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7 王太子殿下の婚約者様限定! 王族トレカ☆
しおりを挟む『王族は政略結婚であちこち繋がっているでしょう? だからただでさえ覚えることが多いのに、特産物や主力産業が被っている国も結構多くて。国同士の力関係は複雑だし、王太子妃として外交上の失敗は絶対に許されないから、精神的にも行き詰ってしまったの。だから……』
――と、恐れ多くも王太子殿下の婚約者様から個人的に頼まれて。
彼女専用に他国の王族・要人バージョンの『王族トレーニングカード』……通称『王族トレカ』を作ってあげたことで仲良くなった。
しかもそこから話が広まり、彼女の友人達……つまりは高位貴族令嬢の間で『貴族トレカ』が流行っちゃって……もう、ヒヤヒヤ。
まあ、お金は取っていないし、秘密厳守を条件に希望者に譲渡しているだけだから、問題はない――はず?
何にしても、窓口は王太子殿下の婚約者である公爵令嬢様だから、問題になってもプチっと握りつぶしてくれる――はず……。
……。
――ま、仕方ないよね☆ 王太子妃教育でいっぱいいっぱいだった彼女の話を聞いているうちに、せめて少しでも勉強が楽しく、かつ息抜きになれば……とか思って協力したくなっちゃったんだもの。
彼女、私なんかにも話しかけてくれるくらい気さくでいい人だったし、何より本当に頑張り屋さんだったから。
ただ、やるからには使えるしっかりとした物を作成しなければと、他国の王族や要人の顔を見るためだけに彼女の友人枠で厳粛なパーティーに参加せざるを得なかった時期のことを考えると胃が痛くなるし、もう二度とゴメン被りたい――とは思っているけれど。
――そして。
学園で高位貴族だけが誘われるというお茶会は皆の憧れの的だったけど、実は特別室で秘密のカードゲームに興じていただけ……っていうのを知っている自分としてはかなり複雑な気分だ。
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