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第二章
殺し文句
しおりを挟む暫くして、腕の中でソフィがもぞもぞし出したので腕を緩めてやれば
少し赤くなった目元を拭いながら恥ずかしそうにしているソフィがいた
その姿が初めて自分に素直になって泣いてくれた時のソフィの姿と重なってついクスクスと笑ってしまった
「もうセツってば!笑い事じゃないよ」
「ごめんごめん、初めてソフィと出会った日のこと思い出して懐かしくなっちゃって」
頬を膨らませるソフィが可愛くって顔がニヤける
「もうセツの前では泣きたくなかったのに」
「あらどうして?私はどんなソフィでも受け止めるつもりでいるわよ?」
「……ずるい」
「え?」
今度はそっぽを向きながら口を尖らせる姿にキュンッと胸を打たれる
え、やだ、か、かわいすぎるんですけど…!!
これって拗ねてる?拗ねてるよね?!だって口を尖らせるとか典型的な拗ねてる時の行動だもんな!ていうか何がやばいって、拗ねてんのに私の手をギュッと握ってるとこなんだよ!!
うわあうわあ~!も、萌え殺しにきてるー!!
……でも…何がどうして"ずるい"ってことになるんだ?
一度冷静になって首を傾げていればソフィは頬を染めたまま私を見上げた
「あんな殺し文句言われたら、もっともっとセツのこと好きになっちゃうじゃないか…!」
………………
「うえぇ!!?」
ヒロインよりヒロインだな~ソフィは、なんて考えてたのもつかの間
不意打ち過ぎるソフィの言葉に今度は私が赤くなった
こ、殺し文句なんてそんな恐ろしいものを使ったつもりなんてこれっぽっちもない
とにかく何か言わなきゃと思うものの言葉が思うように出ない
池の鯉みたいにただ口をパクパクしてる私に構わずソフィはさらに言葉を重ねた
「今だってこれ以上ないってくらい好きなのに!…僕だってもっとセツに好きになってもらいたいのに…セツだけずるいよ…!」
ずるいのはあんただ!!
こんな耐久性0のヒヨッコ相手になんつうことを言ってやがる!!
あなたの言葉の方がよっぽど殺し文句だよ!!
真っ赤になって口をわなわな震わせる私と少し頬を染めながらも真っ直ぐこっちを見ているソフィ
この見てるだけで恥ずかしくなるような場面を他の誰かに見られなくて心底ほっとした
さっきまでは中に入ってもらおうとしてたのに今はルーク様がこの場にいないことが救いになるとは
無理やりにでも落ち着こうととりあえず口を引き結んで息を整えようとした
その結果鼻息が物凄く荒くなったのは不可抗力だと察してほしい
「ソ、ソフィ……私は」
かろうじて出せた声も途中でソフィによって止められた
唇にソフィの人差し指が当てられたからだ
一瞬何が当たったのか分からなかったが、それが何なのかを理解した瞬間、ボフンッと爆発したような効果音が聞こえてきそうなくらい私の顔は赤くなった
あっ、ちなみに爆発音自体私の頭の中でさっきからずっと響いてるよ
それだけやばいってことだよそうなんだよ理解して…!!
だいたい!どうして他人の指だって考えただけでこんなにも恥ずかしくなるの!!た、ただ自動的なシィーが他動的なシィーに変わっただけじゃないか!!それがどうして……!!
うううううううう、情けない!情けないですわよセツィーリア!!
赤くなったり青くなったりと忙しい私を見てふふっと笑ったソフィ
今度は私が笑い事じゃない!と言ってあげたかったが、生憎口を開くことを止められているためそれは叶わなかった
「大丈夫、分かってるよ、セツはまだ友達としての僕しか好きじゃないって。焦るつもりはないよ、ただ知っておいて欲しかった」
綺麗に微笑みながら私の唇から指を離したソフィはそのまま私の頬に手を添えた
「僕は日を増すごとに君をことを好きになっていく、とね」
至近距離にある美しすぎる顔に息をするのを忘れた
必然的に見つめ合うことになった私達
二人しかいなかった空間に
突如
「セツ姉!!いる!!?」
第三者が現れた
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