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第三章
ウハウハ?
しおりを挟むクロスに元気付けられ、気持ちを新たにした私は今
特進科の自席に座っている
周りを見れば、話しかけに行こうとしている者や、私と同じように席に座って動かない子もいる
そして、既にグループが出来上がっているところもあった
ひゃー、やっぱどの時代もこういうとこは変わんないね~
さぁてさて~、そろそろ私も
行動に出ようと腰を上げかけたとき
「セツィーリア・ノワール様ですわよね?」
「あの!私達、ずっとセツィーリア様とお近づきになりたいと思ってまして!!」
「私リナ・モーブと申しますわ!セツィーリア様、以後お見知りおきを!」
「私はミルナ・ペーパーですわ!ペーパー家は以前からノワール家に」
私は一瞬で女の子たちに囲まれた
文面だけを見ればウハウハの状態だ
事実、集まってきてる女の子はみんなかわいいしみんな私に笑いかけてくる
同い年の女友達が欲しかった私から見てもかなりウハウハで男子からは羨ましい状態だろう
だけど
私
全然嬉しくない
どんなにこの子達が私に笑いかけても、私を褒めても
それらは全て私に向けたものではなく、私の付属品であるノワール家に向けたものだということがはっきりと分かっていたからだ
いや、これじゃ語弊があるな
正しくは……ノワール家の付属品が私なのだ
冷めた感情に身を任せながら当たり障りのない返答を繰り返す
けど、それが仇となったのか、冷酷かつ厳しいで有名(社交界では)なノワール家の令嬢(目つきが悪い)が普通に会話をしてくれるという事実に驚いた子たちがさらに私に群がってきた
今度は男女共にだ
ああ、これは、いい加減
群がってきている人たちにそろそろ嫌気が差してきたときだった
「…わっ…!」
微かに聞こえた叫び声
女子の壁に塞がれてよく見えなかったけど、どうやらこの壁のせいで女の子が転んでしまったようだ
ああー!!申し訳ないー!!
「大丈夫?」
急いで立ち上がり人ごみを掻き分け膝を突いてしまっている女の子に手を差し出す
「あっ、ありがとうございます!」
かわいらしい声で答え、振り返った少女を見て私は動きを止めた
長く艶々な亜麻色の髪を両耳の下で三つ編みに結い、空色の大きなつぶらな瞳が印象的なとてもかわいい子だった
今までの子みたいに化粧で顔を塗ったくっていない、素のかわいさに魅せられた
固まったままの私の手に重ねられたのはこれまた白くて小さい女の子らしい手だった
うっおー!!どこもかしこも可愛いーーーー!!!
女の子を支えて立たせた後に改めて向き合う
ちゃんとお話出来るチャンスだ!と思い話しかけようとした瞬間
「セツィーリア様!お話の続きですけど!」
「わぁっ!」
「こちらにいらしてくださいセツィーリア様!」
「セツィーリア様!」
「セツィーリア様ー!」
またしてもさっきの集団が私に襲い掛かった
しかも、なんということだ
華奢でかわいいあの女の子を吹き飛ばしておいて謝りもしないとは
うるさい声が耳に障る
その上、あの子が吹き飛ばされておいて、怒りもせずに仕方なさそうに笑みを浮かべた顔を見た瞬間
「邪魔ですわ」
父親譲りの低い声が教室に響いた
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