33 / 60
第二章 繋がる命
敵と王子様
しおりを挟む
少女の名前はダリアといった。両親は早くに他界していて、丸焦げとなってしまった場所に祖母と二人で暮らしていた。ダリヤ自身は街中に買い物に来ていた為、被害を受けずに済んだが、祖母は恐らくあの瓦礫の山のどこかにいるだろう。彼女の顔や体が煤だらけで、手には火傷を負っているのを見ると、その理由が容易に想像できて苦しい。結局、何も見つからなかったし、見つかったとしてもそれが祖母かどうかは分からなかっただろうと言った。
「逃げるってどういうこと?」
ダリアの服を掴んでくる手をぎゅっと握ってやり、揺れる瞳を見返す。
他国ならともかく、自国の王子が国内の町から逃げないといけない理由は思いつかない。
「その町を襲った男、アリス様の名前を口にしていたんです!」
「え・・・、それはどういう内容で?」
「分かりません・・・でも、少なくとも忠誠を誓っているような雰囲気ではありませんでした。多分、アリス様を捜しているような・・・」
「捜してる?」
「あ、アリスさん」
気が付くと牧師と話を終えたアリスがダリアの後ろで椅子に寄りかかるように腰を預けていた。突然掛けられた声に、ダリアは驚きの声をあげて飛び退く。
「ででで殿下!申し訳ございません、こんな姿で!」
「それは皆同じだ。それに今はそれどころじゃないだろう。・・・捜しているとは?」
「あ、はいっ・・・、この町を襲った男が、殿下を捜しているようだという話で」
「・・・・・」
それを聞いたアリスは、何かを考えるように口に手を当て、押し黙った。そして、僅かに眉を顰めたかと思うと、シャツのポケットから、濡れてしまっている紙を取り出して、ダリアに見せる。誰かの顔写真が載っていて、大量の文字が書いてあるが、文字は滲んで読めそうにない。写真だけがかろうじて人だと分かるくらいだ。
「それはこの中の誰かだったか?」
「えっ・・・えっと、・・・あっ、この人!よく見えませんけど、この顔の傷、多分この人です」
ダリアが指さした写真は、右の額から瞼二かけて大きな傷がある男だった。どんな顔かはぼやけて見えないが、こんな特徴は記憶にもよく残るはずだ。アリスはそうか、と小さく頷くと、紙をポケットにしまった。
「アリスさん?その人誰なんですか?」
「後から説明する。とりあえず今は温まっておけ。風邪ひくぞ」
そういうと、アリスはその場を離れて怪我人のところへ足を運んでいった。手当てでは補えなかった怪我を治して回っているのだろうが、先程も少年に大分力を使っていた。大丈夫なんだろうかと思いながらも、柚葉は止めることはできなかった。魔法が使えたなら、自分でもそうしただろうし、実際、前の村では同じようなことをするのを支えてもらっている。もしアリスが辛くなれば、同じように支えてやればいい。
「あの、ユズハさん」
「ん?」
アリスの姿をなんとなく見守っていると、ダリアが控えめに、聞きづらそうに柚葉に耳打ちしてきた。
「下世話なこと伺いますけど、アリス様とユズハさんはどのようなご関係で・・・?」
「えっ?・・・あー、うーんと王子とその従者かな?」
確かそういう設定だった。だから柚葉が今や雨水を吸いまくって重くなったリュックを抱えているのだ。ダリアはその答えに納得いっていないようだった。だが、これ以上どう言っていいのか分からない。
「そう、なんですか。私が思っていたアリス様のイメージが違っていて・・・」
「どういうイメージだったの?」
「なんて言うんでしょう・・・こう、もっと硬い感じの・・・」
「え?アリスさん昔はマッチョだったとか?」
鋼鉄の鎧を身体に纏っているアリスを想像するとちょっと笑える。
「い、いえ!そうではなく、雰囲気が柔らかくなったというか・・・昔からお優しい方で、町にもたまに顔を出して下さっていました。私が遠目からしか拝見させていただいていなかったからなのかもしれないですが、もっと”王子様!”って感じの雰囲気だった気がします」
「えー?今でも十分王子様感強いよ?」
柚葉からしたら人生で初めて会った王子様はアリスだし、一般的な王子様像に偏りがあるかもしれないが、本やメディアで見る王子様とあまり変わらない気がする。偉そうだし、頭硬いし、イケメンだし。どっちかというと、柚葉の王子様のイメージはイケメンよりも美形で、イヴァンのような容貌を想像していたのだが。
「確かに、アリス様はアステリア王国の王子として立派に職務を全うして下さっていますし、私たち国民に心を砕いて下さる、いい王子様です。ただ、先程ユズハさんを見るアリス様の目が、とても柔らかく感じてしまって、二人は恋仲なのかなと思ってしまったんです」
余計なことをすみません、とダリアは困ったように笑ったが、本当に困ったのは柚葉の方だ。いや、困ったというより困惑した。どこからどう見たらアリスと恋仲に見えたのか。先程の少ない会話の一体どこから。
「いやいや、いやいやいやいやいやいや・・・」
「そうですよね。アリス様には許婚がいらっしゃると聞きますし。すみません、失礼なことを」
「いや、私は大丈夫だけ・・・ど・・・・・・・・・ん!?」
大丈夫だよ、と振った手が止まった。
今、何か現代の日本では聞き慣れない言葉が聞こえた気がした。
「い、許婚・・・?」
「え?知りませんか?というか、一国の王子なら当たり前のお話でしょうけど・・・」
「あ、当たり前なんだ・・・」
そうか、忘れていた。ここは異世界だった。基本恋愛自由の日本ではもはやそれがどういうものか分からない。当たり前ということは、多分生まれる前から決まっていて、それを周りも本人もそういうものだと受け入れているということ。初恋は小学校の頃に見た、父が持っていた写真に写っていた人だという柚葉では全く本人たちの気持ちが分からない。ちなみにその写真の人物は、父の友達のゲームクリエイターが遊び半分で作った”一般的な青年”をリアルに再現したものであったことは、柚葉が中学生になって聞かされた。存在しない人物を捜す娘を見て、父は何とも思わなかったのか。
「詳しくは分かりませんけど、隣国の第一王女だと聞いています。大変お美しい方です。その方の他にもアリス様の第二の妻でも第三の妻でもいいからなりたいと申し出る方は後を絶たないらしいですよ」
「へぇ、アリスさんモテるんだ。まぁ、かっこいいとは思うけど」
一般論として。
だがそんなアイドルのような扱いを受けているとは知らなかった。この分じゃファンクラブとかあるんじゃなかろうか。会員制で、アリスのことをファンの間では”坊ちゃん”と呼ぶ。柚葉は面白そうだからちょっと入ってみてもいいかも、と思っていると、ダリアの顔が近付いてきてびくりと肩を揺らした。
「眠そうですね。休まれたらいかがでしょう?」
「身体が温まってきちゃったから・・・でも、アリスさん働いてるのに寝ちゃったら・・・」
「休めるときに休んでいた方がいいですよ。また、あの男が来たら・・・」
「ダリア、大丈夫。その時はアリスさんがちゃんと守ってくれるよ!私が従者権限で言っとくから!」
「ふふっ、ユズハさん、従者さんにそんな権限はありませんよ」
結局、睡魔には勝てず、柚葉は椅子に身体を預け、座ったままで眠ってしまった。
「逃げるってどういうこと?」
ダリアの服を掴んでくる手をぎゅっと握ってやり、揺れる瞳を見返す。
他国ならともかく、自国の王子が国内の町から逃げないといけない理由は思いつかない。
「その町を襲った男、アリス様の名前を口にしていたんです!」
「え・・・、それはどういう内容で?」
「分かりません・・・でも、少なくとも忠誠を誓っているような雰囲気ではありませんでした。多分、アリス様を捜しているような・・・」
「捜してる?」
「あ、アリスさん」
気が付くと牧師と話を終えたアリスがダリアの後ろで椅子に寄りかかるように腰を預けていた。突然掛けられた声に、ダリアは驚きの声をあげて飛び退く。
「ででで殿下!申し訳ございません、こんな姿で!」
「それは皆同じだ。それに今はそれどころじゃないだろう。・・・捜しているとは?」
「あ、はいっ・・・、この町を襲った男が、殿下を捜しているようだという話で」
「・・・・・」
それを聞いたアリスは、何かを考えるように口に手を当て、押し黙った。そして、僅かに眉を顰めたかと思うと、シャツのポケットから、濡れてしまっている紙を取り出して、ダリアに見せる。誰かの顔写真が載っていて、大量の文字が書いてあるが、文字は滲んで読めそうにない。写真だけがかろうじて人だと分かるくらいだ。
「それはこの中の誰かだったか?」
「えっ・・・えっと、・・・あっ、この人!よく見えませんけど、この顔の傷、多分この人です」
ダリアが指さした写真は、右の額から瞼二かけて大きな傷がある男だった。どんな顔かはぼやけて見えないが、こんな特徴は記憶にもよく残るはずだ。アリスはそうか、と小さく頷くと、紙をポケットにしまった。
「アリスさん?その人誰なんですか?」
「後から説明する。とりあえず今は温まっておけ。風邪ひくぞ」
そういうと、アリスはその場を離れて怪我人のところへ足を運んでいった。手当てでは補えなかった怪我を治して回っているのだろうが、先程も少年に大分力を使っていた。大丈夫なんだろうかと思いながらも、柚葉は止めることはできなかった。魔法が使えたなら、自分でもそうしただろうし、実際、前の村では同じようなことをするのを支えてもらっている。もしアリスが辛くなれば、同じように支えてやればいい。
「あの、ユズハさん」
「ん?」
アリスの姿をなんとなく見守っていると、ダリアが控えめに、聞きづらそうに柚葉に耳打ちしてきた。
「下世話なこと伺いますけど、アリス様とユズハさんはどのようなご関係で・・・?」
「えっ?・・・あー、うーんと王子とその従者かな?」
確かそういう設定だった。だから柚葉が今や雨水を吸いまくって重くなったリュックを抱えているのだ。ダリアはその答えに納得いっていないようだった。だが、これ以上どう言っていいのか分からない。
「そう、なんですか。私が思っていたアリス様のイメージが違っていて・・・」
「どういうイメージだったの?」
「なんて言うんでしょう・・・こう、もっと硬い感じの・・・」
「え?アリスさん昔はマッチョだったとか?」
鋼鉄の鎧を身体に纏っているアリスを想像するとちょっと笑える。
「い、いえ!そうではなく、雰囲気が柔らかくなったというか・・・昔からお優しい方で、町にもたまに顔を出して下さっていました。私が遠目からしか拝見させていただいていなかったからなのかもしれないですが、もっと”王子様!”って感じの雰囲気だった気がします」
「えー?今でも十分王子様感強いよ?」
柚葉からしたら人生で初めて会った王子様はアリスだし、一般的な王子様像に偏りがあるかもしれないが、本やメディアで見る王子様とあまり変わらない気がする。偉そうだし、頭硬いし、イケメンだし。どっちかというと、柚葉の王子様のイメージはイケメンよりも美形で、イヴァンのような容貌を想像していたのだが。
「確かに、アリス様はアステリア王国の王子として立派に職務を全うして下さっていますし、私たち国民に心を砕いて下さる、いい王子様です。ただ、先程ユズハさんを見るアリス様の目が、とても柔らかく感じてしまって、二人は恋仲なのかなと思ってしまったんです」
余計なことをすみません、とダリアは困ったように笑ったが、本当に困ったのは柚葉の方だ。いや、困ったというより困惑した。どこからどう見たらアリスと恋仲に見えたのか。先程の少ない会話の一体どこから。
「いやいや、いやいやいやいやいやいや・・・」
「そうですよね。アリス様には許婚がいらっしゃると聞きますし。すみません、失礼なことを」
「いや、私は大丈夫だけ・・・ど・・・・・・・・・ん!?」
大丈夫だよ、と振った手が止まった。
今、何か現代の日本では聞き慣れない言葉が聞こえた気がした。
「い、許婚・・・?」
「え?知りませんか?というか、一国の王子なら当たり前のお話でしょうけど・・・」
「あ、当たり前なんだ・・・」
そうか、忘れていた。ここは異世界だった。基本恋愛自由の日本ではもはやそれがどういうものか分からない。当たり前ということは、多分生まれる前から決まっていて、それを周りも本人もそういうものだと受け入れているということ。初恋は小学校の頃に見た、父が持っていた写真に写っていた人だという柚葉では全く本人たちの気持ちが分からない。ちなみにその写真の人物は、父の友達のゲームクリエイターが遊び半分で作った”一般的な青年”をリアルに再現したものであったことは、柚葉が中学生になって聞かされた。存在しない人物を捜す娘を見て、父は何とも思わなかったのか。
「詳しくは分かりませんけど、隣国の第一王女だと聞いています。大変お美しい方です。その方の他にもアリス様の第二の妻でも第三の妻でもいいからなりたいと申し出る方は後を絶たないらしいですよ」
「へぇ、アリスさんモテるんだ。まぁ、かっこいいとは思うけど」
一般論として。
だがそんなアイドルのような扱いを受けているとは知らなかった。この分じゃファンクラブとかあるんじゃなかろうか。会員制で、アリスのことをファンの間では”坊ちゃん”と呼ぶ。柚葉は面白そうだからちょっと入ってみてもいいかも、と思っていると、ダリアの顔が近付いてきてびくりと肩を揺らした。
「眠そうですね。休まれたらいかがでしょう?」
「身体が温まってきちゃったから・・・でも、アリスさん働いてるのに寝ちゃったら・・・」
「休めるときに休んでいた方がいいですよ。また、あの男が来たら・・・」
「ダリア、大丈夫。その時はアリスさんがちゃんと守ってくれるよ!私が従者権限で言っとくから!」
「ふふっ、ユズハさん、従者さんにそんな権限はありませんよ」
結局、睡魔には勝てず、柚葉は椅子に身体を預け、座ったままで眠ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる