滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

551:央都猪蟹屋跡地、唯物ライフルをつくろうその1

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「ソレなんだけどニャァ。シガミーとカラテェーと、ラプトル王女おうじょさまにノヴァド工房長こうぼうちょう。そしてイオノファラーさまとレイダ。そして迅雷ジンライとおにぎりも入れたけいにんに、〝唯物ゆいぶつライフル〟作成さくせい参加さんかして欲しいニャァ♪」
 おれたちをゆびさし指折ゆびおかぞえる、大陸随一たいりくずいいち魔導工学技士まどうこうがくぎし

 今居いまいるのは、タターをはかった建物たてもの猪蟹屋ししがにやあいだ
 長椅子ながいす長机ながつくえを置いて、休憩所きゅうけいじょつくった。
 せま路地ろじだが、猪蟹屋みせなかよか快適かいてきだ。
 横長よこながだが全員みんなすわれるし、かぜも吹き抜ける。

「もちろん我々われわれも、お手伝てつだいいたしますわ」
 お猫さまロォグかかえた顧問秘書こもんひしょが、顧問技師こもんぎしへ寄り添う。
「――我輩わがはい指示しじしたがえば、立派りっぱな――深海作業しんかいさぎょう――90パーセントオフニャァ♪――」
 おねこさまは何言なにいってるか、わからねぇが――

 全部ぜんぶで11にんか。
 対魔王竈たいまおうかまど相当狭そうとうせまくて、矢鱈やたらあつい。

「レイダはレイダざいがらみで、必要ひつようなのか?」
「そうだニャァ♪ 持ち手グリップ土台どだいになる部分ぶぶんを、レイダざい補強ほきょうして欲しいんだニャァ♪」
 迅雷式隠じんらいしきかくみにおおった台車だいしゃうえ
 鎮座ましますよこたわる超特選ちょうとくせんアダマンタイト鉱石こうせき〟の、二股ふたまたになった片側かたがわ
 そこを猫手ねこてで、ぽぽんとたた猫獣人ねこじゅうじん大人おとな

補強ほきょう? アダマンタイトはちょっとやそっとじゃ、傷一きずひとつつかんだろうが?」
 ふぉん♪
『>レイダ材のモース硬度は5・9。アダマンタイトは硬度11、異常値を示しています。解析後に、修正を試みますか?』
 わからん。けど解析とんちは止めとけ。
 いつ仕事しごとが始まるか、わからんからな。

 ふぉん♪
『シガミー>五百乃大角やぁい。なんか神々の知恵を寄越せやぁ』

 ふぉん♪
『イオノ>良いわよぅ♪ 迅雷クンさー、その辺は適宜更新してOKよ。地球の環境を元に作られたけど、この世界はもうF.A.T.S.の影響下にありませんのでぇ』
 ふぉん♪
『>了解しました、イオノファラー。サバイバルモードやエンドレスモードを想定した定理の修正を、定期的に行います』
 ふぅーん?

「アダマンタイト本体ほんたい各種部品かくしゅパーツおおきな強度差きょうどさが有ると、故障こしょう暴発ぼうはつによる怪我けがつながるにゃ♪ それとアダマンタイト表面ひょうめんを、レイダざいおおっておけば、煤が付かなくなる・・・・・・・・ニャァ♪」
 火縄じゅう弾込たまごめまえに、すすはらうのが大変たいへんだからなぁ。

「あの蒼色あおいろ色鮮いろあざやかさは、素敵すてきですよね――ヴヴヴッ♪」
 ゴガッ――ッキキィィン♪
 このへんの、あふれたほのおで焼かれたところは、レイダざいに変えてあるから――
 耳栓みみせん騒音おうおんだけをえらんで消してなかったら、みみつんざかれていたところだ。

迅雷ジンライが居りゃ、おれだっていろを変えてやれるがぁー?」
 レイダざいは、レイダが迅雷じんらい魔法杖まほうつえがわりに使つかって――
 なんとかいうのを、すすすみ塗ることで・・・・・出来上できあがる。

 おれの小太刀こだちには、てつはい練り込んである・・・・・・・から――
 そのすみ成分ところいろ塗れば・・・、立ちどころかたな蒼く・・塗り込められる。
 そうすると切れ味は上がる・・・・・・・が、折れやすく・・・・・なっちまって――
 レイダざい刀剣とうけんはまだ、使つかものになっていない。

 ふぉん♪
『>〝カーボンナノテクタイト構造〟です。蒼くなるのは量子記述的に再配置された表面構造が、構造色を形成するからです』
 それな。構造もののかたちな。

 それと似たようなことをしているんだが、おれのは蒼色あおいろだけじゃなくて大抵の色・・・・を塗れる。

「じゃぁやってみてニャァ♪」
 戸口とぐちくいに引っかけたかばんなかから、おにぎりだいいしころを取り出す顧問氏ミャッド

 来い迅雷ジンライ――くるん、ぱしん!
 飛んできた迅雷ジンライを、ひっつかむ子供おれ
 魔法杖ジンライ一振ひとふりすれば、世にもあざやかな♪
 夕日ゆうひいろにでも――ほろろろっ、するんっ♪

「あれ? 変えるそばから、光りになって・・・・・・消えちまわぁ!?」
 どーいうこった?

「もうシガミーは、下手へたくそだなぁ♪」
 魔法杖ジンライをひったくられた。
「ひのたまぁ――ぼわぁん♪」
 迅雷式隠れ蓑もえないぬのうえ、置かれたアダマンタイトが――ごわぁとくすぶる。

「レイダざいにー、なぁれぇー♪」
 ひとたび彼女かのじょが、一振ひとふりすれば――――ギラリィン♪
 レイダのほうがレイダざいかんしちゃ、うまく出来できるのはたしかだが――
 おれの色付け・・・も、レイダのレイダ材・・・・も、ほとんおなものだろう?

 ふぉん♪
『>はい。基本組成は99%同じ構造色ですので』

 ほろろろっ、するんっ♪
「あれっ!? なんでっ!?」
 やっぱり、ひかりこけみたいのが剥がれ落ちて、消えちまう。
「ふはははっ、レイダにも出来できねぇじゃんか♪」
 こわれたとでもおもったのか、魔法杖まほうつえ上下左右めちゃくちゃに振りまわ子供こども

「ニャフフゥ、そうだろう? アダマンタイトの表面ひょうめんすすを付けるためには、相当高そうとうたか温度おんどいぶさないとならないことは実験済み・・・・ニャァ♪」
 パチリとゆびを鳴らす、ねこ獣人族じゅうじんぞく

「「「「「「「「「「「………………?」」」」」」」」」」」
 なんだぜ? みんなくびかしげている。

「アダマンタイトの表面ひょうめんすすを付けるためにはニャァ、相当高そうとうたか温度おんどいぶさないとならないことは実験済み・・・・なのニャァ――♪」
 ふたたびパチリとゆびを鳴らす、ねこ獣人族じゅうじんぞく

「「「「「「「「「「………………?」」」」」」」」」――!」
 くびかたむけていたうち一人ひとりが――
 ピカピカでまるい、アダマンタイト鉱石こうせきを――
 下敷したじきにしていた迅雷式隠じんらいしきかくみので、つつんだ。

工房長こうぼうちょうさん。この鉱石こうせき対魔王結界たいまおうけっかい強力きょうりょくほのおで、いぶして来てもらえませんか?」
 そう言ってノヴァドへ手渡てわたす、顧問秘書こもんひしょ
 そのひたいあせが、にじんでいる。
 彼女かのじょはリオレイニア並みに出来できおんなだが、鍛冶場かじばあつさにはよわいようだった。

   §

「こんなもんで良いのかぁ?」
 ごどん――ふわさ。
 ぶすぶすと、焦げたにおいをはっするのは――
 まるで黒磁器くろじき丸徳利まるとっくりのようになった――
 希少な鉱石アダマンタイト

「レイダざいにー、なぁれぇー♪」
 ふたたび彼女かのじょが、一振ひとふりすれば――――ギラリィン♪
「「「「「「「「「おおぉぉぉぉ――――!?」」」」」」」」――出来できたっ♪」
 今度こんどこぼれ落ちずに、あざやかな蒼色あおいろのままだった。

「レイダには魔法銃まほうじゅう完成かんせいしたらレイダ材このいろで、全体ぜんたいを塗ってもらうにゃぁ♪」
 まるで巨大きょだい宝石ほうせきのように、ひかかがやくアダマンタイト。

「じゃぁ、完成かんせいまでレイダにはそとで待っててもらう。あんな場所ばしょにずっといたらあつさで伸びちまうからなー♪」
 おれは背を伸ばし――わしわしわしっ♪
 生意気なまいき子供こどもあたまを撫でて、レイダざい専門家せんもんかねぎらってやった。

「わかったでぇーござる♪」
 なんだぜその、得意とくいげなつらわぁ?
 ことレイダざいkんしちゃレイダのほうが――迅雷ジンライ上手うまあつかえてる。
 ふぉん♪
『>ユニークスキル〝報酬二倍〟の恩恵も、効果的に作用していると思われます』

 流石さすがはレイダざいの、レイダさまだぜ。
 もとから一角ひとかどものになるたすけになればとおもって、〝レイダざい〟と名付なづけたのだ。
 レイダざい下手へたしたら猪蟹屋みせを乗っ取られかねねぇほどおおきな売りものになるかもしれねぇ。
 そうしたら、おれぁ――五百乃大角いおのはら飯当番めしとうばん専念出来せんねんできるな。

「ござる? ござる!?」
「ござのい、ござのい?」
ワレアツさにはツヨユエ手伝テツダえることがあるなら手を貸すぞ?」
 おれたちが猪蟹屋みせそとに出たのを、かぎ付けた子供たちがきどもが寄ってきた。

   §

『「じゃぁ、加工と組み立ての行程に入るんだもの♪」だもの♪』
 ぱたんとくびに提げた、木のいた
 ソレを見た面々めんめんが、各々おのおのの持ち場へ散っていく。

 さぁ、本番ほんばんだ。どうする?
 迅雷ジンライ烏天狗からすてんぐとおれぁ、二人までしか・・・・・・用意出来よういできんぞ。

 ふぉん♪
『イオノ>そうわね。伝説の職人スキルが使えないと話にならないから、烏天狗は決定として、シガミーも居ないと怪しまれかねないでしょぉ?』
 画面モニタなか梅干うめぼしみたいなおおきさのアイコンさま。
 ゴロゴロところがりながら、一行表示ティッカー寄越よこした。

「じゃぁ、シガミー。烏天狗からすてんぐさがしてきて。いま時間じかんならもう、城壁じょうへき洞窟どうくつかえって来てるとおもうから
 おい。おれと迅雷ジンライは、どーするんだぁ?
 張りぼての独鈷杵どっこしょを、迅雷ジンライだとたばかっても良いが。
 仕事しごと仕事しごとだけに、迅雷ジンライがまるでうごかなかったら――
 一発いっぱつかんづかれちまうだろ。

 ふぉん♪
『イオノ>ご安心ください。その迅雷役、あたくしさまが一人二役を、見事演じて見せましょう♪』
 ならもう、おまかせだ。しっかりと迅雷ジンライしてくれ。

「じゃぁ、ちょっと行ってくる!」
 強化服シシガニャンは脱いじまった。
 だからかえってきたら、もう一度着いちどきねぇとなぁ。

 迅雷ジンライ、おまえ烏天狗役からすてんぐやくつとめてくれ。
 おれはシガミーおれと、烏天狗ぼく伝説の職人スキル担当するぞやるぞ

 ふぉん♪
『>了解しました。城壁付近の人の居ない所で、裏烏天狗と入れ替わります』
 おう。おれは張りぼての独鈷杵《ジンライ》を、うしろあたまに刺してもどって来るからなっ。
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