19 / 19
19
しおりを挟む
今日は、とても忙しい。
いや、忙しいのは私の周りだけ。
私自身は何もしていない。
そう、今日は、例の夜会。
いよいよだと思うと緊張はするよね。
ナラフにあっちこっち磨きに磨かれ、綺麗に着飾ってもらい、玄関前に待機している馬車に乗り込む時になって、やっとデフ君に会えたのだった。
「デフ君、お待たせしました!・・・朝食の時以来だね。こんなに会わない時間が長いのって初めてくらいじゃないかな?」
「そうだな。・・・ホノカの着飾った姿を初めて見るが、よく似合っている。」
いつものまっすーぐな瞳にロックオンされて、そう言われると嘘とか煽てられている訳じゃないと素直にその意味を受け取っちゃう。照れて顔が赤くしながら、自分でも自分の姿をつい確認しちゃう。
首元は、ホワイトパールの大小の粒が連なって重めの装飾品がぶらさがってデコルテを飾っていた。
見るからに高価なネックレス。
そして、元の世界でもずーと隠していた、穂香のコンプレックスの少し大きめな胸が、開きすぎのドレスから強調されていた。
『お胸がコンプレックスなんて事はありえませんよ。むしろアピールすべき喜ばしい個性です!こちらの世界では胸の大きさや形は隠しませんし、むしろ協調するんです。良い伴侶を貴族のお嬢様方はお探しです。それは必要なアイテムですから。』
デフロットの乳母でもあったナラフにそうニッコリと力説され、そうなの?と疑問はあるものの、こちらの世間一般の常識でみんながこんな風にがばーと開いているなら仕方がないかな、隠してしまったらかえって目立ってしまうかも。
これはあきらめって受け入れるしかないかもね。
だいたい、そんなカッコウした女性に会ったことがないのだから判断がつかないよ。
実際、夜会に出てそれは納得!
がばーと開くのは当然で胸は寄せて上げられて、同性の私でも目のやり場に困るほどそこはモリモリだった。
「・・・へんじゃないかな?」
「変ではない。・・・そなたと一番長くいる私が選んだドレスだ。似合うに決まっているだろう?」
無表情に近いデフロットだが、毎日一緒にいると表情の変化がわかるようになった気がしていた。
穂香は何となくデフロットの柔らかい眼差しを感じて喜びが沸いてきた。
「そうだね。・・・今日はがんばるよ!デフ君が作ってくれたせっかくの機会だもんね。」
ドレスの知識など皆無の私の代わりにデフ君とナラフが選んでくれたもの。
少しだけ自信がついた微笑みで返せば、今度はデフロットの胸がざわついた。
しかし、長年の無表情仮面を付ける事を得意とするデフロットの顔は、少々読み取ることができるようになった穂香には高度すきて変化に気づくことができなかった。
いや、忙しいのは私の周りだけ。
私自身は何もしていない。
そう、今日は、例の夜会。
いよいよだと思うと緊張はするよね。
ナラフにあっちこっち磨きに磨かれ、綺麗に着飾ってもらい、玄関前に待機している馬車に乗り込む時になって、やっとデフ君に会えたのだった。
「デフ君、お待たせしました!・・・朝食の時以来だね。こんなに会わない時間が長いのって初めてくらいじゃないかな?」
「そうだな。・・・ホノカの着飾った姿を初めて見るが、よく似合っている。」
いつものまっすーぐな瞳にロックオンされて、そう言われると嘘とか煽てられている訳じゃないと素直にその意味を受け取っちゃう。照れて顔が赤くしながら、自分でも自分の姿をつい確認しちゃう。
首元は、ホワイトパールの大小の粒が連なって重めの装飾品がぶらさがってデコルテを飾っていた。
見るからに高価なネックレス。
そして、元の世界でもずーと隠していた、穂香のコンプレックスの少し大きめな胸が、開きすぎのドレスから強調されていた。
『お胸がコンプレックスなんて事はありえませんよ。むしろアピールすべき喜ばしい個性です!こちらの世界では胸の大きさや形は隠しませんし、むしろ協調するんです。良い伴侶を貴族のお嬢様方はお探しです。それは必要なアイテムですから。』
デフロットの乳母でもあったナラフにそうニッコリと力説され、そうなの?と疑問はあるものの、こちらの世間一般の常識でみんながこんな風にがばーと開いているなら仕方がないかな、隠してしまったらかえって目立ってしまうかも。
これはあきらめって受け入れるしかないかもね。
だいたい、そんなカッコウした女性に会ったことがないのだから判断がつかないよ。
実際、夜会に出てそれは納得!
がばーと開くのは当然で胸は寄せて上げられて、同性の私でも目のやり場に困るほどそこはモリモリだった。
「・・・へんじゃないかな?」
「変ではない。・・・そなたと一番長くいる私が選んだドレスだ。似合うに決まっているだろう?」
無表情に近いデフロットだが、毎日一緒にいると表情の変化がわかるようになった気がしていた。
穂香は何となくデフロットの柔らかい眼差しを感じて喜びが沸いてきた。
「そうだね。・・・今日はがんばるよ!デフ君が作ってくれたせっかくの機会だもんね。」
ドレスの知識など皆無の私の代わりにデフ君とナラフが選んでくれたもの。
少しだけ自信がついた微笑みで返せば、今度はデフロットの胸がざわついた。
しかし、長年の無表情仮面を付ける事を得意とするデフロットの顔は、少々読み取ることができるようになった穂香には高度すきて変化に気づくことができなかった。
1
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
転生したら幽閉王子でした~これどうすんの?
サクラ近衛将監
ファンタジー
神様の眷属の過失が原因の事故に遭って死んだ桜庭雄一が異世界に転生したら、とある国の忌避すべき王子として幽閉されていた。
転生にはチートがつきもののはずだが、事故で死んだ者が300名を超えるために、個別にチートは与えられず、転生先の者の能力を生かせと神に告げられている。
「神の加護」ではないけれど、「恩寵」が与えられているので、当該異世界では努力を為した分、通常に比べると成果があるらしい。
これはとある国の幽閉王子に転生した男の冒険譚である。
原則として、毎週月曜日20時に投稿予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる