◆君と一緒にいられたら…〜青海透の恋愛事情

青海

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目覚め

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 …。


 …。


 …。


 暖かい日差しを感じて目を覚ます。


 視界に入って来たのは知らない部屋だった。

 すぐそばに窓があった。

 よく晴れている様で、空が青い…。

 思わず起きあがろうとした。

 でも身体が痛くて…。

 途中で諦めた。


 ふと腕に点滴の針が刺さっているのに気づく。



 「…んっ…?」

 
 何でこんな物が…。

 
 反対の手で触ろうとした。




 「透っ!?」


 …泉の声…。

 
 「?」


 驚いて振り返ろうとするができなかった。


 「い…ず…。」

 声が掠れてしまって喉から空気が漏れた。

 
 視界に泉が映った。

 久しぶりに泉を見た気がした。

 泉が突然泣きながら抱きついてくる。

 …どうして泣いているんだろう…。

 そう思ったが聞けなかった。


 
 なんだか眠くて仕方ない…。

 なんとか手を動かして抱きついている泉の頭に触れた。

 ちゃんと笑えたかな…。

 

 やっぱ泉はすごい温かい…。

 嬉しかったが眠気に勝てずに意識を手放した。



 ★




 月の光…。


 次に目を覚ました時は夜の様だった。


 窓から月の光が入ってきて、部屋をぼんやりと照らしている。


 「んっ…。」

 
 …身体が痛い…。

 声を漏らすと側で真実の声がした。

 「透…大丈夫か?」

 「んっ…?…大丈夫って…何が?」

 顔を動かし真実を見る。

 ふっと真実が顔に触ってきた。

 「いや…いいんだ…。」

 真実の顔が近づいてきて、額を透の胸に押し当てる。

 「…真実?」

 真実はしばらくそうしていた。

 「…真実、くすぐったいよ…。」

 そう言うと真実は離れた。

 「透…良くがんばったな…。」

 そう言いながら静かに真実が涙を流した。

 「真実…?」

 真実はすぐに涙を拭く。

 真実は微笑む。

 「まだ夜中だ…眠かったらもう少し眠れよ?」

 そう言われる。


 
 「分かんないけど、ずっと身体が痛くて…。もう寝てられないよ。」

 そう言いながら起きあがろうとした。

 真実に手伝ってもらい身体を起こす。

 

 「一体何でこんな事になってるのか…。さっきまで元気だったのに…。」

 
 ふと腕が包帯と傷だらけになっている事に気づいた。

 「は?なんだこりゃ…。」

 「…透…。」

 掛かっていた掛け布団を捲る。

 「えっ…なんで?」

 身体中が包帯と擦り傷だらけだった。

 意味がわからず真実を見る。

 目が合うと真実は真剣な眼差しで見つめ返してくる。



 「事故があったんだ…。半月前…。」

 「は?」

 
 半月前…俺達と別れたあの直後、透と義両親の乗った車が事故に遭ったと真実が言った。

 信号待ちをしていた透達の乗った車にトラックが正面から突っ込んで来たらしい。

 「…。」

 「それで…?」

 黙った真実に問う。

 「俺の…義両親は…?」

 真実が視線を逸らす。

 「…助かったのはお前だけだ。」

 「っ!!」



 「だけどあの事故でお前だけでも助かったのは奇跡的でっ!?透!?」

 
 …胸が痛い…。

 真実が何を言っているのか…理解したくなかった。

 でも脳は勝手に言葉を処理していく…。

 
 物凄い吐き気と頭痛がする。

 刺された様な心臓の痛みに胸を押さえる。 

 「まだ早かったか…だが透、遅かれ早かれいつかは知る事だ!よく聞けよ!俺は、泉だってお前が助かった事を本当に嬉しく思ってるぞ!!」
 
 

 ナースコールを押したのか看護師達が部屋に入ってくる。

 ベッドに寝かされ、腕に痛みを感じた。

 徐々に薄れていく意識の中で真実の顔が目に入る。  

 …真実がこんなに泣くなんて…。


 そしてもう透を救ってくれた人達には逢えないのだと思った。

 たくさん色んなことをしてもらったのに…何も…返せなかった。



 優しかった義両親の顔と泉の笑顔が目に浮かんで消えていった。








 
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