冥婚悲恋歌

堀 和三盆

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 死者も参加する夏の夜会には強い風が吹く。

ぴゅう――ぴゅう――ぴゅう――ぴゅう――
ぴゅう――ぴゅう――ぴゅう――ぴゅう――

 それは女のすすり泣きのような。愛しい人の名を喉の奥から絞り出すような。どこか物悲しい音を響かせる。

 懐かしき人々との再会を願い開け放たれたドアと、会場とを繋ぐ長い長い廊下を通るうちに反響が繰り返されて、強弱をつけて周囲に響き渡るそれはまるで歌のよう。

 いつの頃からか人々は言うようになった。

 あれは国の存続のために命を散らした悪役令嬢達の叫びだと。そして、身を挺して愛を捧げた悪役令嬢から王子への愛の言葉だと。

 夏の夜会の風物詩。



 いつしかそれは冥婚悲恋歌と呼ばれるようになった。




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