特に言葉の意味が分かっていなかった。
分からないのだから適当でも良かったのだが、ひとまず基本の詠唱をした。
「 氷精よ 森羅万象凍てつかせ 穿て、貫け、切り刻め アイスランス 」
俺は氷の礫を前方に飛ばした。
「すごい。火以外の属性も使えるの?」
「へー。面白い」
「やるな。」
ウェンディーは驚きを、エレオノールは探求心を、そしてイグニスは感心を示してくれた。
竜人は自分の魔力を魔力結晶に流せば、精霊の代わりに魔力結晶が魔力の配分をしてくれる。そして、魔法を撃つことができる。しかし、魔力結晶はその属性が限定されていたので、各々1つの属性の魔法しか使えなかった。
だから、複数の属性を使いこなすという事はそれだけでも凄いことだったのだ。
「他の属性もいろいろ使えるよ。」
「いいなー。私にもできる?」とウェンディー。
「魔力の属性の変換ができれば使えると思う。」
竜人の魔力は基本は無属性である。それを魔力結晶でイメージした通りの魔法に変換する。だから、魔力に属性をつけるという概念がない。さらに、概念があったとしても、使えるかどうかは別である。属性に変換するのは才能が必要だと師匠は言っていた。
竜人であっても、火の属性の魔力を練りだし、火の精霊を召喚すれば、魔力結晶の属性がたとえ火以外であっても火の魔法を使うことができる。また、複数の属性を作り出すことができれば、師匠や俺のように、魔力結晶にも精霊にも頼らずに魔法を撃つことができた。
しかし、魔力に属性を付与することはなかなか難しいことだった。
それらの事を3人に説明した。
ウェンディーは難しい顔をしていた。分かっているのかどうか微妙なところだった。イグニスとエレオノールは何か納得している様子だった。
俺はみんなの反応に調子に乗っていた。俺の鼻はむくむくと伸び始めていた。
そして、オリジナル詠唱と共に黒炎を披露した。
「 炎精よ 集え、踊れ、焼き尽くせ 地獄の火球」
俺の打ち出した黒い炎の塊は岩に着弾すると、その岩を跡形もなく消し去った。
「すごーい!!」
「黒い炎か………」
ウェンディーとエレオノールは驚いていた。
「イグニスもできる?」
ウェンディーはイグニスに聞いた。
俺は、『しまった。』と思った。ウェンディーとイグニスの前で使うべきではなかったと後悔した。イグニスはウェンディーの事が好きだった。ここはイグニスの顔を立てるべきだったのだ。俺はそんな心配をしていた。
しかし、その心配は杞憂だった。
「そうだな。」
そう言うと、イグニスは俺のいる場所へと近づいてから、俺が消滅させた岩の近くにあった岩へと魔法を放った。
その魔法は俺と同じ黒炎の魔法だった。
「イグニスもすごい!!」
ウェンディーは笑って喜んでいた。
俺は少しほっとすると共に、イグニスの凄さを再認識した。俺なんかが心配する必要はなかったのだ。それよりも、それだけの魔法を使えるのに、特に驕ることなく実力を隠している事がすごかった。俺なんか、調子に乗ってばらしてしまったのだから。
もしかして、イグニスはもっと凄い魔法を使えるのでは、という考えが頭をよぎった。
「ひょっとして、もっと凄いの使えたりする?」
「研究中だ。まだ完成してないが………」
『えっ、あるの?』
「どんなの?」
聞いてみた。
すると、イグニスは莫大な魔力を体内に練りだした。その魔力は魔力結晶を通して、口から小さな光を放つ球を吐き出した。その球は上へ上へと上昇した。
そこからでる光はすさまじいものがあった。今は夕方で少し薄暗かったが、その小さな球に照らされたところは昼間のように明るくなった。
そして、その小さな球には莫大なエネルギーが内包しているのが感じられた。
少しすると、その小さな球は消えて、辺りはまた薄暗い状態に戻った。
俺はあれに似たものを知っていた。本物はもっと大きさも違うものだったが、同じような何かを感じさせた。
それは、……太陽だった。
太陽と呼ぶにはあまりにも小さな球であったが、それに似た何かを感じさせた。維持できたのはほんの十数秒程度だったが、確かにそれはさっきまであったのだ。
「まだ、維持することができないが……」
俺はそれを聞いて、むくむくと伸び始めた俺の鼻はポッキリと折られることになった。しかし、不思議と悔しさはなかった。むしろ、嬉しかった。親友であるイグニスはすごい奴だというのが、俺は誇らしかった。
後で師匠にこのことを話したら、その歳でそこに到達できるとは凄まじい才能とたゆまぬ訓練の結果だという事だった。師匠がそこに到達するのに千年はかかったと言っていた。俺は師匠も使えることに驚いた。
師匠が言うには、今は呪いの影響でその魔法を使うことができないという事だった。使えば魔力を著しく消耗し、呪いの影響を受けてしまうということだった。
6年目は12月で卒業をするという事だった。そこから、みんなは成竜の儀へと、俺は南の大陸へと向かう予定だった。残りの期間を、俺はイグニスが特訓を頑張っているのを見習って、俺も訓練に明け暮れるようになった。
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