滅せよ！ ジリ貧クエスト～悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番（金髪幼女）に!?～

２：カブキーフェスタへの道

１８２：龍脈の棟梁（シガミー）、隣町のアイツらとプラカード

　りりんごごぉぉん♪
　がららんごぉぉん♪

「にゃ？　なんかうるさいミャ？」
　猫耳ねこみみバンダナの耳みみを、ぺたりと押さえるニャミカ。
「ほんとだ、コォン！」
　同おなじく狐耳狐耳バンダナを押さえる、ルコル少年しょうねん。

「にゃみゃみゃ、にゃにゃにゃーご♪」
「え？　「二人ふたりとも、なにかやらかして、頭あたまを抱かかえた人ひとみたいだよ♪」ミャって？」
「失礼しつれいコン。今日きょうはまだ・・何なにも、やらかしてないコォン♪」
　やらかすつもりなのかな？

「（それにしても、ぼくが烏天狗カラテェーだってことを、みじんも疑うたがってないなー）」
　面倒めんどうがなくて、助たすかるけど。
「――はイ。いロいろ立て込んデるので、本日ほんじツノ所とこロはコのまま、話はなシヲすすメましょう――」

「みゃにゃーん、にゃごぉーみゃ♪」
「え？　「冒険者ぼうけんしゃギルド屋舎おくしゃの超女神像ちょうめがみぞうの間まで、結婚式けっこんしきが行おこなわれてるんだよ♪」ミャって？　なにそれ、とっても素敵すてきニャン♪」
　ペチリと少年ルコルをひっぱたく、夢ゆめみる表情ひょうじょうの少女ニャミカ。

「痛いやいコン。それで超女神像ちょうめがみぞうって、なんだコン？」
　そうか、ルコルたちは隣町となりまちから歩あるいて（たぶん魔法椅子つえで）きたから、超女神像ちょうめがみぞうの間まを通とおってないんだな。
　昨日きのうから、〝央都おうと⇔ガムラン町間ちょうかん〟の転移てんいが、一般開放かいきんされている。
　今いままでは片道・・だったため、お祭まつりがあるからと言って、こんな最果さいはてまで来る物好ものずきは居なかった。
　けど、超女神像ちょうめがみぞうの機能《ちから》で、自由じゆうにに行き来可能かのうになった。

「このお祭りはにゃみゃーご、その超女神像のみゃみゃにゃーお披露目もにゃんや兼ねてるんみゃにゃ――――」
「え？　「このお祭まつりは、その超女神像ちょうめがみぞうのお披露目ひろめもかねてるんだ――」ニャって？」
　おい、これニャミカを通とおさないと、まともに話はなしも出来できないぞ？

「――でハ、ふぉん♪『＞このティッカー表示ひょうじを、二人ふたりにも見えるようにしてはどうでしょう？』カ――」
　画面がめんの上うえか下したに、あらわれてはスグ消える一行の文字ティッカー。
「（耳栓みみせんを作つくって渡わたせば――）」

　ふぉん♪
『＞はい。いえ。彼らには眼の横に耳が付いていませんので、カナル型ヘッドセットを経由することが出来ません』

「（んぁあ～？　じゃぁーどーするんだい？）」

「――少々しょうしょウオ待ちくださイ。形状変化型けいじょうへんかがタ表示装置ひょうじそうちヲ開発かイはつ……文字もジを映シ出せル魔法具まほうグを作つクりましタ――」
　ふぉん♪
『＞運搬中
　＞１秒後に〝シシガニャン・へっど〟搬出口より、お届けします』

　ぽぽぉん♪
　あたまの後ろジンライから天辺うえを通とおって、画面がめんのむこうに『箱はこ』の絵があらわれた。
　なんかきたぞ。
　どうやって取り出すんだ？

「――大おおきく口くちを開けるか、開けるつもり・・・になってくださイ――」
「ぅんぐわぁにゃぁぁぁっ――――すっぽこん♪」
　うへぇ、画面がめんの外がわむこう。
　シシガニャン二号にごうの口くちから、なんか出た。

「っぎゃっ――気持きもちわるっいけど、なにその大口おおぐち。面白おもしろいミャっ♪」
「ココォォン!?　ひゃわぁぁ、もう一回いっかい、もう一回いっかいやってコォン♪」
　喫茶店きっさてんで、ガラクタみたいなアーティファクトの仲介ちゅうかいをしてるやつらだ。
　シシガニャンの大口くちを、面白おもしろがるのもわからないではない――

　二号ぼくはさっそく、取りだした平板いたを掲かかげて見せた。

　きゅふぉん♪
『＞シシガニャンを着てる間は、
　　猫語しかしゃべれないから、
　　この板に言いたいことを書くから、
　　それを見てくれる？　～カラテェー～』

　画面がめんにに表示ひょうじされたのと、そっくり同おなじ文字もじが文字板いたにも、映うつしだされてるはず。

「ココォォン!?　コレはなに？　見たことのないアーティファクトだコォォォォンッ♪」
「ほんとミャッ♪　とてつもなく、お金かねになりそうな、においがするミャ！」
　えらく食いついたな。
　ニャミカに、板いたをひったくられた。

「わ、わかったからにゃみゃぁみゃぁ！」
　きゅふぉん♪
『＞ルコルの喫茶店にも、
　　この板を作ってあげるから！』

　文字もじを読んだニャミカが、しぶしぶ板いたを返かえしてくれた。
　紐ひもをつけて首くびから、さげられるようにして――猪蟹屋ししがにやを振りかえる。

「ねえにゃ、お店はひとりでやんみゃーみゃや、大丈夫にゃーご？」
　串揚くしあげをどんどん作つくりながら、ぼくたちの成りゆきを見守みまもってた――ネコアタマ青年せいねんに確認かくにんする。

「にゃにゃみゃ、みゃやーごにゃ♪」
　猫語ねこごには当然とうぜん、猫語ねこごがかえってくる。
　なんて言ってるかわからないけど、「任まかせといてよ」って雰囲気ふんいきはわかる。
「――「きょうは、臨時りんじで三人さんにんはいってくれる予定よていだし、午後ごごからはレイダたちがきてくれるから大丈夫だいじょうぶだよ」だそうでス――」
　ネコアタマ青年せいねんとは、烏天狗カラテェー姿すがたで店みせを手伝てつだったときに、何度なんどか話はなしたこともある。

「にゃみゃん♪」
　ネコアタマ青年せいねんが、もう一度いちどかるく拳こぶしを突きあげた。
　ルコルたちと、お祭りフェスタを見て回まわっても平気へいきそうだ。

　きゅふぉぉん♪
『＞じゃぁルコルとニャミカに、
　　フェスタを案内するよ。
　　まずは、結婚式を見にいこう♪』

　ぼくたちは意気揚々いきようようと、町まちへ繰りだした。