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七十五話 ナニ談義
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笹山 冬夏に彼氏ができたという話は、知らず知らずの内に広まっていた。それこそクラスの外にも彼女を知る人物がいるため、それだけ反響があったのだ。
つまり、それだけ好奇の視線に晒されるということだ。冬夏が付き合うような人物というのは、いったいどんな奴なんだろうってな。
彼女もだが、なにより俺までその視線を向けられるのだ。しんどいって勘弁してくれ。
とはいえ、それだけ人気のある人物と関わりがあるということでもある。ちょっと優越感。
ただ、別に付き合っているわけじゃないので、誤解にもほどがあるんだけどな。明確な否定は冬夏によって遮られてしまい、なかなかできないでいる。
むしろ、そう誤解されるようなことを彼女がやっているせいで、ここで俺が付き合っていないと言ってしまうとよくないのは俺の方だ。
冬夏のことを弄んでいる最低男という、そんなレッテルは避けられないだろう。それならばむしろ、彼女と付き合うに足る男になったほうがずっと建設的と言える。
自己の成長に繋げるしかない。
ふとここで、ヤバイことに気付く。
繭奈との関係が知られたとき、いったいどれだけの嫉妬を集めるのかということだ。繭奈と冬夏という、学校でも人気のある二人が、俺とただならぬ関係にあるだなんて知られたら、刺されてもおかしくないだろう。
かといって、いつまでもバレないなんて、現実的じゃないと思ってる。ふとしたときに俺たちが一緒にいることがバレというのは、大いに有り得るのだ。
しかしそんな事を考えても仕方ないので、そのときはそのときで考えるしかないだろう。
今はしーらねっ!
「もうぶち殺していいかしら」
あれから数日経過し、相変わらず俺の部屋で集まった後に繭奈がそう言った。その表情はいつもより数段鋭く、随分と苛立っていることが分かる。
「良いといいたいけど、繭奈が前科者になってほしくはないな」
「それにしたって、クッソうざいわね。そのうち爆発するわよこのままじゃ」
なにがそう繭奈を怒らせているのかというと、それは何人もの男たちが彼女に声を掛けているからである。正確には、冬夏に気があった男たちが、その矢印を繭奈に変えたという方が正しいかもしれないが。
「なんでみんな繭奈に構うのかねぇ……」
「多分だけど、俺が冬夏と付き合ったからじゃないかな」
正確には、付き合っていると誤認しているというところだが、彼らにそんな事情を知る由はないので、彼らの視点からだと、そういう言い方になる。
そんな俺の言葉に、冬夏が怪訝そうに首をかしげた。対する繭奈は不服といった表情だが。
「それってまさか、龍彦が地味だから、そんな龍彦でも彼女ができるなら、俺らでもいけるとかバカなこと考えたってこと?」
俺の考えを言語化するように、冬夏がそう述べる。しかし、その表情からは怒りがありありと伝わってくる。どうどう。
俺は頷いて、そう思うよと返した。
「どいつもこいつも分かってないのよ。恋人っていうのは見た目だけじゃなくて、相性とか好みとか、そうなるまでの関係の積み重ねがあるっていうのに」
いつになく剣呑な雰囲気を纏った繭奈が、苛立ちを隠しもせずにそう言った。彼女は優しいからこそ、自分の恋人が悪く言われることが気に入らないのだろう。
珍しい姿ではあるが、眺めていたいものではないな。気分の良いものじゃない。
そんな繭奈を抱き寄せて、そっと頭を撫でる。
「どーせヤりたい盛りってだけっしょ。無駄に性欲滾らせて、隠しもしないで近付いてきてもウザいだけだっつーの」
「そもそも小さいわよ、あんな奴らのポコチ○なんて」
「コラ」
ダメだ、繭奈が完全に荒んでしまっている。いきなり下品な言葉を発する彼女に、軽くチョップをするが全く意に介さない。
まぁ俺もそこまで気にしていないが。これくらい自由なくらいがちょうど良いかもしれないな。
「だってそうじゃない。龍彦くん "の" を知ってる私からすれば、短小極細なんて興味ないわよ」
「いや俺だって日本人の範疇だろ。勝手にでかくするな」
いったい何を言わされているのかと思わなくもないが、実際俺のがそこまでデカイとは思えない。精々AV男優のソレくらいだ。
「いやー、ぶっちゃけAVに出てくるヤツくらいあるじゃん。意外と大きくない?それって」
「知らねーよ他の連中のは」
わざわざ比べることでもないだろう。繭奈と付き合いはじめてからは、そういうのも見ることがなくなったせいでうろ覚えだ。
というかいつまで竿談義を続けるつもりだ。不毛だろこんなの。
「とりあえずもうやめよう。不毛すぎるぞこんな話題は」
「たしかに、エッチするのに毛はなくてもいいわよね」
「だっから!もう!」
余計な軌道修正をする繭奈に思わず声を張り上げてしまう。コラ冬夏、便乗するな。
つまり、それだけ好奇の視線に晒されるということだ。冬夏が付き合うような人物というのは、いったいどんな奴なんだろうってな。
彼女もだが、なにより俺までその視線を向けられるのだ。しんどいって勘弁してくれ。
とはいえ、それだけ人気のある人物と関わりがあるということでもある。ちょっと優越感。
ただ、別に付き合っているわけじゃないので、誤解にもほどがあるんだけどな。明確な否定は冬夏によって遮られてしまい、なかなかできないでいる。
むしろ、そう誤解されるようなことを彼女がやっているせいで、ここで俺が付き合っていないと言ってしまうとよくないのは俺の方だ。
冬夏のことを弄んでいる最低男という、そんなレッテルは避けられないだろう。それならばむしろ、彼女と付き合うに足る男になったほうがずっと建設的と言える。
自己の成長に繋げるしかない。
ふとここで、ヤバイことに気付く。
繭奈との関係が知られたとき、いったいどれだけの嫉妬を集めるのかということだ。繭奈と冬夏という、学校でも人気のある二人が、俺とただならぬ関係にあるだなんて知られたら、刺されてもおかしくないだろう。
かといって、いつまでもバレないなんて、現実的じゃないと思ってる。ふとしたときに俺たちが一緒にいることがバレというのは、大いに有り得るのだ。
しかしそんな事を考えても仕方ないので、そのときはそのときで考えるしかないだろう。
今はしーらねっ!
「もうぶち殺していいかしら」
あれから数日経過し、相変わらず俺の部屋で集まった後に繭奈がそう言った。その表情はいつもより数段鋭く、随分と苛立っていることが分かる。
「良いといいたいけど、繭奈が前科者になってほしくはないな」
「それにしたって、クッソうざいわね。そのうち爆発するわよこのままじゃ」
なにがそう繭奈を怒らせているのかというと、それは何人もの男たちが彼女に声を掛けているからである。正確には、冬夏に気があった男たちが、その矢印を繭奈に変えたという方が正しいかもしれないが。
「なんでみんな繭奈に構うのかねぇ……」
「多分だけど、俺が冬夏と付き合ったからじゃないかな」
正確には、付き合っていると誤認しているというところだが、彼らにそんな事情を知る由はないので、彼らの視点からだと、そういう言い方になる。
そんな俺の言葉に、冬夏が怪訝そうに首をかしげた。対する繭奈は不服といった表情だが。
「それってまさか、龍彦が地味だから、そんな龍彦でも彼女ができるなら、俺らでもいけるとかバカなこと考えたってこと?」
俺の考えを言語化するように、冬夏がそう述べる。しかし、その表情からは怒りがありありと伝わってくる。どうどう。
俺は頷いて、そう思うよと返した。
「どいつもこいつも分かってないのよ。恋人っていうのは見た目だけじゃなくて、相性とか好みとか、そうなるまでの関係の積み重ねがあるっていうのに」
いつになく剣呑な雰囲気を纏った繭奈が、苛立ちを隠しもせずにそう言った。彼女は優しいからこそ、自分の恋人が悪く言われることが気に入らないのだろう。
珍しい姿ではあるが、眺めていたいものではないな。気分の良いものじゃない。
そんな繭奈を抱き寄せて、そっと頭を撫でる。
「どーせヤりたい盛りってだけっしょ。無駄に性欲滾らせて、隠しもしないで近付いてきてもウザいだけだっつーの」
「そもそも小さいわよ、あんな奴らのポコチ○なんて」
「コラ」
ダメだ、繭奈が完全に荒んでしまっている。いきなり下品な言葉を発する彼女に、軽くチョップをするが全く意に介さない。
まぁ俺もそこまで気にしていないが。これくらい自由なくらいがちょうど良いかもしれないな。
「だってそうじゃない。龍彦くん "の" を知ってる私からすれば、短小極細なんて興味ないわよ」
「いや俺だって日本人の範疇だろ。勝手にでかくするな」
いったい何を言わされているのかと思わなくもないが、実際俺のがそこまでデカイとは思えない。精々AV男優のソレくらいだ。
「いやー、ぶっちゃけAVに出てくるヤツくらいあるじゃん。意外と大きくない?それって」
「知らねーよ他の連中のは」
わざわざ比べることでもないだろう。繭奈と付き合いはじめてからは、そういうのも見ることがなくなったせいでうろ覚えだ。
というかいつまで竿談義を続けるつもりだ。不毛だろこんなの。
「とりあえずもうやめよう。不毛すぎるぞこんな話題は」
「たしかに、エッチするのに毛はなくてもいいわよね」
「だっから!もう!」
余計な軌道修正をする繭奈に思わず声を張り上げてしまう。コラ冬夏、便乗するな。
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