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1年1学期
荷解き
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二人の目の前には50平米はあるだろうリビングと、正面の地面から高めの天井まで貼られたガラス、そしてアイランドキッチンが印象的な部屋があった。ガラスの壁からは学園近辺が一望でき、なかなかの風景だ。玄関で靴を脱いだ二人は早速探索を始める。
「おー良さそうじゃん」
「だよね!新しいしめっちゃ広い!」
興奮してバタバタと歩き回る楓を見て、匠は再び湧き上がる欲を押さえつけた。まだその時じゃないと。
「こことここがトイレで、ここが風呂か~何も荷物が置かれてないからこの部屋が空き部屋になるのかな?あっ、俺の荷物が運び込まれてる、じゃあこの部屋が俺のだ。」
早速自分の荷物を整理しに行った楓を目で見送り、匠も自分の荷物が置かれた部屋に入る。
「意外と広いな。30平米くらいか?」
それぞれの部屋にはダブルベッドとクローゼット、それからかなり大きいワーキングデスクとオフィスチェアが置かれている。ベッドの隣に置かれているナイトスタンドとランプと共に、薄い木の天然色でまとめられた部屋はモダンで暖かみがあった。匠はダブルベットを見つめてほくそ笑むと、これからの計画を考えながら荷解きを始めた。
二人が荷解きを始めて少し経つ頃、ガチャンと玄関から誰かが入ってくる音がする。楓が部屋から出ると、玄関には背が高く威圧感の強い男が立っていた。
「えーっと、匠の幼馴染の陽介くんだよね?俺は涼宮楓、これからよろしくね」
明るく挨拶した楓には答えず、陽介は舐め回すようにじっとりした視線で楓を上から下まで見回す。黒く艶のある髪に精悍な顔つき、そしてかなり引き締まった体つきの男に睨まれたと感じた楓は内心ビクビクしていた。
「おう陽介!そんなスケベな目で楓を見てないで自己紹介でもしたらどうだ?」
少し遅れて部屋から出てきた匠は茶化すように陽介に話しかける。チッと不機嫌そうに舌打ちをして陽介は手短に話す。
「篠原陽介だ」
うんっと小さく頷く楓を横目に、陽介は自分の部屋に入りバタンと扉を閉めてしまった。扉が閉まる音に思わず小さく体を震わす楓の頭を匠は優しく撫でる。
「まあ、気にすんな。あいつ結構ムッツリだから可愛い楓ちゃんが同じユニットで喜んでんだよ」
「?荷解きの続きをするね」
同い年の男子に頭を撫でられるのが気恥ずしく、匠の言っていることが余り理解できなかったが、楓もそそくさと自分の部屋に戻る。その背中を追う匠の目にまた欲望の火が灯った。
「おー良さそうじゃん」
「だよね!新しいしめっちゃ広い!」
興奮してバタバタと歩き回る楓を見て、匠は再び湧き上がる欲を押さえつけた。まだその時じゃないと。
「こことここがトイレで、ここが風呂か~何も荷物が置かれてないからこの部屋が空き部屋になるのかな?あっ、俺の荷物が運び込まれてる、じゃあこの部屋が俺のだ。」
早速自分の荷物を整理しに行った楓を目で見送り、匠も自分の荷物が置かれた部屋に入る。
「意外と広いな。30平米くらいか?」
それぞれの部屋にはダブルベッドとクローゼット、それからかなり大きいワーキングデスクとオフィスチェアが置かれている。ベッドの隣に置かれているナイトスタンドとランプと共に、薄い木の天然色でまとめられた部屋はモダンで暖かみがあった。匠はダブルベットを見つめてほくそ笑むと、これからの計画を考えながら荷解きを始めた。
二人が荷解きを始めて少し経つ頃、ガチャンと玄関から誰かが入ってくる音がする。楓が部屋から出ると、玄関には背が高く威圧感の強い男が立っていた。
「えーっと、匠の幼馴染の陽介くんだよね?俺は涼宮楓、これからよろしくね」
明るく挨拶した楓には答えず、陽介は舐め回すようにじっとりした視線で楓を上から下まで見回す。黒く艶のある髪に精悍な顔つき、そしてかなり引き締まった体つきの男に睨まれたと感じた楓は内心ビクビクしていた。
「おう陽介!そんなスケベな目で楓を見てないで自己紹介でもしたらどうだ?」
少し遅れて部屋から出てきた匠は茶化すように陽介に話しかける。チッと不機嫌そうに舌打ちをして陽介は手短に話す。
「篠原陽介だ」
うんっと小さく頷く楓を横目に、陽介は自分の部屋に入りバタンと扉を閉めてしまった。扉が閉まる音に思わず小さく体を震わす楓の頭を匠は優しく撫でる。
「まあ、気にすんな。あいつ結構ムッツリだから可愛い楓ちゃんが同じユニットで喜んでんだよ」
「?荷解きの続きをするね」
同い年の男子に頭を撫でられるのが気恥ずしく、匠の言っていることが余り理解できなかったが、楓もそそくさと自分の部屋に戻る。その背中を追う匠の目にまた欲望の火が灯った。
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