君が遺した、365通の手紙

夕暮れ狼

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第10章「ごめんね、って言わないで」

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第10章「ごめんね、って言わないで」
10月、肌寒くなってきた空気の中、美咲は言う。
「お願い。私のことを“かわいそう”って思わないで」
「短い人生だったかもしれないけど、私は君に出会えて、本当に幸せだった」
だから、「ごめんね」はいらない、と。
「代わりに、“ありがとう”って言ってほしいな」
蒼真は、空に向かって小さくつぶやいた。
「ありがとう、バカ……」
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