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五十五話 海に入る前に
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ギラギラと空からくる強い陽光が皮膚を焼く。このままでは日焼けしちゃうよ、という事で、海に入る前に日焼け止めを塗ることになった。
しかし、俺にはまたも困ったことが訪れた。
「じゃあ、背中 龍彦くんに塗ってもらおうかな!私も塗るし、お願いしていい?」
「ちょっと待って告美、それは私も同じなんだけど」
そう、告美と麗凪が "どちらが先に日焼け止めを塗るか" ということでバチバチと睨み合っていた。そんな二人を苦笑いしながら眺めている茂たちと、冬夏である。
ちなみに繭奈は、いつも通りの表情であった。
「それなら、二人で塗ってもらう?」
「そんなの、龍彦くんに負担掛けすぎるでしょ。今日は私、明日は告美でいいじゃない」
「なんで私が後回しなの!」
困る俺たちを他所に、二人で盛り上がっている。それを眺める俺に、繭奈がトントンと肩を叩いた。
「お願いするわ、龍彦くん」
「ごめんけどアタシも頼んでいい?」
日焼け止めを手に、繭奈と冬夏にそうお願いされた。その白く綺麗な肌が日焼けしては良くないだろうし、なにより可愛い女の子にクリームを塗るなど、こちらとしてはご褒美だろう。
ご馳走さまですと念じながら、俺は全然良いよと頷いた。
「ご馳走様です」
「龍彦くん?」
「龍彦?」
間違えた。興奮しすぎて本音がダダ漏れでしまったどころか、言うつもりだった言葉と入れ替わってしまった。
二人とも首を傾げてキョトンとしているが、言葉の意味を理解したのか顔を赤くし始める。
「もっもう龍彦くんっ、私の事をそんな目で見てるのかしら?嬉しっ、困るわね」
「そっかそっか、龍彦も男だもんね!そんなのアタシからしてもご馳走様だから気にしないでって!」
「あぇっ?おっおう……」
やっちまったと考えている俺を他所に、二人は嬉しそうにしている。繭奈はもう隠す気がなくなってきてないか?
とりあえず、喋ってばかりはあれなので、まずは繭奈からうつ伏せになってもらい、俺は手にクリームを馴染ませる。
「上手く塗れるか分かんないけど、やってみる」
「細かいことは良いのよ。何回もやってればいつか慣れるから。とりあえず、胸とお尻をお願いしようかしら」
「背中だっつってんだろ」
背中にクリームを塗るはずが、何故か胸と言い始めた。それは自分でやれ、こんな外では無理だ。
そんなツッコミを入れつつ、まずは肩甲骨のあたりから伸ばすように、広げるように塗っていく。ちなみに冬夏は先に前を塗るってさ。
告美たちがぎゃいぎゃいと楽しく話をしてる中、俺たちはせっせとクリームを塗っている。
そして遂に俺たちに気が付いた彼女らが、こっちを見て あー!と声を上げた。
「アンタらがずっと喋ってるから、こっちは先に始めてるよ?春波ちゃんと山襞ちゃんも仲良しなんだし、二人でやるのが丁度良いんじゃない?」
「それはまぁ、笹山さんの言う通りだけど、はぁ……」
ガックリと項垂れた告美と麗凪だが、仕方ないかと二人で日焼け止めを塗り始めた。早くしないと暑くて仕方ない。
ちなみにこちらはというと、腰までを終えたのでもういいかと離れた。塗り終わりー。
「まだよ龍彦くん、お尻を塗ってないじゃない。しかも前の方だって──」
「それは自分でやれ」
繭奈はおバカちゃんであった。なんでこんな大っぴらにケツを触らにゃならんのだろうか?しかし、彼女は俺に向けてケツを突き上げ、塗れとばかりに圧をかけてくる。
目の前にある豊満なソレに手を添えて、そのまま押し込む。
仕方ないので、その水着の中に手を入れて、できるだけしっかりと塗った。こんなところで何やってんだ。
こうして繭奈の背面に日焼け止めクリームを塗り終え、冬夏の背中にクリームを塗ることにした。
「ほいじゃー頼んだ♪」
自分で塗れる分を塗り終えて、うつ伏せになった冬夏が機嫌よくお願いしてきた。繭奈に負けず劣らず綺麗な背中に触れると、触り心地の良い感触が掌から伝わってきた。
「んー?アタシの背中、気持ちいい?」
「あっいや、ごめん」
「龍彦くん?」
冬夏の背中を無意識に撫でていると、彼女が嬉しそうに横目でこちらを見た。それを見ていた繭奈が睨んでくる……いや元からあの目付きだったか。
しかし、俺にはまたも困ったことが訪れた。
「じゃあ、背中 龍彦くんに塗ってもらおうかな!私も塗るし、お願いしていい?」
「ちょっと待って告美、それは私も同じなんだけど」
そう、告美と麗凪が "どちらが先に日焼け止めを塗るか" ということでバチバチと睨み合っていた。そんな二人を苦笑いしながら眺めている茂たちと、冬夏である。
ちなみに繭奈は、いつも通りの表情であった。
「それなら、二人で塗ってもらう?」
「そんなの、龍彦くんに負担掛けすぎるでしょ。今日は私、明日は告美でいいじゃない」
「なんで私が後回しなの!」
困る俺たちを他所に、二人で盛り上がっている。それを眺める俺に、繭奈がトントンと肩を叩いた。
「お願いするわ、龍彦くん」
「ごめんけどアタシも頼んでいい?」
日焼け止めを手に、繭奈と冬夏にそうお願いされた。その白く綺麗な肌が日焼けしては良くないだろうし、なにより可愛い女の子にクリームを塗るなど、こちらとしてはご褒美だろう。
ご馳走さまですと念じながら、俺は全然良いよと頷いた。
「ご馳走様です」
「龍彦くん?」
「龍彦?」
間違えた。興奮しすぎて本音がダダ漏れでしまったどころか、言うつもりだった言葉と入れ替わってしまった。
二人とも首を傾げてキョトンとしているが、言葉の意味を理解したのか顔を赤くし始める。
「もっもう龍彦くんっ、私の事をそんな目で見てるのかしら?嬉しっ、困るわね」
「そっかそっか、龍彦も男だもんね!そんなのアタシからしてもご馳走様だから気にしないでって!」
「あぇっ?おっおう……」
やっちまったと考えている俺を他所に、二人は嬉しそうにしている。繭奈はもう隠す気がなくなってきてないか?
とりあえず、喋ってばかりはあれなので、まずは繭奈からうつ伏せになってもらい、俺は手にクリームを馴染ませる。
「上手く塗れるか分かんないけど、やってみる」
「細かいことは良いのよ。何回もやってればいつか慣れるから。とりあえず、胸とお尻をお願いしようかしら」
「背中だっつってんだろ」
背中にクリームを塗るはずが、何故か胸と言い始めた。それは自分でやれ、こんな外では無理だ。
そんなツッコミを入れつつ、まずは肩甲骨のあたりから伸ばすように、広げるように塗っていく。ちなみに冬夏は先に前を塗るってさ。
告美たちがぎゃいぎゃいと楽しく話をしてる中、俺たちはせっせとクリームを塗っている。
そして遂に俺たちに気が付いた彼女らが、こっちを見て あー!と声を上げた。
「アンタらがずっと喋ってるから、こっちは先に始めてるよ?春波ちゃんと山襞ちゃんも仲良しなんだし、二人でやるのが丁度良いんじゃない?」
「それはまぁ、笹山さんの言う通りだけど、はぁ……」
ガックリと項垂れた告美と麗凪だが、仕方ないかと二人で日焼け止めを塗り始めた。早くしないと暑くて仕方ない。
ちなみにこちらはというと、腰までを終えたのでもういいかと離れた。塗り終わりー。
「まだよ龍彦くん、お尻を塗ってないじゃない。しかも前の方だって──」
「それは自分でやれ」
繭奈はおバカちゃんであった。なんでこんな大っぴらにケツを触らにゃならんのだろうか?しかし、彼女は俺に向けてケツを突き上げ、塗れとばかりに圧をかけてくる。
目の前にある豊満なソレに手を添えて、そのまま押し込む。
仕方ないので、その水着の中に手を入れて、できるだけしっかりと塗った。こんなところで何やってんだ。
こうして繭奈の背面に日焼け止めクリームを塗り終え、冬夏の背中にクリームを塗ることにした。
「ほいじゃー頼んだ♪」
自分で塗れる分を塗り終えて、うつ伏せになった冬夏が機嫌よくお願いしてきた。繭奈に負けず劣らず綺麗な背中に触れると、触り心地の良い感触が掌から伝わってきた。
「んー?アタシの背中、気持ちいい?」
「あっいや、ごめん」
「龍彦くん?」
冬夏の背中を無意識に撫でていると、彼女が嬉しそうに横目でこちらを見た。それを見ていた繭奈が睨んでくる……いや元からあの目付きだったか。
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