滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
496 / 744
4:龍撃の学院

496:ネネルド村奇譚、奇祭タコゥパ開催のはこび

しおりを挟む
折角せっかくのかき入れどき……もとい、たこ焼きパーティーなので、助け船を・・・・出して上げますね、うふふふ
 計算魔法具けいさんまほうぐを手にジリジリと、にじり寄られた。

   §

「こむぎこぅ……込む義故ぎこぅとは、なんぞやぁ?」
 わからん。

 どっさどさどさ、どっさどさ♪
 厨房いたばすみに詰まれていく、布袋ぬのぶくろ
 こめみてぇなもんってのわぁ、そとからでもわかるがぁ。

「みゃにゃぎゃにゃぁー
 黄緑色きみどりいろ猫の魔物シシガニャン
 その背中せなかはこおなじく黄緑色きみどりいろで、夏毛なつげおおわれている。
 そこへ手を乗せ、おれよりもほんのすこたかはなを――
 ぴくぴくと、ひくつかせるかやひめ

 どっさどさどさ、どっさどさ♪
 茅の姫こいつ収納魔法しゅうのうまほうを、普段ふだんから使つかってるが――
 迅雷ジンライみたいに大容量だいようりょうで、便利べんりやつは持っていない。

「にゃぎゃぅー
 なのでそのへんをうろつく、強化服一号おにぎりつかまえてきては――
 こうして便利べんり使つかってる。

 どっさどさどさ、どっさどさ♪
 どっさどさどさ、どっさどさ♪

「おい、そのへんにしとけ。くずれたら死ぬ、おれが」
 おもさも嵩張かさば具合ぐあいも、おれ二人分2シガミーくらい。
 それが何十袋なんじゅっぷくろも、積み上がった。

 ふぉん♪
『ヒント>小麦粉/小麦を粉に挽いた物。特に段階的に粉砕することで、表皮を厳密に取り除いたもの。饂飩粉』

「なんだぜ、饂飩粉うどんこか。これで五百乃大角いおのはらがやりたがってた、奇祭まつり出来できるんだな?」
 うどん……たこのうどんか?
 うまそうではあるな。

「はい。本日使ほんじつつかぶんとして、これだけおろさせていただきますわ、くーすくす
 小商こあきないのときのこのかおも、いたについて来やがったなー。
 ふぉん♪
『シガミー>わかった。迅雷に書き付けといてくれ』

 神域惑星しんいきで採れたものは、基本的きほんてき猪蟹屋ししがにやものだ。
 それでもそれをあつめたり、食えるようにしたりするのは――
 中々なかなかほねが折れる。
 この饂飩粉うどんこにかけた手間てま時間じかんは、たぶんおれがおもってるより価値かちたかい。
 そういうわけで、その価値しごと迅雷ジンライつたえて残しておくこと・・・・・・・になっている。
 おれがみてもわからねぇが、女神像めがみぞうなかにある小日記かきつけは我が猪蟹屋ししがにやの〝すべて〟だってはなしだ。

「それでは、このわたくしあつめた小麦こむぎ……饂飩粉うどんこもとになる実を、こなになるまで挽いて・・・いただけますか? うふふ
 おれにさせるってことは、それがこまかくて丁寧ていねいで――
 とんでもなく、面倒めんどう仕事しごとって証拠ことだ。
 それでも、おれのスキルにかかれば、一瞬いっしゅん出来できちまうんだけどな。

「では、この饂飩粉うどんこもとを――」
 ひと袋抱ふくろかかえて――ぐるるんっ――どっさりっ♪
小麦粉こむぎことやらに替えた・・・ものが、こちらで御座ございますわぜ?」
 厨房いたばに置かれた銀色てつの……まるでかがみみてぇな作業台さぎょうだい
 そのうえに置いた小麦粉一袋こむぎこひとふくろを、ぽふんとたたく。

 ぼっふぁぁっ――――!!
 あー、迅雷ジンライ式隠しきかくみのきめ・・を、もっとこまかくしねぇとこなが吹き出すぞ?
 和紙わしみたいな、一番いちばんきめこまかな布袋ふくろにまるごと――ぼすんと入れる。
 そして目のあら布袋ふくろを――すぽんと、収納魔法しゅうのうまほう仕舞しまった。

「はいこれで、たこ焼きパーティー・・・・・・・・・準備じゅんび出来できましたわ、くすくすくす
 いま「」って言ったか?

「ってこたぁほかにもなにか、準備じゅんびが要るのかぁ?」
 たこしたごしらえも済んだし、霊刺秘レシピ食材しょくざいあつまっただろーが?

 ふぉふぉん♪
『>奇祭タコパに関するインフォメーションが、更新されました」
 五百乃大角いおのはらの持つ文献ライブラリあさっていた迅雷ジンライが、ヴォヴォヴォォゥンと寄ってきた。
 解析指南かいせきしなん調子ちょうしかんばしくないから、もう一度いちど奇祭タコゥパ概要あらましあらい出してもらっていたのだ。

 ふぉん♪
『>カヤノヒメによる妙齢の女性、その心の機微を算出、解析しました』
 おう、大体だいたいで良いぞ。
 さすがに何時間なんじかんも待たせるわけには、いかねぇからなぁ。

 きゃはははっははっ――♪
 ふふうふ、ニャァ♪
 がやがや、ざわざわ♪
 手伝てつだいを買って出てくれた、いつもの連中れんちゅう料理自慢りょうりじまん村人むらびと学者方がくしゃかたたちが――
 集会所となりで待ちかまえているのだ。

言語げンごかンスるスキルヲ数種収得すうしゅシゅうとくシ、カつノヴァドに特殊とクしゅキり刷毛はケ製作せいサく追加依頼ついかイらいスる必要ひつヨうがありマ
 なんだぜ。ちょうめんどくせーじゃんか!

「はイ。煩雑はんザつ複雑ふクざつ経緯けイい存在そんザいすル以上イじょう、それを紐解ひモとくタめには――煩雑はんざツ複雑フくざつ手順てじゅンガ、必要ヒつようになりマ
「わかった。それ全部ぜんぶやってやろうじゃんかぁ!」
「ププークス

   §

「やい、五百乃大角いおのはら! むかえに来たぞ!」
 落ちたら強化服シシガニャンでも、死にはぐるほどのたかさだが。
 鉄下駄てつげたで木のみきを、駆け上がったら――
 1ぷんもかからず到着とうちゃくした。

「もぐもぐもぐもぎゅぎゅりっ――ヒハヒーッ!?
 馬鹿野郎ばかやろう折角せっっかく、おまえさまのやりたがってた奇祭タコゥパを、開催かいさいしてやるってのに――

「ガムラン饅頭まんじゅうはらを、ふくらませてるんじゃねぇーよ!」
 おれはガシガシとあたまを掻く。

「わ――わるかったぜ。おまえさまが、日のもと言葉ことば書くことが苦手・・・・・・・だなんて、おもいもよらなくてよぉ!」
 おれは轟雷おれがあけた、大穴おおあなかべに――

『Состоится вечеринка”Такояки”.』
 たこ焼きパーティー、開催かいさいのお知らせ――がりがりがり、ごりごりごり♪
 そう小太刀こだちきざみつけた。
『Дата и время проведения/』
 開催日時かいさいにちじ/――がりがりごがり♪
『с сегодняшнего дня!』
 本日ほんじつこれから!――がががりごごり♪

「おまえさんの奇祭タコゥパに掛ける心意気こころいきを、無下むげにしちまってわるかったぜっ!」
 あたまを下げるも――五百乃大角いおのはらもっぎゅ♪は止まらない。

『Иди сюда, Ионо.』
 来てね、イオノちゃん♡――がががりーごごーり♪

坊主ぼうず……もぎゅもぎゅ、ひょうひほひはひほふ
 おまえいい加減かげんにせぇよ?
 おれは饅頭まんじゅう紙箱はこを、取りかえした。

何言なにいってるかわからん。とにかく行くぞ! ノヴァド特製とくせい
鋤鍋すきなべ使つかかたが、だれにもわからなくて・・・・・・難儀なんぎしてんだっ!」
 ふところ根菜イオノちゃんをしまい、おれは大穴おおあなから飛びおりた。

「も、もぉーしょぉがないなぁ♪ タコヤキイオノちゃんのぉー、出番でばんねぇー
 ふぅ、どうにか機嫌きげんなおしてくれたぜ。

   §

ちがう! これぇ、あたくしさまが知ってるタコヤキを焼く鉄板・・・・・・・・・とぉ、ちがぁーうぅ
 驚愕きょうがく根菜こんさいさま。

「バカ言っちゃいけねぇぜっ! こちとら注文通りに・・・・・、キッチリと仕上しあげたぞ! 美ぃのぉ女神めぇがぁみぃさぁーまぁー(わらい)よぉう!?」
 やべぇ、酔った工房長ノヴァド金槌かなづちを取りだした!

「そうだぜ!? 蛸の形の凹み・・・・・・ならんでて、ちゃんと一度いちど沢山焼たくさんやけるだろうよ――蛸が・・!」
 なん問題もんだいがあるんだぜ!?

「タ、タコヤキをひっくりかえ鉄串てつぐしと、あぶらをひく丸刷毛まるはけまで用意よういしてあるのに――な・ん・でぇ――タコヤキ鉄板てっぱんかたちがぁ、蛸なの・・・!?
 ふぉん♪
『イオノ>バカなのっ? 死ぬの?』

「うるせぇ! 〝たこ焼き・・・・〟を焼く鉄板かたたこかたちをしてて、なにわるぃってんだっぜ!」
 ふぉん♪
『シガミー>蛸とか葱とか、投げるんじゃねぇ!』

 惡神わるがみめっ!
 おれが手ずから、退治たいじしてやらぁっ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

『悪魔クロとやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は秘密の力で人間の頂点を狙う』

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました

月神世一
ファンタジー
​「命を捨てて勝つな。生きて勝て」 50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する! ​海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。 再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は―― 「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」 ​途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。 子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。 規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。 ​「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」 ​坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。 呼び出すのは、自衛隊の補給物資。 高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。 ​魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。 これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

もる
ファンタジー
 剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...