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第三章
噂
しおりを挟むコレットと待ち合わせをして、一緒に学校へ向かう
今日も教室で敬遠されるんだろうな~と思いながら校門をくぐれば
「?……」
明らかに見られている気がした
しかも1人や2人なんていう数じゃない、もっともっと数え切れないくらいの…好意とは程遠い視線…
「…セッちゃん」
「…どうやら私の自意識過剰じゃないみたいね」
心配そうに私を見上げるコレットを見れば、私に刺さる視線を感じたのはコレットも一緒だと分かった
「コレット、とりあえず教室に行きましょう。その間、何を聞いてもどんなに見られても気づいてないフリをするのよ?」
「う、うん」
ノワール家の娘は簡単に動揺してはいけない
たとえ不測の事態が起きても、動じることなく冷静に対処すべし
その言葉を思い浮かべながら私は完璧な笑顔を浮かべ、コレットと"談笑"しながら教室へと向かった
教室に入れば昨日と同じように教室全体が一度シーンとなり、そしてすぐさまざわつき始めた
僅かに聞こえた言葉と来る途中に聞こえてきた内容を合わせて考えた結果
「全部あなたが元凶なのよね、分かってる?」
「え~、なんの話~?」
ニヤついた顔をしながらとぼけるハルの顔や声にイラつきが募っていく
「見てセツィーリア様よ…!ハル様とそういう関係っていうお噂の!」
「ノワール家のお嬢様っつうからお高く留まってるだけかと思ったら、あのチャラ男と遊ぶくらいなんだ、俺たちでも相手してもらえるんじゃね?」
「やぁだ~、ハル様が取られちゃう~!!」
「馬鹿馬鹿しい、ノワール嬢もコロンス殿も貴族として恥ずかしくないのか」
「家の名前だけの青臭い小娘が!…ハルにちょっと優しくされたくらいで勘違いしないでほしいものだわ」
教室に向かうまで、散々ひそひそと好き勝手に言われてきた
あまりにも聞くに堪えないような言葉が出てきたときは私よりもコレットが飛び出していきそうで、私はそっちのほうがヒヤヒヤしていた
ていうか、ハルのやつ、私と同い年でこの学院に入学したんだよね?どんだけ有名人なわけ?しかも聞いてる限り全くと言っていいほど有名のなり方がいいとは言えない。てかもう言うなれば悪名高い??
そんな悪名高いハルと噂になること事態が面倒でならないしその噂の内容が最低すぎて、色々陰で言われた鬱憤も溜まっていたせいもあり、本当は教室でこいつが目に入った瞬間にこいつを問い詰めてやりたかった
けど、それは今以上に厄介なことになりそうだったから、席が隣だったのを利用して席に着く一瞬でハルにしか聞こえない声で後で話があると言い、今私達は屋上で向かい合っている
「よくもまあいつまでもとぼけていられるわね?あなただってあらぬ噂で迷惑しているんじゃない?」
「別に俺はそんなの気にしないけど~?なんならセツィーリアちゃんと噂になれて嬉しいと思ってるよ~??」
「心にもないこと言わないでよ、気持ち悪いわ」
「ほんっと、セツィーリアちゃんって俺に対して厳しいよね」
「あなたが薄っぺらい笑顔を浮かべるのをやめてくれたら私だってもっと態度が和らぐわよ」
昨日、クロスに距離を置くなって言われたけど、やっぱりこいつの嘘くさい笑顔を見てると腹が立ってくる
笑いたくなければ笑わなきゃいいのに
「ハル、この際くだらない噂のことはどうでもいいわ。どうせすぐに消えるから。ただ、昨日の約束は果たしてもらうわよ」
「約束って?」
「分かってるんでしょ?あんたが私に絡んでくる理由よ」
「あぁ!それね!」
まるで今思い出したかのように手をポンッ!と叩くハル
一々わざとらしい仕草をするハルは最早私の怒りを買いたいがために故意にやっているのではないかと疑いたくなる
…いや、多分そうだろうな…その上で怒った私を見て面白がっている悪趣味野郎だこいつ
自然と眉を顰めた私を見てまたしてもクスクスを笑っているハル
そして馬鹿にしたような笑いを浮かべたまま
「それの一番の理由なら、もう来るよ」
私たちも入って来た屋上への入り口を指差した
その方向に顔を向けた瞬間
その扉はゆっくり開かれた
「セツィーリアちゃんは知ってる?実は屋上の扉の鍵って生徒会の人間しか使っちゃだめなこと」
私と向かい合っていたハルの言葉が耳に入って来たと同時に
扉から姿を現す人物がだんだんはっきりと見えてきた
そして、私が声を発するよりも先に
「セツ!!」
ソフィの私を呼ぶ声が響き渡り、気づいたら抱き締められていた
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