滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

508:ギ術開発部研究所、魔導騎士団集結

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 かおに巻かれた、迅雷ジンライ式隠しきかく蓑製みのせい頭巾ずきん
 まるでくびからうえを、大怪我おおけがしたようにも見える。
 そんな連中れんちゅうでひしめき合う大講堂だいこうどうは、かなり面妖めんようだった。

 わいわわわいわわ、がやがやややがやや。
 騒々そうぞうしさも、ややくぐもって聞こえる。

「では我々われわれは、ネネルドむらひとたちへの綿密めんみつな聞き込みをしつつ、もう一度いちど大陸間弾道たいりくかんだんどう果実かじつ発射地点はっしゃちてんを割り出そうとおもいますっ!」
 たまたまちかくに居た学者がくしゃが、ネネルド村村長むらそんちょうつかまえて――
 そんなことを言った。
 こえを張ればこうして、普通ふつうこえとおるんだが――ちぃとうるせぇ!

 その学者がくしゃは、しゃらあしゃらしたふくを着ていた。
 あたま両端りょうはし小さな切り株みたいな・・・・・・・・・・もの(たぶん巻きづの)も、張り出ている。
 頭巾越ずきんごしでも、それがだれかわかった。
 モゼル……頭突き女・・・・だ。

 自然しぜんとおれたちは、距離きょりを取る。
 頭突きとくいわざを食らわされては、大変たいへんだからな。

 白頭巾しろずきん簡易的かんいてきながらも神々かみがみ叡知えいちが折り込まれた、立派りっぱ猪蟹屋装備ししがにやそうびだ。
 猪蟹屋おれたち使つかう、目のまえの画面HUDこそ見られないが――防御力DEFすぐれている。
 〝厚布あつぬのかおに巻いても、布の向こう・・・・・が見える〟ことにおどろいた学者方がくしゃかた何人なんにんかが、「研究用けんきゅうよう保存用ほぞんよう布教用ふきょうように」と何枚なんまいも買い込んでいて――
「あらあああら、まあまあああ
 こえをくぐもらせつつ大喜おおよろこびびの、星神茅野姫ほしがみかやのひめ

 到底とうてい串揚げ三本3キーヌ程度ていどで(日本円かみがみのかねやく450えん)で手に入るような代物しろものでは無かったが――
 無人工房むじんこうぼうとおにぎりとてんぷらごう、そしておれと迅雷ジンライ尽力じんりょくで――
 それこそ、売るほどの在庫ざいこがある。

「すこひ手狭てぜまですわへ?」
 姫さんリカルルこえとくもってるのは、頭巾ずきんうえからきつねめんを付けたからだ。

「では主力しゅりょくとなるきみたちに、魔導騎士団詰まどうきしだんつしょまで、ご足労願そくろうねがいたいのニ゛ャァ♪」
 ねこ獣人じゅうじんである顧問氏ミャッドは、頭巾ずきん頭上ずじょうみみふさがれてた。
「それ、ちゃんと聞こえるのか?」

 まえにつくった〝ケモノ耳用みみよう鉢巻きバンダナ〟を、出してやろうかとおもったら。
「ちゃんと聞こえるニ゛ャァ♪ 猪蟹屋ししがにや製品せいひんには、いちいちおどろかされるニ゛ャァ~?」
 化けねこみたいなダミごえ
 くぐもるこえに、技師ぎしとしてのうらめしさがにじんでいる。

 学者方がくしゃかたとネネルド村村民むらそんみんは、大講堂だいこうどうのこり――
 おれたちは央都おうと状況じょうきょうさぐるべく、顧問氏ミャッドに連れられ魔導騎士団本部まどうきしだんほんぶへ向かうことになった。

「にゃみゃぎゃぁー♪」
「ひっひひひぃぃぃん――?」
「まて、おまえらが巻いてどうする?」
 そんな夏毛なつげざつ図体ずうたいをしたヤツが、なにを巻いたところで――
 猪蟹屋ししがにや関係者かんけいしゃだって、バレないわけがねぇだろが。

仲間なかまはずれなんて、かわいそーでしょ!」
 こえからさっするにレイダだ。
「そーだよね♪」
 さっするにビビビー。
「ふむ、ワレは気に入ったぞ。このヌノ肌触ハダザワりがとても良い♪」
 ゲイルまで白頭巾しろあたまに。

「あーもー、どうにでもしてくれ」
 そもそもが、一番いちばんのお偉方えらがた率先そっせんしてあばれてやがるんだ。
 すこしくらい目立めだたねぇよう気をつけたところで、たいした意味いみもねぇやな。

   §

魔導騎士団まどうきしだん全部隊ぜんぶたいうごかす――わけにもいかないからニャァ♪」
 魔導騎士団詰まどうきしだんつしょへ、おもむいたおれたち。

 ズザムズザム、ズザザザザザザザムザム!
 ドタンバゴン、ボゴロロロロロォンロン!
 集結しゅうけつする、魔導騎士団まどうきしだん各部隊の隊長クラス・・・・・・・・・
 総勢そうぜい20名程度めいていど連中れんちゅう――

「ふははぁっ――――良く来たなっ! われこそは魔導騎士団まどうきしだん第一師団だいいちしだん団長だんちょう魔術師まじゅつしゲラァルゴ・ケッピン!」
 そのおそろしくなが刀身とうしんまで真っしろな、けんのような長板ながいた
 魔石ませきが埋め込まれているところを見るに、たぶん魔法杖まほうつえだ。
 それが抜き放たれ、「ぬぅうぅぅぅぉっっっりゃぁぁぁぁぁ――――!」

 ヴァリヴァリヴァリヴァリヴァリヴァリリィィィ――――ヴァッキューン!
 かがや白剣はっけんてんのぼいかづち
 ありゃあ――白いのリオが良くやる、生活魔法の神髄・・・・・・・に似てやがる。

 ゴッガンッ!
 どっとつかれた様子ようす白剣はっけんを地に突きたてる、第一師団長だいいちしだんちょうケッピンとやら。
 黒騎士エクレア王子殿下サウルースと同じく、かおが良い若者わかものだ。
 中身なかみ兵六玉ひょうろくだま……ニゲル青年せいねんちかい気がするが。

 ガコォン♪
 それは長大ちょうだいな、ねじれえだ
おなじく第二師団だいにしだん団長だんちょうのぉー、魔術師まじゅつしニューヴ……ケッピン!」
 ヴァリヴァリヴァリヴァリヴァリヴァリリィィィ――――ヴァッキューン!
 かかげられた魔法杖つえ先端さきから、てんのぼいかづち
 やたらとせんほそい、1年A組おれたち担任教師たんにんみたいな体格たいかく

「あっ、バカてめぇ! おれの名乗なのりに繋げやがって・・・・・・!」
 憤慨ふんがいするケッピン。
「えぇー、良いじゃんか。名乗り・・・のたびに、10パケタも使つかってたら魔導騎士団まどうきしだん破産はさんしちゃうしさ」
 へらへらと口元くちもとをほころばせるかれは、見た目も中身なかみもニゲル寄りだ。

 そのあとキッチリ20名分めいぶんの〝名乗り・・・〟とやらを、聞かされおわったころには――
 頭上ずじょう青空あおぞらひらけていた。

「へぇー、さっきまでくもぞらだったのになぁ」
 〝白いのリオ〟……じゃなかった〝白いのルガ〟の生活魔法の神髄かみなりも、コイツらの高等魔術こうとうまじゅつらしいいかづちも――
 そうちがいは無いように見えた。

「やるもんだぜ!」
 とは、鉄塊てっかい背負せお男性だんせい
「さすがは、魔導騎士団まどうきしだん団長だんちょうさまたちだねぇ?」
 とは、巨大きょだい木さじ・・・背負せお女性じょせい

 なが名乗り・・・あいだに、ガムランの連中れんちゅう合流ごうりゅうした。
 姫さんリカルル青年ニゲルにくっ付いてきたのは、たぶん――
 女将おかみさんと、ギュギュギュギュギュギュギュゥィィィィンッ!
 うるせぇ、ギルド長レムゾーか。

 もう一人ひとりへんに、ひょろながいやつは……白頭巾ずきんのせいでだれだかわからんが。
 ガムランの冒険者ぼうけんしゃが来てくれたなら、心強こころづよいぜ。
 鬼娘オルコトリアが来ていないところを見ると、留守番るすばんを押しつけられたのかもしれないな。

「けどなんで全員ぜんいんが、ケッピンさんなの?」
 子供れいだが、また余計よけいなことを。
 まつごと騎士団きしだん結束けっそくかかわる、重大な理由おもいわけがあったらどうするんだ!

ささけん!」
 赤いのリカルル細身ほそみ豪奢ごうしゃけん、『まがい物の聖剣【匠スペシャル】』を抜きはなち、そらへとかかげた。
ささつえ!」
 つづいて白いのルガレイニアちいさな魔法杖つえを取りだし、おなじようにそらへと向ける。

 ――――――――ガラララララララッドッシャァァァァァァン!!!
 てんへ向むかって、雷鳴らいめいとどろいた。

 直後ちょくご、あまりのひかりつよさに――あたりがくらかげをなした。
 ドッガガガガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァァァァァッンッ――――――――!!!!!!!!
 てんへ落ち、さらに折りかえし落ちる雷光らいこう
 その場に居た師団長全員しだんちょうぜんいんを、ばったばたと横倒よこだおしにした。

   §

「「「「「「「「「「「「「「「「「せっ、聖剣切せいけんぎりっ!? な、なんでこんなところにっ!? にぃげぇろぉおぉおぉおぉーうぅう!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」
 折り返しの・・・・・落雷かみなりを食らって、たおれていた師団長しだんちょうたちが――
 気づくなり脱兎だっとごとく、はじ外聞がいぶんも無く逃げだした。

 かろうじてのこったのは、たったの四名よんめい
 ご老体ろうたいわらしと、ざつかたち鉄兜かぶとあたまに載せた――
 かおながい、毛むくじゃら・・・・・・だった。
 こいつは、なん獣人じゅうじんなんだろう。

 そして最後さいご一人ひとり直撃ちょくげきを食らってたおれたままの、なんだっけ?

 ふぉん♪
『人物DB/ゲラァルゴ・ケッピン
      ラスクトール自治領王立魔導騎士団第一師団長』
 そうだぜ、欠品ケッピンだぜ。
 はぁ……もしてきになるとしても、コイツらが相手あいてってことかー。

 ほとんど逃げちまったところを見ると、まず猪蟹屋おれたちやガムランちょうてきじゃねぇ。
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