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十五話 仲直り
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「しかし龍彦に彼女が出来るなんてね、しかもすごく可愛い子じゃない」
今は繭奈を家まで送り届けて家に帰るところである。母さんは彼女を見てあの可愛さに感激している。
ちなみに彼女とは実際に付き合った訳ではなく、まだその前段階だ。母さんには繭奈と付き合ったという話をしているが、あくまでそういう体である。
まぁ俺の中でも心の準備ができたらお付き合いしたかったし、時間の問題だと思ったので。
「まぁね、向こうから告白してくれたんだ」
「へぇ、いつのまに女の子を誑かしてたの?」
「やめてよ、そんなんじゃないって」
こんな感じで母さんに弄られつつも、これから仲良くしてあげて欲しいと話をしておいた。
まさか、繭奈とこんな関係になるなんて一週間前じゃ想像もつかなかった。
翌日、学校に向かうと相変わらず春波と山襞が喋っていた。
彼女らとは少しギスギスしてたけど……気にしても仕方ないかな。人間なら失敗の一つや二つあるだろうし、俺もいい加減広い心で受け入れないとな。
「おはよう、二人とも」
「あっ、おはよっ!」
「おはよう蔵真くん」
俺の挨拶に返してくれる二人、仲良くするくらいならまぁ良いか。これも一つの縁だから、大事にしていきたい。
「今日良かったら、一緒に帰る?」
「えっ……いいの?」
「前に約束したでしょ。そりゃ一時は気まずかったけど、いつまでも気にしてちゃいけないと思ったからさ……だめかな?」
「ううん。一緒に帰ろ!ありがとね、蔵真くん!」
少しだけ涙を浮かべた春波と山襞が嬉しそうに頷いてくれた。やっぱり二人とも後悔はあったんだろう。
いつまでも壁を作っても仕方ないさ、こちらから手を差し伸べないとお互いずっと気まずいからね。
こういう考えができたのも、きっと繭奈のおかげなんだろう。彼女との関係は皆には内緒だけど、いずれは二人にも話をすることになるんだろうか?
まぁしてもしなくても、二人とは良い友達になれるといいな。優しい子たちだからきっと応援してくれるだろう。
「おはよう」
「あっ、繭奈おはよー」
後ろから聞こえてきた声に思わずそちらを向いてしまう。どうやら繭奈が教室に入ってきたようで、彼女の友人と挨拶しているようだ。
ちょうどそのタイミングで茂と貝崎も来たようで、二人してこちらに手を振って近付いてきた。
「おっす」
「おーはよっ!」
「おはよう」
こちらに来た茂と貝崎と挨拶を交わす。
二人は俺と一緒に帰る話を貝崎にしているようで、それを聞いた彼女と茂は嬉しそうに笑った。
友人だからと気にしてくれる優しい二人だ。
そうして時間が経ち、 今は繭奈と二人きりで向き合っている。彼女の目は鋭い。
しかし昨日の姿を見てからでは覇気を感じられない。だってめちゃくちゃ可愛いもの。
「女の子二人を誑かして、どういうつもりかしら?」
「別に、ただ仲良くしたいだけだよ」
たとえ異性であろうと友人として関わるくらいは許して欲しいところだ。これも一つの縁だからってね。
「ふぅん……そんなこと言って、ホントは手を出そうとしてるわけじゃないの?」
「それはないね、だって意識できないもんあの二人」
「アナタ結構残酷ね?」
何が残酷なのだろうか?マジで恋愛目線とかそういう目で見れないんだよなぁ……可愛いというのは間違いないんだけど、どうしてもそれで終わっちゃう。
むしろ健全な対応と言えよう。
「……? まぁあの二人とは友人として関わりたいだけで、特に何も無いから気にしないでよ。それじゃ」
白雪モードになっている繭奈に手を振り背を向ける。そもそも俺たちはまだ付き合っていないのであまり学校での接触は避けたい。
母さんには付き合ってるという話はしたけど、あくまでそれもいずれ付き合うからというわけで……だからちょっとだけ距離を調整したいのだ。
そんな事があったものの、無事に放課後を迎え春波と山襞と二人と教室をでる。
ちなみに茂カップルはとっくにいなくなっていた。はえぇなアイツら。
一緒に帰るとはいえ、別になにか特別な事がある訳でもない……のだが何故か繭奈と出くわしたのだ。
二人に挟まれた俺を見るなり鋭い目がよりキツくなる。
「あら、学校終わりにイチャイチャと随分といいご身分ね?二人の女の子を侍らせて王様にでもなったつもりかしら?」
「はぁ……いいえ」
謎にツンツンと言葉の針を投げてくる繭奈に生返事をしてしまうが、それでもきちんと否定しておいた。だって違うもの。
「ちょっと白雪さん、蔵真くんには私たちがお願いして一緒にいてくれてるの。その言い方はやめてくれないかな」
ここでフォローに入ったのは春波だ。繭奈を真っ直ぐに見つめて言い放つ。
彼女は前に出て半身で俺を庇うようにしており、山襞は俺の腰に手を回している。
なんかヒロインみたいだな俺……
「あら、あなたたちは自分からアプローチをする勇気もない優男が好きなのかしら?」
「すっっ……好きとかじゃなくてただの友達だから!」
ふっと笑った繭奈に春波は顔を真っ赤にして早口で返した。えっなにその露骨な態度、やめてよ勘違いすんじゃん。
山襞まで顔を真っ赤にして目を逸らしているが、腰に回した手はそのままだ。あれぇ?なにか変な感じが……
「まぁあくまで一緒に帰ろうってだけだよ。ほら、友達と帰るなんてよくある話でしょ?」
「それはそうね」
そんな山襞が春波の援護をした。
彼女の言い分は最もだ、さすがに繭奈もそれ以上は何も言わなかった。
繭奈は ふふっと笑って立ち去っていく。もしかしてジェラシ……いやまさかね。
今は繭奈を家まで送り届けて家に帰るところである。母さんは彼女を見てあの可愛さに感激している。
ちなみに彼女とは実際に付き合った訳ではなく、まだその前段階だ。母さんには繭奈と付き合ったという話をしているが、あくまでそういう体である。
まぁ俺の中でも心の準備ができたらお付き合いしたかったし、時間の問題だと思ったので。
「まぁね、向こうから告白してくれたんだ」
「へぇ、いつのまに女の子を誑かしてたの?」
「やめてよ、そんなんじゃないって」
こんな感じで母さんに弄られつつも、これから仲良くしてあげて欲しいと話をしておいた。
まさか、繭奈とこんな関係になるなんて一週間前じゃ想像もつかなかった。
翌日、学校に向かうと相変わらず春波と山襞が喋っていた。
彼女らとは少しギスギスしてたけど……気にしても仕方ないかな。人間なら失敗の一つや二つあるだろうし、俺もいい加減広い心で受け入れないとな。
「おはよう、二人とも」
「あっ、おはよっ!」
「おはよう蔵真くん」
俺の挨拶に返してくれる二人、仲良くするくらいならまぁ良いか。これも一つの縁だから、大事にしていきたい。
「今日良かったら、一緒に帰る?」
「えっ……いいの?」
「前に約束したでしょ。そりゃ一時は気まずかったけど、いつまでも気にしてちゃいけないと思ったからさ……だめかな?」
「ううん。一緒に帰ろ!ありがとね、蔵真くん!」
少しだけ涙を浮かべた春波と山襞が嬉しそうに頷いてくれた。やっぱり二人とも後悔はあったんだろう。
いつまでも壁を作っても仕方ないさ、こちらから手を差し伸べないとお互いずっと気まずいからね。
こういう考えができたのも、きっと繭奈のおかげなんだろう。彼女との関係は皆には内緒だけど、いずれは二人にも話をすることになるんだろうか?
まぁしてもしなくても、二人とは良い友達になれるといいな。優しい子たちだからきっと応援してくれるだろう。
「おはよう」
「あっ、繭奈おはよー」
後ろから聞こえてきた声に思わずそちらを向いてしまう。どうやら繭奈が教室に入ってきたようで、彼女の友人と挨拶しているようだ。
ちょうどそのタイミングで茂と貝崎も来たようで、二人してこちらに手を振って近付いてきた。
「おっす」
「おーはよっ!」
「おはよう」
こちらに来た茂と貝崎と挨拶を交わす。
二人は俺と一緒に帰る話を貝崎にしているようで、それを聞いた彼女と茂は嬉しそうに笑った。
友人だからと気にしてくれる優しい二人だ。
そうして時間が経ち、 今は繭奈と二人きりで向き合っている。彼女の目は鋭い。
しかし昨日の姿を見てからでは覇気を感じられない。だってめちゃくちゃ可愛いもの。
「女の子二人を誑かして、どういうつもりかしら?」
「別に、ただ仲良くしたいだけだよ」
たとえ異性であろうと友人として関わるくらいは許して欲しいところだ。これも一つの縁だからってね。
「ふぅん……そんなこと言って、ホントは手を出そうとしてるわけじゃないの?」
「それはないね、だって意識できないもんあの二人」
「アナタ結構残酷ね?」
何が残酷なのだろうか?マジで恋愛目線とかそういう目で見れないんだよなぁ……可愛いというのは間違いないんだけど、どうしてもそれで終わっちゃう。
むしろ健全な対応と言えよう。
「……? まぁあの二人とは友人として関わりたいだけで、特に何も無いから気にしないでよ。それじゃ」
白雪モードになっている繭奈に手を振り背を向ける。そもそも俺たちはまだ付き合っていないのであまり学校での接触は避けたい。
母さんには付き合ってるという話はしたけど、あくまでそれもいずれ付き合うからというわけで……だからちょっとだけ距離を調整したいのだ。
そんな事があったものの、無事に放課後を迎え春波と山襞と二人と教室をでる。
ちなみに茂カップルはとっくにいなくなっていた。はえぇなアイツら。
一緒に帰るとはいえ、別になにか特別な事がある訳でもない……のだが何故か繭奈と出くわしたのだ。
二人に挟まれた俺を見るなり鋭い目がよりキツくなる。
「あら、学校終わりにイチャイチャと随分といいご身分ね?二人の女の子を侍らせて王様にでもなったつもりかしら?」
「はぁ……いいえ」
謎にツンツンと言葉の針を投げてくる繭奈に生返事をしてしまうが、それでもきちんと否定しておいた。だって違うもの。
「ちょっと白雪さん、蔵真くんには私たちがお願いして一緒にいてくれてるの。その言い方はやめてくれないかな」
ここでフォローに入ったのは春波だ。繭奈を真っ直ぐに見つめて言い放つ。
彼女は前に出て半身で俺を庇うようにしており、山襞は俺の腰に手を回している。
なんかヒロインみたいだな俺……
「あら、あなたたちは自分からアプローチをする勇気もない優男が好きなのかしら?」
「すっっ……好きとかじゃなくてただの友達だから!」
ふっと笑った繭奈に春波は顔を真っ赤にして早口で返した。えっなにその露骨な態度、やめてよ勘違いすんじゃん。
山襞まで顔を真っ赤にして目を逸らしているが、腰に回した手はそのままだ。あれぇ?なにか変な感じが……
「まぁあくまで一緒に帰ろうってだけだよ。ほら、友達と帰るなんてよくある話でしょ?」
「それはそうね」
そんな山襞が春波の援護をした。
彼女の言い分は最もだ、さすがに繭奈もそれ以上は何も言わなかった。
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