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第三章 夢の続き
見えぬ敵
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雨が降った余韻など全く残さず、太陽は高く昇った。空気はいくらか冷やされたものの、昼過ぎになると、やはり汗が噴き出る気温になってくる。睡眠がその気温に耐え切れなくなった頃、柚葉の意識はようやく光の下へ戻ってきた。
身を起こしてみると、頭皮が痛い。よく見ると指の間に髪の毛が何本か挟まっている。
「・・・・・抜け毛・・・まじか」
十六歳にして禿げ始めようとしているのか。育毛って女子高生がするものだったか。
「おはようユズハちゃん」
「おはようございますグレンさん。・・・大変です」
「何、どうした?体調悪い?」
顔を覗き込んでくるグレンに、柚葉は手のひらを開いて見せる。
「私、ついに始まっちゃったみたいです」
「何が?」
「老化」
「早くね?」
昨夜の自分の様子を聞き、髪の毛を握っている理由も分かったが、同時に相当取り乱してしまっていたのだと理解した。怖い夢を見たのは覚えているが、それ以上は靄がかかったようにぼんやりとしている。夢の内容も思い出せない。
「お手数お掛けいたしました」
「それはいいけど、ユズハちゃんは大丈夫なの?」
「あ、はい。忘れてしまってるので今はなんとも。アリスさんの魔法のおかげで結構すっきりしましたし」
結局はアリスが魔法で眠らせたことも聞かなければ分からなかった。昼近くまで寝ていたとはいえ、魔法をかけたのが遅い時間だったため、そこまで長く眠っていたわけではない。だがやはり睡眠の質がよかったというのが正しいか、短い時間でもいつもより頭はすっきりしていた。
「精神干渉の魔法だから、あまり何度もはかけられないぞ」
「せめて、その夢の原因でも分かればね・・・」
「そうですよね・・・すみません、次はなんかメモでもとって・・・あ、書くものない」
第一、聞いた昨夜の柚葉の様子からするに、メモを取れる状態かどうかも分からない。そういえばこの世界に来て一度も文字を書いていないが、まだ書けるだろうか。
「今度から目を覚ましたら、必ずその時に俺かグレンに叩き起こしてでも知らせろ」
「でも、夢を覚えてるかどうか分からないし」
「それでもだ。知らせなかった場合・・・・どうなるか分かってるな?」
「・・・・ど、どうなるんでしょう?」
お願いだからそんなヤクザの親分のような顔しないで下さい。指を詰めろと言われたらどうしよう。
「前髪だけ残して髪の毛抜くからな」
「ひぃ!」
嫌だ。全部抜いてくれた方がまだいい。柚葉がこの約束を違えることは絶対にないだろう。
それから朝食兼昼食を軽くとった後、しばらく歩いた。いつもよりは気温が低いので、今日のうちに進めるだけ進んでいた方がいいだろう。一度水を含んだからか、心なしか足元も歩きやすい。
「アリスさん、あれなんでしょう?」
「?」
柚葉はふいにアリス通り越したもっと前、地平線のギリギリを指さして小首を傾げた。本当は数分前から見えていたのだが、蜃気楼のせいで景色が歪んで確証はなかったし、見間違いかと思った。だが、近付いてみても、どういう角度から見ても、何かがそこに見えたのだ。
「何か見えるか?」
「ほら、あそこ。見えません?何となく近付いてきてるような」
「グレン、見えるか?」
「いいえ?」
言われてグレンも目を凝らすが、そこは歪んだ景色が広がっているだけと何も見えていないようだった。柚葉の視力の良さは認められているが、グレンだって職業柄負けていない。むしろ柚葉よりいいはずだ。
「お前には何が見えてるんだ?」
「んー?なんかこう、黒い大きな物体が動いていて、段々大きくなってきます。あ、熊みたいな形してますね」
「・・・熊?」
アリスとグレンの眉がピクリと動く。
ほぼ同時に柚葉が指さす方向に鋭い視線をやり、腰に差す剣を抜いた。
「え、何・・・どうかしました?」
「砂漠で出てくる熊って言ったら、野獣しかいないだろ」
「でも殿下、どうします?俺、見えないんですけど」
「奇遇だな、俺もだ」
「わあ仲良し」
言ってる場合か。
柚葉には向かってくるその物体の姿形が徐々にはっきり見えてくる。見た目はまさに熊。だが、大きさは熊どころの話でない。ともすれば軽くゴジラくらいあるんではないだろうか。ゴジラ見たことないけど。
しかもその表情はとてもお家に帰る途中というわけではないようだ。涎がしたたるのも構わず牙をむき、目は血走って獰猛な唸り声をあげている。近付いてくるスピードも尋常ではない。
「お、怒ってる?」
「何故見えないかは後回しだ!ユズハ、後どれくらい距離がある!?」
「えっ、えー!?どれくらい!?あとちょっと!」
「具体的に言え!」
「わあっ!アリスさん右ーー!!」
「チッ」
野獣はあっという間に距離を詰め、柚葉達にその鋭い爪を立ててきた。柚葉の声と気配だけを頼りに、アリスがとっさに柚葉を抱えて飛び退いてくれたが、その後は砂が舞い上がって視界がはっきりしない。野獣の唸る声に神経を尖らせ、その場所を探った。
パラパラと降り注ぐ砂が目に入り涙が止まらないが、野獣にやられて血が止まらなくなるよりましだ。
「何なんですか、あの熊野郎」
「多分それは砂漠を生息地にするアグラという野獣だ。見た目は熊だが、中身は全く違う。熊の方が何十倍も可愛いもんだ」
「野獣は基本滅多なことがない限り人を襲わないけど、アグラは違う。人を襲い、食って生き永らえる」
アグラの攻撃をしっかり避けていたグレンが、近くまできてアリスと背中合わせになる。二人の様子だと、結構笑えない状況らしい。人を襲うハイスピードな野獣、そしてその姿は見えず、唯一見える柚葉は非戦闘員だ。なるほど、笑えない。
「でもなんで私には見え・・・わあ来たぁっ!!」
「どこだ!」
「アリスさん目の前からアッパー!」
「アッパー!?」
「下からぎゅーん!です!」
そうか、アッパーが分からぬか。とりあえず方向とイメージだけを叫ぶと、伝わったのかどうか分からないが、避けてくれた。
「お前語彙力!」
「すみません!今更無理です!あっ、グレンさん右ストレート!」
「ええ!?」
アグラのスピードに対応するためには、技の説明をしている暇はないのだ。柚葉の米粒のような語彙力でも分かって頂くしかない。
「ぎゃあっ!アリスさん左から斜めにくる!」
「っ、くそっ!」
「グレンさん右左!」
「えっ、どっち!?」
「アリスさん右!」
「こっちか!」
「グレンさん右かーらーの、左!あっ上だ」
「何故俺の時だけ間違えるの!?」
柚葉には大きな肉球が襲ってきていると分かってるのだが、アリスとグレンにはただそこで砂が爆発しているようにしか見えないだろう。柚葉の頼りないガイドのお陰か、二人の気配察知能力のすばらしさのお陰かは定かではないが、何とか攻撃は避けきっている。だが、ただ避けることしかできないので、体力を削られていく一方だ。どうにかして、アグラを倒さなければ、このまま三人とも食料となる。
「グレンさん横!」
「どっちの横!?っ、殿下、どうしま、すっ!?」
「アリスさん正面!」
「っ、・・・」
避けながら柚葉の腰に回されたアリスの手に力が込もる。
このままでは本当に埒が明かない。
どうする。
どうする。
飛び散り続ける砂、柚葉にだけ聞こえるアグラの地の底から湧き出たような唸り声。さすがに二人も息が上がってきた。
どうする。
「アリスさん!」
柚葉は、意を決したように、すぐそこにあるアリスの顔を見上げると、心が跳ねるような濃紺の瞳が見返してくる。
もうこれしか思いつかない。
「私が教えますから、私を野獣の背中に乗せてください!」
見えないのなら、見える目印を作ればいい。
身を起こしてみると、頭皮が痛い。よく見ると指の間に髪の毛が何本か挟まっている。
「・・・・・抜け毛・・・まじか」
十六歳にして禿げ始めようとしているのか。育毛って女子高生がするものだったか。
「おはようユズハちゃん」
「おはようございますグレンさん。・・・大変です」
「何、どうした?体調悪い?」
顔を覗き込んでくるグレンに、柚葉は手のひらを開いて見せる。
「私、ついに始まっちゃったみたいです」
「何が?」
「老化」
「早くね?」
昨夜の自分の様子を聞き、髪の毛を握っている理由も分かったが、同時に相当取り乱してしまっていたのだと理解した。怖い夢を見たのは覚えているが、それ以上は靄がかかったようにぼんやりとしている。夢の内容も思い出せない。
「お手数お掛けいたしました」
「それはいいけど、ユズハちゃんは大丈夫なの?」
「あ、はい。忘れてしまってるので今はなんとも。アリスさんの魔法のおかげで結構すっきりしましたし」
結局はアリスが魔法で眠らせたことも聞かなければ分からなかった。昼近くまで寝ていたとはいえ、魔法をかけたのが遅い時間だったため、そこまで長く眠っていたわけではない。だがやはり睡眠の質がよかったというのが正しいか、短い時間でもいつもより頭はすっきりしていた。
「精神干渉の魔法だから、あまり何度もはかけられないぞ」
「せめて、その夢の原因でも分かればね・・・」
「そうですよね・・・すみません、次はなんかメモでもとって・・・あ、書くものない」
第一、聞いた昨夜の柚葉の様子からするに、メモを取れる状態かどうかも分からない。そういえばこの世界に来て一度も文字を書いていないが、まだ書けるだろうか。
「今度から目を覚ましたら、必ずその時に俺かグレンに叩き起こしてでも知らせろ」
「でも、夢を覚えてるかどうか分からないし」
「それでもだ。知らせなかった場合・・・・どうなるか分かってるな?」
「・・・・ど、どうなるんでしょう?」
お願いだからそんなヤクザの親分のような顔しないで下さい。指を詰めろと言われたらどうしよう。
「前髪だけ残して髪の毛抜くからな」
「ひぃ!」
嫌だ。全部抜いてくれた方がまだいい。柚葉がこの約束を違えることは絶対にないだろう。
それから朝食兼昼食を軽くとった後、しばらく歩いた。いつもよりは気温が低いので、今日のうちに進めるだけ進んでいた方がいいだろう。一度水を含んだからか、心なしか足元も歩きやすい。
「アリスさん、あれなんでしょう?」
「?」
柚葉はふいにアリス通り越したもっと前、地平線のギリギリを指さして小首を傾げた。本当は数分前から見えていたのだが、蜃気楼のせいで景色が歪んで確証はなかったし、見間違いかと思った。だが、近付いてみても、どういう角度から見ても、何かがそこに見えたのだ。
「何か見えるか?」
「ほら、あそこ。見えません?何となく近付いてきてるような」
「グレン、見えるか?」
「いいえ?」
言われてグレンも目を凝らすが、そこは歪んだ景色が広がっているだけと何も見えていないようだった。柚葉の視力の良さは認められているが、グレンだって職業柄負けていない。むしろ柚葉よりいいはずだ。
「お前には何が見えてるんだ?」
「んー?なんかこう、黒い大きな物体が動いていて、段々大きくなってきます。あ、熊みたいな形してますね」
「・・・熊?」
アリスとグレンの眉がピクリと動く。
ほぼ同時に柚葉が指さす方向に鋭い視線をやり、腰に差す剣を抜いた。
「え、何・・・どうかしました?」
「砂漠で出てくる熊って言ったら、野獣しかいないだろ」
「でも殿下、どうします?俺、見えないんですけど」
「奇遇だな、俺もだ」
「わあ仲良し」
言ってる場合か。
柚葉には向かってくるその物体の姿形が徐々にはっきり見えてくる。見た目はまさに熊。だが、大きさは熊どころの話でない。ともすれば軽くゴジラくらいあるんではないだろうか。ゴジラ見たことないけど。
しかもその表情はとてもお家に帰る途中というわけではないようだ。涎がしたたるのも構わず牙をむき、目は血走って獰猛な唸り声をあげている。近付いてくるスピードも尋常ではない。
「お、怒ってる?」
「何故見えないかは後回しだ!ユズハ、後どれくらい距離がある!?」
「えっ、えー!?どれくらい!?あとちょっと!」
「具体的に言え!」
「わあっ!アリスさん右ーー!!」
「チッ」
野獣はあっという間に距離を詰め、柚葉達にその鋭い爪を立ててきた。柚葉の声と気配だけを頼りに、アリスがとっさに柚葉を抱えて飛び退いてくれたが、その後は砂が舞い上がって視界がはっきりしない。野獣の唸る声に神経を尖らせ、その場所を探った。
パラパラと降り注ぐ砂が目に入り涙が止まらないが、野獣にやられて血が止まらなくなるよりましだ。
「何なんですか、あの熊野郎」
「多分それは砂漠を生息地にするアグラという野獣だ。見た目は熊だが、中身は全く違う。熊の方が何十倍も可愛いもんだ」
「野獣は基本滅多なことがない限り人を襲わないけど、アグラは違う。人を襲い、食って生き永らえる」
アグラの攻撃をしっかり避けていたグレンが、近くまできてアリスと背中合わせになる。二人の様子だと、結構笑えない状況らしい。人を襲うハイスピードな野獣、そしてその姿は見えず、唯一見える柚葉は非戦闘員だ。なるほど、笑えない。
「でもなんで私には見え・・・わあ来たぁっ!!」
「どこだ!」
「アリスさん目の前からアッパー!」
「アッパー!?」
「下からぎゅーん!です!」
そうか、アッパーが分からぬか。とりあえず方向とイメージだけを叫ぶと、伝わったのかどうか分からないが、避けてくれた。
「お前語彙力!」
「すみません!今更無理です!あっ、グレンさん右ストレート!」
「ええ!?」
アグラのスピードに対応するためには、技の説明をしている暇はないのだ。柚葉の米粒のような語彙力でも分かって頂くしかない。
「ぎゃあっ!アリスさん左から斜めにくる!」
「っ、くそっ!」
「グレンさん右左!」
「えっ、どっち!?」
「アリスさん右!」
「こっちか!」
「グレンさん右かーらーの、左!あっ上だ」
「何故俺の時だけ間違えるの!?」
柚葉には大きな肉球が襲ってきていると分かってるのだが、アリスとグレンにはただそこで砂が爆発しているようにしか見えないだろう。柚葉の頼りないガイドのお陰か、二人の気配察知能力のすばらしさのお陰かは定かではないが、何とか攻撃は避けきっている。だが、ただ避けることしかできないので、体力を削られていく一方だ。どうにかして、アグラを倒さなければ、このまま三人とも食料となる。
「グレンさん横!」
「どっちの横!?っ、殿下、どうしま、すっ!?」
「アリスさん正面!」
「っ、・・・」
避けながら柚葉の腰に回されたアリスの手に力が込もる。
このままでは本当に埒が明かない。
どうする。
どうする。
飛び散り続ける砂、柚葉にだけ聞こえるアグラの地の底から湧き出たような唸り声。さすがに二人も息が上がってきた。
どうする。
「アリスさん!」
柚葉は、意を決したように、すぐそこにあるアリスの顔を見上げると、心が跳ねるような濃紺の瞳が見返してくる。
もうこれしか思いつかない。
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