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第一章
子供の上目遣いは最強
しおりを挟む初めて見るこの世界の街並みは前世のとはまた違った賑わいを見せていた
おしゃれなお店がズラーッと並んでいて、綺麗なお姉さんたちがかわいいお洋服を着て楽しくお買い物
はあー…
「眼福や」
「お嬢様?」
ついオヤジな部分を晒してしまって慌ててお嬢様を取り繕う
危ない危ない、ミリアーナさんに私のアホがばれるとこだった
それにしても、流石乙女ゲームだった世界
私の家もかなりのもんだけど、街の風景もまるでそのまま絵本から飛び出してきたかのようだ
前世では平凡の女子高生で外国旅行にも行ったことがなかったけど、イギリスとかフランスとかに行ったらやっぱりこんな風になってるのかな
そう考えたら、旅行なんかしなくても身近でこういう風景が見れるのってかなり役得じゃない?
「お嬢様、今日はありがとうございました。おかげで良いものが買えました」
「私こそ、とても楽しかったです!」
出産祝いも無事買えて、私とミリアーナさんが一緒に選んだ結果、女の子へのプレゼントはかわいらしいレースのバレッタに決まった
「でも、本当にお嬢様は何か買わなくてもよかったんですか?」
「えぇ、今日はここに来れただけで充分ご褒美みたいなものだもの」
「でしたら、用も済んだことですしせっかくなのでどこか行きたいとこはありますか?」
ミリアーナさんの心遣いにほっこりとしながら行きたいところを思い浮かべる
と言っても、まずこの世界のことをあまり知らないからどこに何があるのかも分からないのが事実だ
うーんうーんと唸りながらなんとか絞り出そうとする私を微笑みながら見守るミリアーナさん
そして、ピンッ!とずっと気になっていた場所を思い出した
「ミリアーナさん!一つ!一つありましたわ!」
「はい、なんでしょうかお嬢様」
「私、市場に行ってみたいですわ!」
「市場、ですか?」
少し戸惑ったような表情になるミリアーナさん
あー!こ、困らせるつもりはなかったんだよ!!で、でもね、今年で我が家で勤めて50年、古株の庭師トビさん(現64歳)から市場は毎日すごい盛り上がりですごい楽しいとこだって聞いてたからいつか行ってみたいって思ってたんだ!
今日は街に下りることは出来たけど次はいつになるか分かんないし、だからこの機会を逃したくないのが本音なんだ!
「ね!お願いしますわ!絶対に迷惑かけませんし、ちゃんとミリアーナさんの言うことなんでも聞きます!だからお願いですわ!」
「でも、市場はここよりももっと人がたくさんいてはぐれやすいんですよ?」
「片時もミリアーナさんから離れないと約束しますわ!」
だからお願い!と両手を胸の前で組んで上目遣いでミリアーナさんを見つめる
この時ほど自分の容姿に感謝したことはない
パチパチと瞬きを数回してミリアーナさんを見つめ続けた結果
「…一人行動は絶対にダメですよ?」
「もっちろん心得てますわ!!」
なんとか私の粘り勝ちとなった
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