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3:ダンジョンクローラーになろう
259:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、迷宮(攻略済み)へ
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ヴッ――――くるくるるっ、ぱしん♪
ジギャリリィン♪
鉄輪の重い音。
「ぬぅ――埒があかねぇ!」
ふぉん♪
『イオノ>この世界にひとつしかないユニークスキルっていうなら、
シガミーや、あたくしさまがいくらSPをつぎ込んだ所で、
使えるようにはならないわ。攻略本に書いてあるもの』
書いてあるのか。それじゃ姫さんのぶった切りは、本当に使えなくなっちまったらしい。
「残念だがぁ、姫さんの目を当てに出来ねぇのはわかったぜ!」
ぐるぐる――ぶぉ――ん?
さすがに子供の細腕には、重ぇか?
ぱしん、ぐるっ――――ぎゅららららぁっ!
両手を使わねぇと、振り回せん。
「そもそもこんな〝落ち葉ひとつ燃やせない〟、一切攻撃の役に立たない高等魔術って何なんですのっ!?」
その仄暗い炎は、直接命をやり取りする類いの物で――
ガムランじゃあ、なじみがねぇだろうからなぁ。
〝呪い〟が恐れられてるところをみると、なんかの使い道はあるんだろうが。
「奥方さまに使いかたくれぇ、教わらなかったのか?」
「ふぅ、あの牝狐が、すんなりと教えてくれると――お思い?」
そりゃ――――――――思わねぇ。
なんか殿さんの家の事情に、首を突っ込む話になってきたぞ。
なんか話題を変えるっていうかそもそも、踏み込んだ話なんかしてるときか。
「えーあー、そうだぜ。こいつらがぁ、火を使わねぇのは、なんでなんだぜ? 聞いてたのと大分ちがう」
針を吐く狼といい、このズングリ野郎といい。
火山までの道中で聞いてたとおりなら、冷てぇ魔法が得意なリオレイニアが大活躍してたはずだ。
「――――、――! ――――――!」
誰かの声、よく聞こえねぇがリオレイニアの声か。
身を固めてる連中と話だけでも出来りゃ、短い魔物のことももっとくわしく聞けそうだが。
おい、また全員の声を聞こえるようにしとけ。
コレだけの人数に耳栓をあてがうのは初めてだから、いたしかたねぇだろうが。
「ちぃぇぇいぃっ――――!」
ゴッ――――ゴォズゥゥゥゥン!
太い錫杖で、叩いてみた!
ギャギギッ、ゴバキャッ――――!
鉄柱みてぇな錫杖で打ち下ろしたら、魔物の蹄が通路に突き刺さった!
「ギュギュギュギュギュギャギャギャギャギャギャギャァ――――!」
通路にめり込んだ蹄を引っこ抜くのに――難儀してやがる。
「(凡几冗儿、勺勹句刁、:/∈亡⊆/)))――――)(○)」
また念話が乱れた。もともとなんて言ってるかわからねぇが、ことさらひどくとち狂ってるのだけがわかる。
「この殺気を放っていたのは――――ミノタウロースでしたのねっ!? ほんっとうにイライラらしますぅわぁー!!」
やっと気づいたか。耳元でわめくな。
「姫さん、コイツを渡しとく!」
ヴッ――ぱしん♪
取り出したのは――黒板。
いろんな画面を張りつけられる、便利な板だ。
迅雷が――ヴユォォン♪
ほぼ完成した迷路の地図を表示した。
いまいましげに、黒板をうけとる伯爵ご令嬢。
くるりと尻を向けて通路入り口へ――――ひかりのたま!
「(やっぱり、勘がいーぜ)」
「――我々ハ、迷路内部へ突入しマす――」
「他のみんなは、いったん地上へ向かってくれ!」
「――ガミー――」「――おきをつけ――!」
「にゃみゃぁ――!」「――かりまし――!」
全員の声が混ざっちまって、うまく聞こえねぇけど。
みんなが、地上へつながる通路へ走りだした、
§
「三の構え、大刀から四方暗器まで。」
ヒュヒュヒュヒュッヒュヒュヒヒヒュフォオン!
錫杖がこんだけ重いと、末端速度が簡単にのってくれる。
そして小せえ体は、かってに重心を大きく旋回させ――――狭い通路にぶち当たる!
痛ってえな――――!
魔物は、おれたちの思惑通りに、最初の標的をいつまでも追っかけてきた。
――――ゴゴン!
壁にぶち当たりつつも――大角の一点に目印を打った。
フォヴォォォォォォォォォォォォォォォォン!
重心がえがく円のうごきを、まっすぐなはずの錫杖に伝えていく。
ゴガガガガッガガガッ――――ブォォォォンッ!
手数で押して――止まった所をぶったた――――ギキュギッ!?
いけねぇ、こう暗いと手元があやしい。
壁を削っちまった!
「ギュギギギギッ――――!」
「ひかりのたま――――!」
灯りを灯す。
対峙するおれと魔物。
コッチも狭いが、向こうも狭い。
「よし、背中に回られねぇぞ! 最初からこうすりゃ良かったか?」
こんどは、おれの突きを魔物が角で、打ちかえすことになった。
「ねぇ、ちょっとシガミー、まさかとは思いますけれど、この私を足手まといだなんて思ってやしませんでしょうね?」
狭い通路を戻ってきた、そんな声。
ギュギィィィィィィィィンッ――――大角にふたたび突き刺さる豪奢な剣。
おれの目線、きらめく細剣。
あぶねぇな、おれ越しに突くんじゃねぇやい。
さらに間合いを詰める――ガムラン最強の剣。
ゴドッガァァァァァァァァァァァアァンッ――――!!!
いくさ場じゃなくても会いたくない類いの剣筋が、大角を砕いた!
「よぉし、まず一本! 今度は曲がらなかったみてぇだなっ!」
ふぉふぉん♪
『まがい物の聖剣【匠スペシャル】
攻撃力287。聖剣の柄を再利用した業物。
伝説の職人によるリペアにより、不壊が付与されている。
剣速に補正が付くが、攻撃力は高級品並み
追加効果/AGI+78』
「あー?」
いかん、伝説の職人スキルを持ってるのは、烏天狗だ。
ふぉん♪
『>やってしまいましたね』
ジギャリリィン♪
鉄輪の重い音。
「ぬぅ――埒があかねぇ!」
ふぉん♪
『イオノ>この世界にひとつしかないユニークスキルっていうなら、
シガミーや、あたくしさまがいくらSPをつぎ込んだ所で、
使えるようにはならないわ。攻略本に書いてあるもの』
書いてあるのか。それじゃ姫さんのぶった切りは、本当に使えなくなっちまったらしい。
「残念だがぁ、姫さんの目を当てに出来ねぇのはわかったぜ!」
ぐるぐる――ぶぉ――ん?
さすがに子供の細腕には、重ぇか?
ぱしん、ぐるっ――――ぎゅららららぁっ!
両手を使わねぇと、振り回せん。
「そもそもこんな〝落ち葉ひとつ燃やせない〟、一切攻撃の役に立たない高等魔術って何なんですのっ!?」
その仄暗い炎は、直接命をやり取りする類いの物で――
ガムランじゃあ、なじみがねぇだろうからなぁ。
〝呪い〟が恐れられてるところをみると、なんかの使い道はあるんだろうが。
「奥方さまに使いかたくれぇ、教わらなかったのか?」
「ふぅ、あの牝狐が、すんなりと教えてくれると――お思い?」
そりゃ――――――――思わねぇ。
なんか殿さんの家の事情に、首を突っ込む話になってきたぞ。
なんか話題を変えるっていうかそもそも、踏み込んだ話なんかしてるときか。
「えーあー、そうだぜ。こいつらがぁ、火を使わねぇのは、なんでなんだぜ? 聞いてたのと大分ちがう」
針を吐く狼といい、このズングリ野郎といい。
火山までの道中で聞いてたとおりなら、冷てぇ魔法が得意なリオレイニアが大活躍してたはずだ。
「――――、――! ――――――!」
誰かの声、よく聞こえねぇがリオレイニアの声か。
身を固めてる連中と話だけでも出来りゃ、短い魔物のことももっとくわしく聞けそうだが。
おい、また全員の声を聞こえるようにしとけ。
コレだけの人数に耳栓をあてがうのは初めてだから、いたしかたねぇだろうが。
「ちぃぇぇいぃっ――――!」
ゴッ――――ゴォズゥゥゥゥン!
太い錫杖で、叩いてみた!
ギャギギッ、ゴバキャッ――――!
鉄柱みてぇな錫杖で打ち下ろしたら、魔物の蹄が通路に突き刺さった!
「ギュギュギュギュギュギャギャギャギャギャギャギャァ――――!」
通路にめり込んだ蹄を引っこ抜くのに――難儀してやがる。
「(凡几冗儿、勺勹句刁、:/∈亡⊆/)))――――)(○)」
また念話が乱れた。もともとなんて言ってるかわからねぇが、ことさらひどくとち狂ってるのだけがわかる。
「この殺気を放っていたのは――――ミノタウロースでしたのねっ!? ほんっとうにイライラらしますぅわぁー!!」
やっと気づいたか。耳元でわめくな。
「姫さん、コイツを渡しとく!」
ヴッ――ぱしん♪
取り出したのは――黒板。
いろんな画面を張りつけられる、便利な板だ。
迅雷が――ヴユォォン♪
ほぼ完成した迷路の地図を表示した。
いまいましげに、黒板をうけとる伯爵ご令嬢。
くるりと尻を向けて通路入り口へ――――ひかりのたま!
「(やっぱり、勘がいーぜ)」
「――我々ハ、迷路内部へ突入しマす――」
「他のみんなは、いったん地上へ向かってくれ!」
「――ガミー――」「――おきをつけ――!」
「にゃみゃぁ――!」「――かりまし――!」
全員の声が混ざっちまって、うまく聞こえねぇけど。
みんなが、地上へつながる通路へ走りだした、
§
「三の構え、大刀から四方暗器まで。」
ヒュヒュヒュヒュッヒュヒュヒヒヒュフォオン!
錫杖がこんだけ重いと、末端速度が簡単にのってくれる。
そして小せえ体は、かってに重心を大きく旋回させ――――狭い通路にぶち当たる!
痛ってえな――――!
魔物は、おれたちの思惑通りに、最初の標的をいつまでも追っかけてきた。
――――ゴゴン!
壁にぶち当たりつつも――大角の一点に目印を打った。
フォヴォォォォォォォォォォォォォォォォン!
重心がえがく円のうごきを、まっすぐなはずの錫杖に伝えていく。
ゴガガガガッガガガッ――――ブォォォォンッ!
手数で押して――止まった所をぶったた――――ギキュギッ!?
いけねぇ、こう暗いと手元があやしい。
壁を削っちまった!
「ギュギギギギッ――――!」
「ひかりのたま――――!」
灯りを灯す。
対峙するおれと魔物。
コッチも狭いが、向こうも狭い。
「よし、背中に回られねぇぞ! 最初からこうすりゃ良かったか?」
こんどは、おれの突きを魔物が角で、打ちかえすことになった。
「ねぇ、ちょっとシガミー、まさかとは思いますけれど、この私を足手まといだなんて思ってやしませんでしょうね?」
狭い通路を戻ってきた、そんな声。
ギュギィィィィィィィィンッ――――大角にふたたび突き刺さる豪奢な剣。
おれの目線、きらめく細剣。
あぶねぇな、おれ越しに突くんじゃねぇやい。
さらに間合いを詰める――ガムラン最強の剣。
ゴドッガァァァァァァァァァァァアァンッ――――!!!
いくさ場じゃなくても会いたくない類いの剣筋が、大角を砕いた!
「よぉし、まず一本! 今度は曲がらなかったみてぇだなっ!」
ふぉふぉん♪
『まがい物の聖剣【匠スペシャル】
攻撃力287。聖剣の柄を再利用した業物。
伝説の職人によるリペアにより、不壊が付与されている。
剣速に補正が付くが、攻撃力は高級品並み
追加効果/AGI+78』
「あー?」
いかん、伝説の職人スキルを持ってるのは、烏天狗だ。
ふぉん♪
『>やってしまいましたね』
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