儚き願い

I&Rin

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第13話 マッサージ

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 春から勤め始めて半年が経ち、私とひろちゃんは相変わらず週末の金曜日からずっと会っている日常を繰り返している

 何気ない日常に幸せを感じ、側にひろちゃんがいるだけで安心を覚える

 2人して今、ハマってる事があり、温泉宿巡りをしている

 激安温泉宿や情報雑誌を見て、そこからいろいろ条件が良さそうなのを探して旅行している

 2、3ヶ月前から2人で相談しながら予定を計画して定期的に遊びに行くようにしている

 ついこのあいだ行った温泉宿は1泊6,000円以下の条件で良さそうな宿を探して行ってみた

 その時に私達が決めた条件は、まず安い所ということで6,000円以下である事!

 次に夜ご飯の写真が載ってるのを見てお肉がある所!

 そして、男湯、女湯とは別に家族風呂がある所!

 この3点に条件を絞って探したが流石にたくさんはヒットしなかった

 それでもある所にはあるものなので、一応は条件を満たしている宿を探し求めて行ってみた


 秘境の湯と書かれてあったのも気になってたが、行ってみると、凄い山奥で道も車1台しか通れないような道がずっと続いていたり、本当にこの道で合ってるのかさえ不安に感じる状況だった

 道に沿って行く途中に宿の看板が掲げてあったので、その道で間違いはない事は分かっていたが、それでも不安しかない様な道がずっと続いていた

 なんせ舗装されてあった道から急に砂利道になったり、ガードレールがない所を進んでいると、横は結構な高さの崖になっていたりと、ここから落ちたらどうすんの、と思う様な道を通っていた

 宿に着くまで2人でいろいろ会話していたが、流石に続く山道ではひろちゃんは真剣モードで運転していた

 無事に宿に着く事が出来て、チェックインを済ませ部屋に案内されると、これまた昔ながらの木造建築の味がある部屋だった

 しかし、そこから観る景色は・・・・

 絶景と言いたい所だが、現実はそんな事もなく山々に囲まれた緑一色で本当に何もない

 ある意味、卑怯の宿とさえ思えた

 やはり値段が安い訳だと2人で納得するも、来てしまったものは仕方ないので、今をエンジョイする為、ゆっくりと宿で過ごした

 悪い事ばかりでなく、料理は美味しかったし、夜に露天風呂から空を見上げると満遍なく散りばめられた星が見え、それこそ降り注いでくるような体験も出来た

 流石にこの景色を観てしまったら秘境の湯だなと思えた

 これも旅行の醍醐味!

 それからも私達は数ヶ月に1回は温泉宿巡りをするため、計画を立てながら旅行に行く日までのワクワク感をお互いが共有しながら過ごしている

 
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