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第一章
父と娘
しおりを挟む「……」
「……」
沈黙が続く
お父様はさっきからせわしなく書類を見たりして私を意識しないようにしてるみたいだけど
父よ、それじゃあ逆に意識してますよ感バリバリ出てますからね?
あーあ、お父様から口を開くのを待とうと思ったけど、これじゃあ無理そうだな
全くもー、ヘタレちゃんなんだから~
「お父様」
「…なんだ」
「私は今日お父様と会話をしに来ましたの」
「会話?」
「えぇ、会話ですわ。私お母様とはよく一緒に過ごしたりしますが、考えてみればお父様とはゆっくりお話しする機会もなかったのを思い出しまして。だから、エドさんに頼んでお父様と腹を割って話せる時間を作ってもらいました」
「腹を割ってって…それより、やはりあいつも絡んでいたか。道理で今日はやけに簡単な物ばかりだと思った」
ため息をついて席を立つお父様
ちょっと、まさか気まずいからって堂々とこの場から去る気!?それじゃあ私の勇気も台無しじゃない!
焦って引きとめようとすれば、出て行くのかと思われた父は部屋のソファに腰掛けた
呆然とその動作を見ていた私に父は少しぎこちなく声をかけてきた
「ほら、セツィーリアもこっちに座りなさい。ずっと立っているのもおかしいだろ」
「あっ、はい」
少し驚いたけどお父様がぽんぽんと自分の隣へ私を誘ってくれたことは思いのほか私の胸を弾ませた
慌てずに、けど父の気が変わる前にと、少し早足で父の隣へ座る
ぷらんぷらんと自分のまだまだ小さい足をぶらつかせる
そして横目でお父様を見上げると、父はまっすぐ前を見ていて何を考えているのか分からなかった
にしても、本当に美形だなこの親父
これで三十路超えだもんな、私の兄だって言っても信じられるレベルだぜ
「セツィーリア、最近クロスと仲が良いらしいな」
「えっ、あっ!はい!彼はとても大切な友人ですわ!」
お父様の方から話しかけてくれたことが嬉しくてついハシャいで答えちゃったけど、これってもしかしてまずい?
だ、だって!私って一応お嬢様じゃん!こういうのって身分が違うからとかって言われちゃうのが定番じゃね!?えーちょっと待ってよ、そんな定番くそくらえだよ
クロスと関わるなとか言われたら私家出するから!
密かに家での計画を立てようとしていたその時、意外な言葉を父の口から聞いた
「そうか、クロスは良い子だから仲良くやるんだぞ」
まさかお父様も私と同じことを思っていたなんて驚いた
でも、それと同時にお父様と共通部分があったことに対し喜んだ
「はい!もちろんですわ!!」
それからはクロスとどんなことをして遊んだとか何をやらかしてミリアーナさんからお叱りを受けたのかなど、普段の日常生活を父に聞いてもらった
お父様は口数は少なかったけどちゃんと全部に返事をしてくれたし、クロスの言うとおり時折比較的柔らかい表情を浮かべてくれることもあった
一通りのことを話し終えた後、私はついに本題を切り出した
「お父様、お聞きしたいことがあります」
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