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ミズノイズミ
しおりを挟む朝…。
水野さんと一緒に眠ってしまっていた様だ。
部屋のドアがそっと開く。
そっと近づいてくる人の気配…。
ベッドで眠ってる私たちを見下ろしてふうっと長いため息をつく。
そっと頭を撫でられる。
そして水野さんも…。
私は驚きながらも寝ているふりをしていた。
撫でられた場所が熱い…。
部屋はまだ薄暗いお陰できっと私が真っ赤になっているのはわからないはずだ。
「んっ…真実?」
水野さんは起きた様だ。
「大丈夫か?」
低い声で水野さんに問いかける真実…。
「うん…。」
「なあ泉、透の事…諦めるなよ。あいつ…どうしたらいいのか分からないだけなんだと思うぜ?…今までずっと1人だったから戸惑ってるんだ…。」
「うん。私…待つつもりだよ。青海君が私のこと好きだって言ってくれたし…。そのうち…きっと…。じゃないと…辛すぎるよ…。これからもずっと1人なんて…。私、青海君を1人にしたくない…。」
真実は再水野さんを撫でる。
「愛されたことないって言うんなら、お前がたくさん愛してやれよ。透が我慢しきれなくなって根を上げるまで…。アイツ、最近ずっとお前を好きな気持ちに振り回されてるみたいだしな。」
部屋に2人の声が溶けていく。
真実…こんなこと言うんだ…。
正直に驚いた。
水野さんがベッドから起き上がる気配がする。
「早速行くのか?」
「うん。青海君と気まずくなりたくないし、気を遣ってほしくないもん。」
部屋を出て行く水野さん。
真実と部屋に残される。
…胸がドキドキする…。
真実は私が寝ている横に寝転ぶ。
真実の手が再び伸びてきて私の頭を撫でる。
…口から心臓を吐き出すんじゃないかと思うほどドキドキしていた…。
「なあ浅川…透の事…責めないでやってくれよ…。透は…もっとゆっくり時間かけていかないとダメなんだ…。それ程までに永い時間苦しんでいる…。俺もアイツを…救ってやりたいと思ってる…。」
真実に優しく撫でられ続けていると何故か泣きだしそうになる。
胸が苦しくて…切ない…。
「でも泉の事は…ありがとな。」
寝たふりをしているのを知ってか知らずか話しかけてくる真実。
真実はベッドから起き上がり私にかかっていた毛布をかけ直して部屋から出て行った。
真実が…好きだ…。
それしか考えられなかった。
私は真実が好きなんだ。
好きな人に撫でられることがこんなに気持ちいいなんて…知らなかった。
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