未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢に転生したみたいだけど、これってフラグ回避方法分かんなくね?

文字の大きさ
71 / 130
第二章

殺し文句

しおりを挟む



暫くして、腕の中でソフィがもぞもぞし出したので腕を緩めてやれば
少し赤くなった目元を拭いながら恥ずかしそうにしているソフィがいた

その姿が初めて自分に素直になって泣いてくれた時のソフィの姿と重なってついクスクスと笑ってしまった


「もうセツってば!笑い事じゃないよ」

「ごめんごめん、初めてソフィと出会った日のこと思い出して懐かしくなっちゃって」

頬を膨らませるソフィが可愛くって顔がニヤける


「もうセツの前では泣きたくなかったのに」

「あらどうして?私はどんなソフィでも受け止めるつもりでいるわよ?」

「……ずるい」

「え?」

今度はそっぽを向きながら口を尖らせる姿にキュンッと胸を打たれる
え、やだ、か、かわいすぎるんですけど…!!
これって拗ねてる?拗ねてるよね?!だって口を尖らせるとか典型的な拗ねてる時の行動だもんな!ていうか何がやばいって、拗ねてんのに私の手をギュッと握ってるとこなんだよ!!
うわあうわあ~!も、萌え殺しにきてるー!!

……でも…何がどうして"ずるい"ってことになるんだ?


一度冷静になって首を傾げていればソフィは頬を染めたまま私を見上げた


「あんな殺し文句言われたら、もっともっとセツのこと好きになっちゃうじゃないか…!」

………………

「うえぇ!!?」

ヒロインよりヒロインだな~ソフィは、なんて考えてたのもつかの間
不意打ち過ぎるソフィの言葉に今度は私が赤くなった

こ、殺し文句なんてそんな恐ろしいものを使ったつもりなんてこれっぽっちもない

とにかく何か言わなきゃと思うものの言葉が思うように出ない
池の鯉みたいにただ口をパクパクしてる私に構わずソフィはさらに言葉を重ねた


「今だってこれ以上ないってくらい好きなのに!…僕だってもっとセツに好きになってもらいたいのに…セツだけずるいよ…!」


ずるいのはあんただ!!
こんな耐久性0のヒヨッコ相手になんつうことを言ってやがる!!
あなたの言葉の方がよっぽど殺し文句だよ!!

真っ赤になって口をわなわな震わせる私と少し頬を染めながらも真っ直ぐこっちを見ているソフィ
この見てるだけで恥ずかしくなるような場面を他の誰かに見られなくて心底ほっとした
さっきまでは中に入ってもらおうとしてたのに今はルーク様がこの場にいないことが救いになるとは

無理やりにでも落ち着こうととりあえず口を引き結んで息を整えようとした
その結果鼻息が物凄く荒くなったのは不可抗力だと察してほしい


「ソ、ソフィ……私は」


かろうじて出せた声も途中でソフィによって止められた
唇にソフィの人差し指が当てられたからだ

一瞬何が当たったのか分からなかったが、それが何なのかを理解した瞬間、ボフンッと爆発したような効果音が聞こえてきそうなくらい私の顔は赤くなった
あっ、ちなみに爆発音自体私の頭の中でさっきからずっと響いてるよ
それだけやばいってことだよそうなんだよ理解して…!!

だいたい!どうして他人の指だって考えただけでこんなにも恥ずかしくなるの!!た、ただ自動的なシィーが他動的なシィーに変わっただけじゃないか!!それがどうして……!!

うううううううう、情けない!情けないですわよセツィーリア!!

赤くなったり青くなったりと忙しい私を見てふふっと笑ったソフィ

今度は私が笑い事じゃない!と言ってあげたかったが、生憎口を開くことを止められているためそれは叶わなかった


「大丈夫、分かってるよ、セツはまだ友達としての僕しか好きじゃないって。焦るつもりはないよ、ただ知っておいて欲しかった」


綺麗に微笑みながら私の唇から指を離したソフィはそのまま私の頬に手を添えた



「僕は日を増すごとに君をことを好きになっていく、とね」



至近距離にある美しすぎる顔に息をするのを忘れた


必然的に見つめ合うことになった私達

二人しかいなかった空間に



突如




「セツ姉!!いる!!?」




第三者が現れた



しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。 断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが

侑子
恋愛
 十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。  しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。 「どうして!? 一体どうしてなの~!?」  いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

前世ブラックOLの私が転生したら悪役令嬢でした

タマ マコト
ファンタジー
過労で倒れたブラック企業勤めのOLは、目を覚ますと公爵令嬢アーデルハイトとして転生していた。しかも立場は“断罪予定の悪役令嬢”。だが彼女は恋愛や王子の愛を選ばず、社交界を「市場」と見抜く。王家の財政が危ういことを察知し、家の莫大な資産と金融知識を武器に“期限付き融資”という刃を突きつける。理想主義の王太子と衝突しながらも、彼女は決意する――破滅を回避するためではない。国家の金脈を握り、国そのものを立て直すために。悪役令嬢の経済戦争が、静かに幕を開ける。

悪役令嬢に転生したけど、知らぬ間にバッドエンド回避してました

神村結美
恋愛
クローデット・アルトー公爵令嬢は、お菓子が大好きで、他の令嬢達のように宝石やドレスに興味はない。 5歳の第一王子の婚約者選定のお茶会に参加した時も目的は王子ではなく、お菓子だった。そんな彼女は肌荒れや体型から人々に醜いと思われていた。 お茶会後に、第一王子の婚約者が侯爵令嬢が決まり、クローデットは幼馴染のエルネスト・ジュリオ公爵子息との婚約が決まる。 その後、クローデットは体調を崩して寝込み、目覚めた時には前世の記憶を思い出し、前世でハマった乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生している事に気づく。 でも、クローデットは第一王子の婚約者ではない。 すでにゲームの設定とは違う状況である。それならゲームの事は気にしなくても大丈夫……? 悪役令嬢が気付かない内にバッドエンドを回避していたお話しです。 ※溺れるような描写がありますので、苦手な方はご注意ください。 ※少し設定が緩いところがあるかもしれません。

処理中です...