終わらない夏

夕暮れ狼

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第13章:未来への一歩

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第13章:未来への一歩
その後、健太は少しずつ、他の人々とも交流を持つようになった。避難所で一緒に過ごした人々や、街の復興に尽力しているボランティアの人々とも関わるようになり、少しずつ心の中の空虚感を埋めていった。とはいえ、遥を忘れることはできなかったが、彼女が残してくれた大切なものを感じることが、前に進むための力となっていた。
ある日、街を歩いていると、健太はふと一枚のポスターに目が留まった。それは、震災後の復興支援のためのチャリティイベントのポスターだった。健太はそれを見つめながら、思い出した。遥と共に未来を作りたかったこと、二人で築き上げた夢があったことを。
「そうだ、彼女もきっと応援してくれるはずだ。」
健太はそのポスターを見て、心の中で強く決意を固めた。これからは、彼女のためにも前に進まなければならないと。
その日から、健太は復興活動に参加し、失われたものに対して感謝の気持ちを持ちながら新たな一歩を踏み出した。遥が心の中で生き続けている限り、彼も歩みを止めることなく、未来に向かって歩き続けることを誓った。

最後に
遥との日々は、もう戻ってこない。だけど、それが彼女との約束だったのだろう。どんなに辛くても、前に進むことを選び続けること。遥の愛と希望を胸に、健太は新しい未来を見つけるために歩き続ける。
それが、遥が残してくれた一番大切なものだったから。
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