171 / 744
2:カブキーフェスタへの道
171:龍脈の棟梁(シガミー)、シシガニャン立つ
しおりを挟む
「カカッ、久しいのう鬼の小娘よ」
話の邪魔をしてきた、〝火の玉とか岩とか吐く狼〟が――10匹くらい山積みになってる。
「ああ、久しぶりだな天狗殿――」
さっきも思ったけど、シガミーの話しかたを聞いて覚えたのか、「テェーング」呼びじゃなくなってる。
「――決闘してくれ!」
ガチャ――ドガチャリン♪
収納魔法具から取りだされ、狼山のそばに投げだされたのは、オルコトリアの革袋。
「子細わからんが、いいじゃろう。相手をしてやるわい……金は要らんがのう」
岩場に切りたつ崖。
ソコから生えた、ずいぶんと根性のある木の上。
真横に生えたのち、陽光を求め……上に曲がって伸びている。
木の上、それほど太くない枝の上に、天狗は胡座をかいて座った。
「ほ、本当かっ!? ……けど、この金には意味があるから、是非とも――もらっていただくっ!」
ガチャリッ――――まてまて、いきなり長剣を抜こうとするな。
しかも空いた手は腰に差した、青い小太刀(工房長から買ったヤツに、天狗が色を塗ってやった)に伸びている。
さっき……2時間前に見たときは、小太刀は持ってなかったし――えらく裾が短ぇ。
伯爵夫人とか、元の姿の五百乃大角がしてそうな格好だ。。
なんでまた、わざわざ着替えた?
あんなに足が出てちゃあ、岩場での戦いに不利だろうが。
「(おそらくは、背水の陣の一種かと)」
鬼娘は本気で、殺しに来てる。
距離にして、せいぜい15メートル。
その真剣な表情を、つぶさに観察できる。
おれのうしろ頭には迅雷が張りついてて、金剛力をいつでも使える状態だ。
光の速さの〝リカルルの剣〟よりは、確実におそい剣。
たとえ二刀流でも、喰らう道理は無い。
鬼娘の白い足に、青い血管が這いまわるのが見えた。
――――ごきりと、骨が鳴っ――――
「――あいや、またぁれぇぇぃいぃいぃいぃいぃぃぃぃっ――――!」
天狗のおれが本気で切ったら、いくら鬼の娘でも、まず、お陀仏だろう。
かといって、あの顔は手加減されたら、納得はしまい。
いまこそ前世でつちかった、説法を試みるときだ。
「話すことなどない……と言いたい所だが、あえて聞こう」
倍の太さだった両足と二の腕が、元にもどった。
ふう、ちゃんと話が通じるのはありがたい。
日の本の〝鬼〟どもは、聞いた話じゃ、一度、金剛力が入ったら最後。
碌に話が出来なかったらしいからな。
「わしもいまだ、修験の身じゃ……金を取って、刀を振るうのには抵抗が有るわーい!」
「ふぅん、一理なくもないが――ゴーブリン石を換金するのは、剣を金に換えることとは違うのか?」
ちっ、余計なことを覚えていやがるな。
コイツは鬼だが、力任せの阿呆じゃねぇ。
我を忘れるのは……頭の上から攻撃されそうなときくらいか。
なら……いまの位置取りはまずいな。
「よっこらぁせっと――――カカッ、カカカカッ!」
笑いながら、高下駄で絶壁を駆け降りる。
〝ひっつき虫〟……異様に滑ったり止まったりできる、〝木目〟みてぇなのが下駄の歯に塗ってある。
壁の上に立ち止まることすら、余裕だ。
正に天狗か狐狸妖怪だろ、おれ。
ふぉん♪
『ヒント>量子記述的な積層構造は、惑星地球にも惑星ヒースにも自然に発生しています』
わからん。
「(天狗も妖狐も、シガミーもルリーロも――土地の理において正当です)」
わからん?
「(神々の作りしカラダを持つ者が、前世で開花した術や技を〝具現化〟できるからといって、その全てが不誠実……イカサマでは無いと言うことです)」
ふぉん♪
『ヒント>思考が身体を繰り返し動かし、やがて思考を停止したとき、動く身体は技になる』
それは言葉の意味じゃなくて、考え方の案内だった。
それは、おれが修行でつちかった、いつもやってる〝体現〟だ。
「んぅ? つまり、名実ともに……〝妖怪じみてきてる〟って言いてぇたいのか?」
よせやい、伯爵夫人さまと一緒にすんな。あっちは、筋金入りの本物だ。
カッカッカガガガッ――ガガン――ビキバキ!
かんがえ事をしてたら、勢いがあまった。
割れ、ゆれる地面。
ガキッ――ふたたび構える、鬼。
「この金をもらってやっても良いが、コイツが切れたらだ」
ヴッ――――ぎゅっぽぉぉん♪
面白い音。
取りだしたシシガニャンの、兜頭を開き――
下駄の先で、革袋を蹴り上げる。
ひとかかえ程度のチョットした大金は、強化服の中に落ち――
頭をバクンと閉めてやった。
「考えましたね、シガミー」
おうよ。こうしときゃ、たまってるギルド再建仕事のための時間が稼げるし、金が他の誰かに奪われる心配がねぇ。
直立不動の、猫耳頭の服をみるなり鬼娘が――ザギィィン!
あー、抜いちまった。
「ぎゃっ――ま、魔物っ!? ど、どこからあらわれたのよ!?」
やっぱり、シシガニャンは〝魔物〟に見えるらしいな。
「大丈夫じゃ。コイツは、わしが〝使役〟しとる」
面倒だから、口から出任せで、ごまかしとく。
「な、なんと、天狗殿には、〝魔物使い〟の才能までおありかっ……ぶつぶつ……ソレはますます――」
首をかしげながらも、ひとまず、剣を収める鬼。
「(おい、コイツ、動かせねぇーか?)」
〝魔物使い〟ってのは、よーするに〝猿回し〟とか〝鷹匠〟ってこったろ?
そう思われてるのに、〝何ひとつ動かせねぇ〟ってのは、あまりにも芸がなさ過ぎる。
「(無理です。SDKのない現状では、シガミーが〝着た場合〟しか動かせません)」
「(簡単に、出来そうだがなぁ。現にいま立ってるし)」
「(いいえ、これは内部の空気圧と大気圧が拮抗し、たまたま直立しているに過ぎません)」
ふぉん♪
『ヒント>空気圧および大気圧/息を吸うと体に取り込まれる物と、
>吹子や団扇により動かされる物のチカラ。
ヒント>未着用の〝極所作業用汎用強化服シシガニャン〟を支えているチカラのこと。
>空気と呼ばれる無色透明の気体。惑星上に沈殿した空気の持つ圧力。
ヒント>シシガニャンも人間も、内外の圧力により拮抗しているのは同じ』
あー、はいはい。神々のなんとかだな。
風(?)がこの話の本筋で、おれと猫耳頭が同じってのが――わからん。
わからん。
「(手に負えんから今はいいや……けど)」
指で突いただけで倒れそうな、猫耳頭をみる。
なんだか、見た目が弱すぎてぜんぜん強い服じゃなかった。
これじゃ、鬼娘の野郎が怒りだしそうな。
「(酢蛸がありゃ、もっとマシになるのか?)」
「(はい。神々の船のサブシステム、ジャイロマスターは〝アーティファクトおにぎり〟にインストール可能ですので、自力で起きあがる程度なら可能と思われます)」
「(よしよし。なら、五百乃大角が解いたおにぎりの鍵を、〝空気〟っていう何もない所に〝触れさせなければ〟使えるんだよな?)」
見た目に反して強い服なら、〝鍵を掛けちまう何か〟も防げるんじゃ?
「(ですが、最低でもシガミーの生体反応……心臓の鼓動と、私のパワーアシストを遠隔操作……操る必要があり、堂々巡りに――)」
「(いや、だからな? おれもオマエも猫耳頭……シシガニャンを操らなくて良いんじゃねぇのかって言ってんだよ)」
そんなに、難しい話じゃねーと思うんだが。
「(その話、くわしく?)」
神々の知恵を操る、アーティファクトさまが食いついた。
§
「(だから、動かすのは〝おにぎり任せ〟で蓋をしちまえば、止まらずに動くんじゃねぇのかっていってんだよ?)」
おい、いそげ。そろそろオルコトリアが、焦れてきたぞ?
内緒話中は、おれたち以外が遅くなるって言っても、限界はある。
「(なるほど、無線接続をカットし、有線接続を単方向化し、行動処理は〝おにぎり〟に構築したAIでスタンドアローン化すると…………理論的には可能になりますが――)」
まだなんか、あんのか?
「(テスト――試行に10分ほどの時間がかかります)」
よし、やってみろ。
「鬼の娘よ。悪いが、ちと場所をかえさせてもらうぞい」
ーーー
AI/人工知能。どれだけ大規模であっても、試行数を担保にする。
スタンドアローン/独立したシステム。ネット接続なしで作動すること。
話の邪魔をしてきた、〝火の玉とか岩とか吐く狼〟が――10匹くらい山積みになってる。
「ああ、久しぶりだな天狗殿――」
さっきも思ったけど、シガミーの話しかたを聞いて覚えたのか、「テェーング」呼びじゃなくなってる。
「――決闘してくれ!」
ガチャ――ドガチャリン♪
収納魔法具から取りだされ、狼山のそばに投げだされたのは、オルコトリアの革袋。
「子細わからんが、いいじゃろう。相手をしてやるわい……金は要らんがのう」
岩場に切りたつ崖。
ソコから生えた、ずいぶんと根性のある木の上。
真横に生えたのち、陽光を求め……上に曲がって伸びている。
木の上、それほど太くない枝の上に、天狗は胡座をかいて座った。
「ほ、本当かっ!? ……けど、この金には意味があるから、是非とも――もらっていただくっ!」
ガチャリッ――――まてまて、いきなり長剣を抜こうとするな。
しかも空いた手は腰に差した、青い小太刀(工房長から買ったヤツに、天狗が色を塗ってやった)に伸びている。
さっき……2時間前に見たときは、小太刀は持ってなかったし――えらく裾が短ぇ。
伯爵夫人とか、元の姿の五百乃大角がしてそうな格好だ。。
なんでまた、わざわざ着替えた?
あんなに足が出てちゃあ、岩場での戦いに不利だろうが。
「(おそらくは、背水の陣の一種かと)」
鬼娘は本気で、殺しに来てる。
距離にして、せいぜい15メートル。
その真剣な表情を、つぶさに観察できる。
おれのうしろ頭には迅雷が張りついてて、金剛力をいつでも使える状態だ。
光の速さの〝リカルルの剣〟よりは、確実におそい剣。
たとえ二刀流でも、喰らう道理は無い。
鬼娘の白い足に、青い血管が這いまわるのが見えた。
――――ごきりと、骨が鳴っ――――
「――あいや、またぁれぇぇぃいぃいぃいぃいぃぃぃぃっ――――!」
天狗のおれが本気で切ったら、いくら鬼の娘でも、まず、お陀仏だろう。
かといって、あの顔は手加減されたら、納得はしまい。
いまこそ前世でつちかった、説法を試みるときだ。
「話すことなどない……と言いたい所だが、あえて聞こう」
倍の太さだった両足と二の腕が、元にもどった。
ふう、ちゃんと話が通じるのはありがたい。
日の本の〝鬼〟どもは、聞いた話じゃ、一度、金剛力が入ったら最後。
碌に話が出来なかったらしいからな。
「わしもいまだ、修験の身じゃ……金を取って、刀を振るうのには抵抗が有るわーい!」
「ふぅん、一理なくもないが――ゴーブリン石を換金するのは、剣を金に換えることとは違うのか?」
ちっ、余計なことを覚えていやがるな。
コイツは鬼だが、力任せの阿呆じゃねぇ。
我を忘れるのは……頭の上から攻撃されそうなときくらいか。
なら……いまの位置取りはまずいな。
「よっこらぁせっと――――カカッ、カカカカッ!」
笑いながら、高下駄で絶壁を駆け降りる。
〝ひっつき虫〟……異様に滑ったり止まったりできる、〝木目〟みてぇなのが下駄の歯に塗ってある。
壁の上に立ち止まることすら、余裕だ。
正に天狗か狐狸妖怪だろ、おれ。
ふぉん♪
『ヒント>量子記述的な積層構造は、惑星地球にも惑星ヒースにも自然に発生しています』
わからん。
「(天狗も妖狐も、シガミーもルリーロも――土地の理において正当です)」
わからん?
「(神々の作りしカラダを持つ者が、前世で開花した術や技を〝具現化〟できるからといって、その全てが不誠実……イカサマでは無いと言うことです)」
ふぉん♪
『ヒント>思考が身体を繰り返し動かし、やがて思考を停止したとき、動く身体は技になる』
それは言葉の意味じゃなくて、考え方の案内だった。
それは、おれが修行でつちかった、いつもやってる〝体現〟だ。
「んぅ? つまり、名実ともに……〝妖怪じみてきてる〟って言いてぇたいのか?」
よせやい、伯爵夫人さまと一緒にすんな。あっちは、筋金入りの本物だ。
カッカッカガガガッ――ガガン――ビキバキ!
かんがえ事をしてたら、勢いがあまった。
割れ、ゆれる地面。
ガキッ――ふたたび構える、鬼。
「この金をもらってやっても良いが、コイツが切れたらだ」
ヴッ――――ぎゅっぽぉぉん♪
面白い音。
取りだしたシシガニャンの、兜頭を開き――
下駄の先で、革袋を蹴り上げる。
ひとかかえ程度のチョットした大金は、強化服の中に落ち――
頭をバクンと閉めてやった。
「考えましたね、シガミー」
おうよ。こうしときゃ、たまってるギルド再建仕事のための時間が稼げるし、金が他の誰かに奪われる心配がねぇ。
直立不動の、猫耳頭の服をみるなり鬼娘が――ザギィィン!
あー、抜いちまった。
「ぎゃっ――ま、魔物っ!? ど、どこからあらわれたのよ!?」
やっぱり、シシガニャンは〝魔物〟に見えるらしいな。
「大丈夫じゃ。コイツは、わしが〝使役〟しとる」
面倒だから、口から出任せで、ごまかしとく。
「な、なんと、天狗殿には、〝魔物使い〟の才能までおありかっ……ぶつぶつ……ソレはますます――」
首をかしげながらも、ひとまず、剣を収める鬼。
「(おい、コイツ、動かせねぇーか?)」
〝魔物使い〟ってのは、よーするに〝猿回し〟とか〝鷹匠〟ってこったろ?
そう思われてるのに、〝何ひとつ動かせねぇ〟ってのは、あまりにも芸がなさ過ぎる。
「(無理です。SDKのない現状では、シガミーが〝着た場合〟しか動かせません)」
「(簡単に、出来そうだがなぁ。現にいま立ってるし)」
「(いいえ、これは内部の空気圧と大気圧が拮抗し、たまたま直立しているに過ぎません)」
ふぉん♪
『ヒント>空気圧および大気圧/息を吸うと体に取り込まれる物と、
>吹子や団扇により動かされる物のチカラ。
ヒント>未着用の〝極所作業用汎用強化服シシガニャン〟を支えているチカラのこと。
>空気と呼ばれる無色透明の気体。惑星上に沈殿した空気の持つ圧力。
ヒント>シシガニャンも人間も、内外の圧力により拮抗しているのは同じ』
あー、はいはい。神々のなんとかだな。
風(?)がこの話の本筋で、おれと猫耳頭が同じってのが――わからん。
わからん。
「(手に負えんから今はいいや……けど)」
指で突いただけで倒れそうな、猫耳頭をみる。
なんだか、見た目が弱すぎてぜんぜん強い服じゃなかった。
これじゃ、鬼娘の野郎が怒りだしそうな。
「(酢蛸がありゃ、もっとマシになるのか?)」
「(はい。神々の船のサブシステム、ジャイロマスターは〝アーティファクトおにぎり〟にインストール可能ですので、自力で起きあがる程度なら可能と思われます)」
「(よしよし。なら、五百乃大角が解いたおにぎりの鍵を、〝空気〟っていう何もない所に〝触れさせなければ〟使えるんだよな?)」
見た目に反して強い服なら、〝鍵を掛けちまう何か〟も防げるんじゃ?
「(ですが、最低でもシガミーの生体反応……心臓の鼓動と、私のパワーアシストを遠隔操作……操る必要があり、堂々巡りに――)」
「(いや、だからな? おれもオマエも猫耳頭……シシガニャンを操らなくて良いんじゃねぇのかって言ってんだよ)」
そんなに、難しい話じゃねーと思うんだが。
「(その話、くわしく?)」
神々の知恵を操る、アーティファクトさまが食いついた。
§
「(だから、動かすのは〝おにぎり任せ〟で蓋をしちまえば、止まらずに動くんじゃねぇのかっていってんだよ?)」
おい、いそげ。そろそろオルコトリアが、焦れてきたぞ?
内緒話中は、おれたち以外が遅くなるって言っても、限界はある。
「(なるほど、無線接続をカットし、有線接続を単方向化し、行動処理は〝おにぎり〟に構築したAIでスタンドアローン化すると…………理論的には可能になりますが――)」
まだなんか、あんのか?
「(テスト――試行に10分ほどの時間がかかります)」
よし、やってみろ。
「鬼の娘よ。悪いが、ちと場所をかえさせてもらうぞい」
ーーー
AI/人工知能。どれだけ大規模であっても、試行数を担保にする。
スタンドアローン/独立したシステム。ネット接続なしで作動すること。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
『悪魔クロとやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は秘密の力で人間の頂点を狙う』
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました
月神世一
ファンタジー
「命を捨てて勝つな。生きて勝て」
50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する!
海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。
再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は――
「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」
途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。
子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。
規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。
「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」
坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。
呼び出すのは、自衛隊の補給物資。
高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。
魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。
これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。
もる
ファンタジー
剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる