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2:カブキーフェスタへの道
156:龍脈の棟梁(シガミー)、わるだくみとネコチャーン
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ふぉふぉん♪
『FATS>バイタルデータへのアクセスには<上位権限>が必要です』
わからん。
ふぉん♪
『>プレイヤー〝オノハラレン〟の初回デジタイズ時に身体的特徴項目は追記されておりませんでした』
うん、それで?
ふぉん♪
『>中肉中背であることが確定しました。イオノファラーの個人ライブラリを横断検索した限りにおいては、温厚篤実かつ一意専心な人物のようです』
「(なに!? 下っ腹が出てねぇだとっ?)」
五百乃大角みたいな大食らいじゃねぇのか。
それなら、信頼に値する……気がしないでもない。
ふぉふぉん♪
『>〝名称未設定ワールド〟を作成後、〝オノハラレン〟は一度もログインしていません』
神なのに路銀がねぇ?
まあ、あんな大食らいの妹さまがいたら、さぞかし食費に困ってただろうが。
兄神さまの苦労が忍ばれた。
もっとも、いまその苦労をおれと迅雷が――肩代わりしてるわけだが。
「シガミー!? 聞いていますのっ!?」
膝を抱えて座り込み、床穴に尻尾を差し込む猫耳頭。
そんな低い位置に居るおれに、謝罪の姿勢をさらに傾ける姫さん。
長い髪が、おれの大きな兜頭に垂れた。
ビードロの中から見上げれば、赤みがかった金糸がとぐろを巻いてる。
「まあでも――にゃ。ウチの五百乃大角も珍しく頑張ってくれたのもあって――にゃ、こうして無事に帰ってこられたんだし――にゃ、そこまで謝らなくても――――」
「いーえっ! ソレだけではありませんのよ――」
さらに顔をよせる姫さん。
まつげが長くて、目がでけぇ。
猫耳頭の、でかいマヌケ顔がよく見える。
そしてやたらと、肌がキメ細けぇ。
あたまから突きでた狐耳すら、とても好ましく思えてきた。
前世の猪蟹だったら、いろんな意味でイチコロだったんじゃねーか。
それと猫耳族の猫頭――なでなでなでなで――横からおれの兜頭を執拗になでるんじゃねぇよ、邪魔すぎんだろぉ!
「これはココだけのお話にして、頂きたいのですけれど――――」
いいのか? スグとなりに猫耳族いるけど?
「――――どうやらギルド再建にあたり……イオノファラー様と密約をかわしたそうなんですのよ――そちらのくわしいことは、まだわからないのですけれど……」
「(おい、ちょっとまて、なんだその〝密約〟ってぇのわぁ?)」
おれぁ、聞いてねえぞ?
五百乃大角の姿が、また見えねえと思ったら――逃げたか、あの野郎。
ウチの大飯ぐらいも関わってるなら、ますます姫さん……そして、コントゥル家を責めるわけにはいかねぇ。
「さっぱりわからんが、わかった――にゃ。もう気にしなくて良い――にゃ。どーせ五百乃大角が、そそのかしたに決まってる――にゃ。むしろ、腑に落ちねぇのわぁ、さっきの神官どものほうだぜ……わよ――にゃ」
だってなー、伯爵さんが待ち構えてたってことわぁ――ガムラン町から連絡が行ってたってことだろ?
ふぉん♪
『>はい、通信機を使用したと思われます』
だよなー。だからおれが五百乃大角の関係者だってことは、とっくにバレてたわけで。
魔物と思われて、襲われたわけじゃねぇんだから――そりゃ当然、故意にだ。
ピクリと震える、赤みがかった金糸。
「そ、そそそそそ、ソレにつきましても、あ、謝らなければなりませんのよっ!」
リカルルが何かを、差しだした。
腰のうしろ、太い革帯から取りはずされたのは、長い箱だった。
ふぉん♪
『>すこし形は違いますが、通信機のようです』
ああたぶん彼女の家と央都で話をするのに、普段から使ってる奴だろう。
神域で見つけた奴は、どこやったっけ?
ふぉん♪
『>神域に設置した大イオノファラー像の、背中の箱の中です』
そっか。
「ザザザザッ――――もしもしぃー? シガミィーちゃぁぁん? あのねぇー、じつわねぇー。言いづらいんだけぇどぉさぁー、ほんとぉわねぇー、ええっとねぇーーーー」
聞こえてきた舌っ足らずな声は――超煮え切らなかった。
奥方さま兼、牝狐であらせられる――ルリーロだ。
「――横に有る大きなボタンを押すと、コチラの会話が向こうに伝わります――」
ガッキン♪
「さっぱりわからねえけど、言ってみてくれ――怒らねぇから」
「「ザザザザッ――――ネコチャンだぁー♪ ネコチャーン?」」
いけね、猫語だった。
あと、やっぱり五百乃大角が向こうに……ガムラン町にいやがる。
元から居たけど、こっちに来てた平たくて小さい方(向こうのも決して大きくはねえけど)が逃げた。
もーこれ、ややこしすぎるだろ。
開けろ迅雷――いや自分でやらねぇと、いけねえのか。
「温泉入浴八町分――だったか――みゃ?」
ぷぴぽぽーん♪
『>〝頭部防具:シシガニャン・へっど〟を装備から外しました。
ぷっしゅしゅしゅぅぅぅぅっ――――ごっぱぁ♪
目のまえが開け、怒鳴り声が聞こえてきた。
「可憐な少女が、魔物に食べられてるっにゃ!? いまたすけるみゃっ!!!」
それ、またやんのかよ。今の今まで、頭をなでたりしてただろ。
きゅきゅきゅ――ガシンッ♪
白い椅子馬が、目のまえに陣取り――〝ミャんとか〟が背中に抱えてた大筒を乗せた!
やべぇ撃つ気だ!
「いまぁーたぁーすぅけぇーまぁすぅーわぁー!!」
ご令嬢も――剣に手を伸ばすんじゃねー!
もうまえに何回も、やっただろーがよ!
§
「まったく、いまおれぁ動けねぇんだから、よけいな手間を掛けさせるんじゃねぇ……ないよねぇー」
すっかり戻っちまってたけど、知らない奴のまえで爺……おっさんみたいなしゃべり方をすると、悪目だちすんだよな。
城塞都市ですら、不馴れなニゲル語をつかっちまったときに、二度見られることがあったし。
ふぉん♪
『>央都なら、なおさらです』
わるかった。いまさらだけど、気を付ける……よわぜ。
錫杖の鉄輪に縛りつけた〝迅雷式隠れ蓑製〟の〝やたらと強い綱〟と、〝使用済み避雷針〟。
そんなので、暴漢二人をがんじがらめにした。
尻尾が抜けないギリギリで、綱を巻き付けるのに――――〝投げ縄〟、〝ロープワーク〟、〝捕縛術〟の三つのスキルを収得。
ふぉん♪
『>使用した、SPは13ポイントです』
もう必要なスキルわぁ、どんどん取ってかまわぁね……かまわないよ。
命あっての物種だ。
ふぉん♪
『>了解しました、では100P以上のSPを消費する場合にのみ、確認することにします』
長い箱の横、大きな牡丹をつよく押した。
「ルリーロかぁ? きこえてるかぁ? おれたちわぁ同郷だし、もうなんどか刀を交えた仲だろぉ。怒らねぇから話してみてくれっ」
聞こえてんのかわからんけど、ちゃんと話せたぞ。
牡丹をカチャリと、放した。
「ザザザザッ――――じゃあ、いうわぁねぇー。魔物のぉー姿をしたぁー〝手練れ〟が行くからぁー、最新のぉー〝身代わり札〟のぉーテ・ス・トをぉーしてぇーねって、〝ギ術開発部顧問にぃー、お願ぁいぃーしたのぉよぉぉぅ。ごぉめぇんーねぇー?」
手酢都? 央都の近くには、また別の町があんのか?
ふぉん♪
『>テストというのは、〝試し斬り〟です」
なんだと。
ちょっと穏やかじゃ、無くなってきたなぁ。
「じつわ、ぼくが――その開発部顧問だにゃ♪」
キュキキュィン♪
猫耳族の猫頭。そいつを乗せた〝白い馬椅子〟が、颯爽と立ち上が――
「――痛たい、痛たいにゃっ!」
〝迅雷式隠れ綱〟は簡単には切れないし、覚えたばかりの〝捕縛術〟でがんじがらめにしてある。
…………話のながれじゃコイツは、頭が良いはずじゃなかったのか?
そして隠れ綱は二人の間を渡してあるから、片方が引っ張られりゃ、もう片方も引っ張られる。
「ちょっと、引っぱらないでちょうだい! 痛ったいでぇしょぉぉがぁぁー!」
君たちうるさいよ、ちょっと静かにしててくれる?
『FATS>バイタルデータへのアクセスには<上位権限>が必要です』
わからん。
ふぉん♪
『>プレイヤー〝オノハラレン〟の初回デジタイズ時に身体的特徴項目は追記されておりませんでした』
うん、それで?
ふぉん♪
『>中肉中背であることが確定しました。イオノファラーの個人ライブラリを横断検索した限りにおいては、温厚篤実かつ一意専心な人物のようです』
「(なに!? 下っ腹が出てねぇだとっ?)」
五百乃大角みたいな大食らいじゃねぇのか。
それなら、信頼に値する……気がしないでもない。
ふぉふぉん♪
『>〝名称未設定ワールド〟を作成後、〝オノハラレン〟は一度もログインしていません』
神なのに路銀がねぇ?
まあ、あんな大食らいの妹さまがいたら、さぞかし食費に困ってただろうが。
兄神さまの苦労が忍ばれた。
もっとも、いまその苦労をおれと迅雷が――肩代わりしてるわけだが。
「シガミー!? 聞いていますのっ!?」
膝を抱えて座り込み、床穴に尻尾を差し込む猫耳頭。
そんな低い位置に居るおれに、謝罪の姿勢をさらに傾ける姫さん。
長い髪が、おれの大きな兜頭に垂れた。
ビードロの中から見上げれば、赤みがかった金糸がとぐろを巻いてる。
「まあでも――にゃ。ウチの五百乃大角も珍しく頑張ってくれたのもあって――にゃ、こうして無事に帰ってこられたんだし――にゃ、そこまで謝らなくても――――」
「いーえっ! ソレだけではありませんのよ――」
さらに顔をよせる姫さん。
まつげが長くて、目がでけぇ。
猫耳頭の、でかいマヌケ顔がよく見える。
そしてやたらと、肌がキメ細けぇ。
あたまから突きでた狐耳すら、とても好ましく思えてきた。
前世の猪蟹だったら、いろんな意味でイチコロだったんじゃねーか。
それと猫耳族の猫頭――なでなでなでなで――横からおれの兜頭を執拗になでるんじゃねぇよ、邪魔すぎんだろぉ!
「これはココだけのお話にして、頂きたいのですけれど――――」
いいのか? スグとなりに猫耳族いるけど?
「――――どうやらギルド再建にあたり……イオノファラー様と密約をかわしたそうなんですのよ――そちらのくわしいことは、まだわからないのですけれど……」
「(おい、ちょっとまて、なんだその〝密約〟ってぇのわぁ?)」
おれぁ、聞いてねえぞ?
五百乃大角の姿が、また見えねえと思ったら――逃げたか、あの野郎。
ウチの大飯ぐらいも関わってるなら、ますます姫さん……そして、コントゥル家を責めるわけにはいかねぇ。
「さっぱりわからんが、わかった――にゃ。もう気にしなくて良い――にゃ。どーせ五百乃大角が、そそのかしたに決まってる――にゃ。むしろ、腑に落ちねぇのわぁ、さっきの神官どものほうだぜ……わよ――にゃ」
だってなー、伯爵さんが待ち構えてたってことわぁ――ガムラン町から連絡が行ってたってことだろ?
ふぉん♪
『>はい、通信機を使用したと思われます』
だよなー。だからおれが五百乃大角の関係者だってことは、とっくにバレてたわけで。
魔物と思われて、襲われたわけじゃねぇんだから――そりゃ当然、故意にだ。
ピクリと震える、赤みがかった金糸。
「そ、そそそそそ、ソレにつきましても、あ、謝らなければなりませんのよっ!」
リカルルが何かを、差しだした。
腰のうしろ、太い革帯から取りはずされたのは、長い箱だった。
ふぉん♪
『>すこし形は違いますが、通信機のようです』
ああたぶん彼女の家と央都で話をするのに、普段から使ってる奴だろう。
神域で見つけた奴は、どこやったっけ?
ふぉん♪
『>神域に設置した大イオノファラー像の、背中の箱の中です』
そっか。
「ザザザザッ――――もしもしぃー? シガミィーちゃぁぁん? あのねぇー、じつわねぇー。言いづらいんだけぇどぉさぁー、ほんとぉわねぇー、ええっとねぇーーーー」
聞こえてきた舌っ足らずな声は――超煮え切らなかった。
奥方さま兼、牝狐であらせられる――ルリーロだ。
「――横に有る大きなボタンを押すと、コチラの会話が向こうに伝わります――」
ガッキン♪
「さっぱりわからねえけど、言ってみてくれ――怒らねぇから」
「「ザザザザッ――――ネコチャンだぁー♪ ネコチャーン?」」
いけね、猫語だった。
あと、やっぱり五百乃大角が向こうに……ガムラン町にいやがる。
元から居たけど、こっちに来てた平たくて小さい方(向こうのも決して大きくはねえけど)が逃げた。
もーこれ、ややこしすぎるだろ。
開けろ迅雷――いや自分でやらねぇと、いけねえのか。
「温泉入浴八町分――だったか――みゃ?」
ぷぴぽぽーん♪
『>〝頭部防具:シシガニャン・へっど〟を装備から外しました。
ぷっしゅしゅしゅぅぅぅぅっ――――ごっぱぁ♪
目のまえが開け、怒鳴り声が聞こえてきた。
「可憐な少女が、魔物に食べられてるっにゃ!? いまたすけるみゃっ!!!」
それ、またやんのかよ。今の今まで、頭をなでたりしてただろ。
きゅきゅきゅ――ガシンッ♪
白い椅子馬が、目のまえに陣取り――〝ミャんとか〟が背中に抱えてた大筒を乗せた!
やべぇ撃つ気だ!
「いまぁーたぁーすぅけぇーまぁすぅーわぁー!!」
ご令嬢も――剣に手を伸ばすんじゃねー!
もうまえに何回も、やっただろーがよ!
§
「まったく、いまおれぁ動けねぇんだから、よけいな手間を掛けさせるんじゃねぇ……ないよねぇー」
すっかり戻っちまってたけど、知らない奴のまえで爺……おっさんみたいなしゃべり方をすると、悪目だちすんだよな。
城塞都市ですら、不馴れなニゲル語をつかっちまったときに、二度見られることがあったし。
ふぉん♪
『>央都なら、なおさらです』
わるかった。いまさらだけど、気を付ける……よわぜ。
錫杖の鉄輪に縛りつけた〝迅雷式隠れ蓑製〟の〝やたらと強い綱〟と、〝使用済み避雷針〟。
そんなので、暴漢二人をがんじがらめにした。
尻尾が抜けないギリギリで、綱を巻き付けるのに――――〝投げ縄〟、〝ロープワーク〟、〝捕縛術〟の三つのスキルを収得。
ふぉん♪
『>使用した、SPは13ポイントです』
もう必要なスキルわぁ、どんどん取ってかまわぁね……かまわないよ。
命あっての物種だ。
ふぉん♪
『>了解しました、では100P以上のSPを消費する場合にのみ、確認することにします』
長い箱の横、大きな牡丹をつよく押した。
「ルリーロかぁ? きこえてるかぁ? おれたちわぁ同郷だし、もうなんどか刀を交えた仲だろぉ。怒らねぇから話してみてくれっ」
聞こえてんのかわからんけど、ちゃんと話せたぞ。
牡丹をカチャリと、放した。
「ザザザザッ――――じゃあ、いうわぁねぇー。魔物のぉー姿をしたぁー〝手練れ〟が行くからぁー、最新のぉー〝身代わり札〟のぉーテ・ス・トをぉーしてぇーねって、〝ギ術開発部顧問にぃー、お願ぁいぃーしたのぉよぉぉぅ。ごぉめぇんーねぇー?」
手酢都? 央都の近くには、また別の町があんのか?
ふぉん♪
『>テストというのは、〝試し斬り〟です」
なんだと。
ちょっと穏やかじゃ、無くなってきたなぁ。
「じつわ、ぼくが――その開発部顧問だにゃ♪」
キュキキュィン♪
猫耳族の猫頭。そいつを乗せた〝白い馬椅子〟が、颯爽と立ち上が――
「――痛たい、痛たいにゃっ!」
〝迅雷式隠れ綱〟は簡単には切れないし、覚えたばかりの〝捕縛術〟でがんじがらめにしてある。
…………話のながれじゃコイツは、頭が良いはずじゃなかったのか?
そして隠れ綱は二人の間を渡してあるから、片方が引っ張られりゃ、もう片方も引っ張られる。
「ちょっと、引っぱらないでちょうだい! 痛ったいでぇしょぉぉがぁぁー!」
君たちうるさいよ、ちょっと静かにしててくれる?
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