滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

481:ネネルド村奇譚、村の繁栄とムシュル貝

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「ふんぬぅぅうぅぅぅぉおおおおおおおりぃぃぃぃぃいゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
 工房長ノヴァド黒騎士エクレアが、ネネルド村復興むらふっこう……繁栄はんえいに、尽力じんりょくしている。

 おれと迅雷ジンライとおにぎりで、一気いっきけずることも出来できるが――
 ふぉん♪
『>巨木の伐採は慎重に行ってください。
  ただでさえ未知の植物であることに加え、
  巨大質量の倒壊や落材の危険があります』
 そうだな、いくらかたくてもだしな。
 男衆あいつらけずらせて、様子ようすを見るぞ。

 ふぉん♪
『>それと樹心に近い部分へ埋もれた際に、轟雷や私の神力が奪われた可能性があります』
 そうだな。木に突き刺さったとき、一気いっきに神力ちからうばわれた。

 いまは平気へいきか?
 いちおう迅雷ジンライには、神力棒しんりょくぼうつないだままにしてある。
 ふぉん♪
『>はい。巨木の外縁部、いま居る〝木の生きた部分〟に触れる分には神力を奪われることはないようです』

 ふぉん♪
『ヒント>樹心/形成層である外樹皮を支える、木の幹や枝の芯の部分。活発な生命活動は行われない』
 んぅ? そりゃ初耳はつみみだが、そういうもんか。

 ふぉん♪
『>はい。水分や養分を吸い上げるには、管状の通り道が有れば良いので、必ずしも生きた細胞を必要としません』
 むぅ、わからん。
 けど、おやまに生えてた大樹たいじゅには、ひとはいれるほどのうろがあった。
 しかもてんまでぼっかりと大穴おおあなが空いてたのに、春先はるさきにははなを咲かせてなぁ。

 〝外側そとがわだけ〟生きてりゃ、木はそだつってのは……わからんでもねぇ。
 そうなると、この巨木きょぼくの死んだ部分ぶぶんさわると、神力を奪われる・・・・・・・ってことか。
「うむむ、人間生にんげんいきてりゃまなぶことが、いくらでもあらぁな」
 じゃぁおまえは、あまり内側・・へ行くなよ。
 ふぉん♪
『>了解しました』


 ちなみに村人むらびとに聞いてみたところ、〝業火ごうかを吐くたまご〟も〝投げたやつ〟も見なかったらしい。

 夜中よなか巨木きょぼくが生えたからあかるくなるのを待ち、こうして巨木きょぼく上陸じょうりく
 みきを掘って開拓開始かいたくかいしし、ようやく足場あしば確保かくほしたころ巨木きょぼくなにかがぶち当たったと。
 なにかってのは、もちろん轟雷おれのことだ。

 「まずわぁ、ムシュルがいでしょぉ?」と言う御神体メガミ一声ひとこえで、おれたちはめし支度したく……むら整備せいびはじめたわけだが――
 そろそろ日も大分だいぶかたむいてきた。

「シガミーも本気ほんきだして良いですからねぇ? 5ふん村人全員むらびとぜんいんのおうちとぉ、みんなで食卓しょくたくかこめるぅ、巨大きょだい集会所しゅうかいじょつくってくださいなぁー
 気取きどるな根菜こんさい……いやさかなたまごさまめ!

無理難題むりなんだいを当たりまえのように、めいじるんじゃねぇよ。けど……温泉街おんせんがいつくったときの造形ぞうけいデータが、のこしてあった気がするぞ――」
 おれは絵で板エディタから、記録ブクマを呼び出して――
 ノヴァドとエクレアが開拓かいたくした、巨木きょぼくへりへあてがう。

 ヴュパァ――――ギュィィィィィイィィィィン、ガタガタゴドン♪
 数階建すうかいだての住居いえつくり、それを記録きろくして――
 かさねるように配置はいち配置はいち配置はいち
 このへんは、〝央都おうとの立ちならんだ宿泊施設しゅくはくしせつ〟も参考さんこうにした。
 出来できいえのあいだを、行き来できるように階段かいだんつくって――
 あぶなくねぇように、ジンライ鋼製こうせいの手すりも組み付けた。

 轟雷ごうらい使つかったときのすげ頓知とんち名残なごりが、いくらかのこってたらしく――
 かんがえるそばから、仕事しごとが終わっていくぜ。
 おれに神力しんりょく必要ひつようないし、〝木工彫刻もっこうちょうこく〟スキルだけで済む。
 こまかなところ小太刀こだちさわるだけで、仕上しあがった。

「いよぉし、こんなもんだろぉ――――♪」
 最後さいごつくり付けの巨大きょだいテーブル付きの、巨大きょだい集会所しゅうかいじょけずり出
して終了しゅうりょう
 ひろさは、レイド村集会所むらしゅうかいじょくらいか。
 ただし大講堂だいこうどうみたいな、すり鉢状ばちじょう

 いまは女神メガミ神託しんたくによって、行動こうどうしている。
 大義名分たいぎめいぶんかさに着て、やり過ぎた気もするが――
 とがめられるいわれはねぇや。

「な、なんと言うことでしょう! 一瞬いっしゅんむら出来できてしもうたわい!」
 感涙かんるいにむせび泣く村長そんちょう。名はわすれた。
 ふぉん♪
『人物DB/プランター
      ネネルド村村長』
 あー、そんなか。
 タターとおなじで、家名かめいは無いんだな。

「たったいま水揚みずあげげされたばかりの――」
 ドガシャッ!
「このムシュルがいくらいしか――」
 ゴドガシャッ!
「おかえしするものが無いよ!?」
 ゴドガシャラッ!
 山積やまづみにされる、濡れたあみ
 中身なかみはもちろん、ムシュルがいだ。

「いやいや、それが一番いちばんありがてぇ♪」
 いよいよ取って置きの、紫色の大根野郎マンドラゴーラを――
 すり下ろす・・・・・ときが、来たぜ!

「やい、おにぎり……ありゃ? 女神メガミさまの御使いさま・・・・・野郎やろうは、どこ行きやがった!?」
 居ねぇ。アイツのなか取って置きマンドラゴーラを、仕舞しまってあるってのに。
 気づけば、レイダとビビビーも居ねぇ。

「おにぎりなら、レイダたちに連れられて、タターのご家族かぞくのところに行くといって、木のみきのぼっていきましたよ?」
 白眼鏡リオが見あげるさき
 木肌きはだけずってつくった梯子はしごが、ずっとうえまで伸びていた。
 その両側りょうがわにはちいさいが、いえみたいなのが点在てんざいしている。
 水面近すいめんちかくだけじゃなくてうえにも、鉄砲虫てっぽうむしじゃなかった……村人むらびとがいるらしい。

 〝木工関連もっこうかんれんスキル〟持ちが居るんだろうが、それにしてもだぜ。
 夜中よなかに生えた巨木きょぼくから、木っ葉のような物置小屋ものおきごやまもり――
 あまつさえ、それを寄せあつ足場・・にし――
 果敢かかんにも巨木きょぼく開拓かいたくし、むら拡大かくだいしていく。

 切れもののリオレイニアの仕込み・・・に耐えるだけの、可能性かのうせいを秘めた少女しょうじょ
 ネネルドむらからはたしかに、彼女タター血統ちすじかんじた。
「ここまで出来る・・・なら、もっと住みやすいところに住みゃぁ、大成たいせいするだろうによぉ」
 ひとにはひとむらにはむらの、本懐ほんかいがあるんだろうが。

   §

「さて、したごしらえをやっちまうか――あれ、もうねぇ?」
 おにぎりたちがもどるまえに、ムシュルがい殻剥からむきでもするかと包丁ほうちょうを取りだしたが――

「「「シガミーちゃんわぁ、そのとし女神めがみさまの料理番りょうりばんなんだってねぇー♪」」」
 むら女連中おんなれんちゅうがいつのまにか、そばに立ってると気づいたときには、もうおそかった。
 かぞえ切れないほど沢山たくさんならべて置いた大皿おおざら
 そのすべてに剥き身のムシュルがいが、こんもりと山積やまづみにされていた。

 これ名産めいさんってんなら、殻剝からむきがはえぇのもうなづける。
 じゃぁ、マンドラゴーラ以外いがい野菜やさいを切っとくか――
 ヴッ――どさどさごろろろろっ♪

「「「「「「まだそんなにちいさい手をしてるのに、えらいねぇー♪」」」」」」
 ちっ、また一瞬いっしゅんしたごしらえされちまったぜ。
 人数にんずうもなんか、増えてるしよ。

 ふぉん♪
『>シガミー。我々に出来る仕事を探しましょう。央都への連絡のために女神像の設置状況を確認してはいかがでしょうか』
 そうだな。ソッチをやるか。
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