終わらない夏

夕暮れ狼

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第5章:報せ

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第5章:報せ
翌日、健太は避難所に向かうと、スタッフから冷徹な言葉を受け取った。「行方不明者として名前が挙がっています。」その瞬間、健太の足元が崩れ落ちるような気がした。言葉が胸に突き刺さり、思わずその場に膝をついた。
「遥、どうして…」
彼女の名前が報せられたその時、健太の心に言葉にならない痛みが広がった。どうして自分がこんな目に遭わなければならないのか。遥があの場所にいたことを、あの時、あの場所で無事を願ったことを、どうして現実に戻ることができないのだろう。彼女がまだどこかで待っているのではないかと思いたかった。
健太はそのまま、しばらく呆然とした。周りの人々が次々と避難所にやってきて、避難所の管理者とやりとりをしていたが、彼の耳には何も入ってこなかった。遥を探すために何かしなければならないという思いが、ただただ心に重くのしかかっていた。
その後、健太は捜索隊のボランティアに話を聞くために避難所を後にした。けれど、遥を探すことができる手がかりは、どこにも見当たらなかった。現実はあまりにも無情で、遥が失われてしまったことをどうしても受け入れられなかった。
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