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十九話 繭奈の本性?
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周囲に人がいないとはいえここは学校だ。いつ人が通るのかも分からない場所で、俺を壁ドンしてキスまでしてくる繭奈はだいぶ肝が据わっていると思う。
「ん……おいしい♪」
「ひぇ……」
俺の唇に味などないので美味しくはないだろう。一体なにが美味しく感じたというのか、それは気のせいに他ならない。
もし味があるとしたらそれは血だ。そうなれば彼女は吸血鬼だったのかもしれない。
でも俺の唇は出血などしていないので、確実に気のせいだ。頼むから正気に戻れ。
「昨日はおあずけ食らったワケだし溜まってるのよね……龍彦くんはどう?」
「思わず引いてしまいそうです」
普通にこの場所ではいやなので引いてしまうのは間違いない。それは理性によるものだが。
つまり欲までは引いてないし好きな人にアピールされればドキドキするのはなので、体は正直という事だろう。
「そんなこと言って……うふふ、ツレないアナタも好きよ♪」
「とりあえず戻らない?見られたくないんだけど」
昨日はバレなかったけど今日はバレないとは限らない。なので抑えたいんだけど、繭奈にその気は無いようだ。
彼女の手はイケないところを触れていて、その呼吸もだいぶ荒い。
加えて耳元で好き好きと呟いていてとってもセクシーで蕩けてしまいそうだ。理性、持ってくれよ!
……というか、今って……?
「あっ!もう休み時間終わる!」
「えっ」
何となくスマホを見てみるとその時刻は授業一分前だった。マズい。
二人で猛ダッシュで教室に向かい何とか授業に間に合うのだった。周りの視線は痛かったけどな。
昼休み、春波と山襞の二人に先程のことを聞かれた。つまり繭奈と俺が一緒に教室に入ったことについてだ。
「何も無いって、偶然会って軽く話しただけだよ」
「そう?でもちょっと心配……前みたいに酷いこと言われてない?」
「昨日も一緒にいたし、もしかして脅されたり……?」
二人とも心配してくれるのは嬉しいが、やっていたことが事だけにいたたまれなくなってくる。
なんせ盛ってたわけだからな、その善意があまりに痛いって。
「ホントに大丈夫だよ、別に まっ白雪さんも俺の事が嫌いってわけじゃないし、普通に喋ったりするさ。さっきのはただそれに集中しすぎただけだよ」
あっぶね、ナチュラルに繭奈って言うところだった。なんとか軌道修正してなんともないふうを装いながら二人に言葉を続ける。
俺の言い間違いを指摘することも無かったので、気付いていないようだ。
「そっか、ならいいんだけどね」
「辛いことがあったらなんでも言ってよ!」
そう言って笑いかける二人の優しさにまた辛く……やめて!これ以上触れないで、いたたまれなくなる!
春波と山襞の優しさにダメージを負いながらもなんとか誤魔化すことに成功し、無事に放課後を迎えた。
荷物を手に取り今日は早足で帰る。
「あれ、蔵真くんもう行っちゃうの?」
「ごめん、今日は買い物に行きたくてね。じゃあまた明日!」
帰ろうと立ち上がったところで声を掛けてきた春波にそう返し、一緒にいる山襞にも向けて手を振って急いで帰る。
早いとこ行かないと余裕が無くなってしまうのだ。だって繭奈も家に来るしね。
彼女を迎えるためには色々と準備が必要だ……って思ったけどいるか?いらないかもしれん。
必要だとしてもせいぜいゴムくらいだろうが……まぁたまにはジュース片手に軽く話をしてもいいだろう。
ただ彼女はどうだろ?さっきもチラチラと下半身を見てきたし、もしかしたら服に何か付いているかと思って確認してみたがそうでもなく、まさかと思ったが彼女なら本当に欲の可能性は高い。
だから、多分喋る時間とか雰囲気とかはすっ飛ばす可能性がある。用意はしとこう。
好きな人とそういう時間を過ごすのも良いだろう。
買い物を終えて家で繭奈を待っていると、スマホにメッセージが届く。ソレは彼女からのもので、もうすぐ着くとのことだった。
待ちきれずに家から出てしばらく待っていると、すぐに彼女がやって来た。
「おまたせ龍彦くん。会いたかった♪」
「いらっしゃい」
俺の元にやってくると同時に抱きついてくる繭奈に鼻の下が伸びてしまいそうになるが、そんな俺に嫌悪するような彼女ではないことを俺は知っている。
むしろ押し倒してきそうだ。
すぐに繭奈を家に上げて、リビングに向かい飲み物とちょっとしたお菓子を出す。
「ありがとう。でも気を遣わなくても良かったのよ?」
「いやぁ、やっぱり彼女とのんびりお喋りしたいなぁって……」
それは正直な想いだったのだが、繭奈は うっとりとしながら顔を真っ赤にした。とても嬉しそうだ。
彼女とのんびりお喋りすることもそうだが、お出かけやら遊んだりもしてみたい。
そういうこれからのことについて……直近なら夏休みとかのことも話してみたいなと思う。
それも来月の事だし、楽しみを作っておくのも良いだろう。
「ん……おいしい♪」
「ひぇ……」
俺の唇に味などないので美味しくはないだろう。一体なにが美味しく感じたというのか、それは気のせいに他ならない。
もし味があるとしたらそれは血だ。そうなれば彼女は吸血鬼だったのかもしれない。
でも俺の唇は出血などしていないので、確実に気のせいだ。頼むから正気に戻れ。
「昨日はおあずけ食らったワケだし溜まってるのよね……龍彦くんはどう?」
「思わず引いてしまいそうです」
普通にこの場所ではいやなので引いてしまうのは間違いない。それは理性によるものだが。
つまり欲までは引いてないし好きな人にアピールされればドキドキするのはなので、体は正直という事だろう。
「そんなこと言って……うふふ、ツレないアナタも好きよ♪」
「とりあえず戻らない?見られたくないんだけど」
昨日はバレなかったけど今日はバレないとは限らない。なので抑えたいんだけど、繭奈にその気は無いようだ。
彼女の手はイケないところを触れていて、その呼吸もだいぶ荒い。
加えて耳元で好き好きと呟いていてとってもセクシーで蕩けてしまいそうだ。理性、持ってくれよ!
……というか、今って……?
「あっ!もう休み時間終わる!」
「えっ」
何となくスマホを見てみるとその時刻は授業一分前だった。マズい。
二人で猛ダッシュで教室に向かい何とか授業に間に合うのだった。周りの視線は痛かったけどな。
昼休み、春波と山襞の二人に先程のことを聞かれた。つまり繭奈と俺が一緒に教室に入ったことについてだ。
「何も無いって、偶然会って軽く話しただけだよ」
「そう?でもちょっと心配……前みたいに酷いこと言われてない?」
「昨日も一緒にいたし、もしかして脅されたり……?」
二人とも心配してくれるのは嬉しいが、やっていたことが事だけにいたたまれなくなってくる。
なんせ盛ってたわけだからな、その善意があまりに痛いって。
「ホントに大丈夫だよ、別に まっ白雪さんも俺の事が嫌いってわけじゃないし、普通に喋ったりするさ。さっきのはただそれに集中しすぎただけだよ」
あっぶね、ナチュラルに繭奈って言うところだった。なんとか軌道修正してなんともないふうを装いながら二人に言葉を続ける。
俺の言い間違いを指摘することも無かったので、気付いていないようだ。
「そっか、ならいいんだけどね」
「辛いことがあったらなんでも言ってよ!」
そう言って笑いかける二人の優しさにまた辛く……やめて!これ以上触れないで、いたたまれなくなる!
春波と山襞の優しさにダメージを負いながらもなんとか誤魔化すことに成功し、無事に放課後を迎えた。
荷物を手に取り今日は早足で帰る。
「あれ、蔵真くんもう行っちゃうの?」
「ごめん、今日は買い物に行きたくてね。じゃあまた明日!」
帰ろうと立ち上がったところで声を掛けてきた春波にそう返し、一緒にいる山襞にも向けて手を振って急いで帰る。
早いとこ行かないと余裕が無くなってしまうのだ。だって繭奈も家に来るしね。
彼女を迎えるためには色々と準備が必要だ……って思ったけどいるか?いらないかもしれん。
必要だとしてもせいぜいゴムくらいだろうが……まぁたまにはジュース片手に軽く話をしてもいいだろう。
ただ彼女はどうだろ?さっきもチラチラと下半身を見てきたし、もしかしたら服に何か付いているかと思って確認してみたがそうでもなく、まさかと思ったが彼女なら本当に欲の可能性は高い。
だから、多分喋る時間とか雰囲気とかはすっ飛ばす可能性がある。用意はしとこう。
好きな人とそういう時間を過ごすのも良いだろう。
買い物を終えて家で繭奈を待っていると、スマホにメッセージが届く。ソレは彼女からのもので、もうすぐ着くとのことだった。
待ちきれずに家から出てしばらく待っていると、すぐに彼女がやって来た。
「おまたせ龍彦くん。会いたかった♪」
「いらっしゃい」
俺の元にやってくると同時に抱きついてくる繭奈に鼻の下が伸びてしまいそうになるが、そんな俺に嫌悪するような彼女ではないことを俺は知っている。
むしろ押し倒してきそうだ。
すぐに繭奈を家に上げて、リビングに向かい飲み物とちょっとしたお菓子を出す。
「ありがとう。でも気を遣わなくても良かったのよ?」
「いやぁ、やっぱり彼女とのんびりお喋りしたいなぁって……」
それは正直な想いだったのだが、繭奈は うっとりとしながら顔を真っ赤にした。とても嬉しそうだ。
彼女とのんびりお喋りすることもそうだが、お出かけやら遊んだりもしてみたい。
そういうこれからのことについて……直近なら夏休みとかのことも話してみたいなと思う。
それも来月の事だし、楽しみを作っておくのも良いだろう。
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