◆君と一緒にいられたら…〜青海透の恋愛事情

青海

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春休み

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 「透、おめでとうっ!」
 
 泉が隣で笑う。

 「ありがとう。どうなることかと思ったけど。」

 無事に進級が決まった。

 明日から短い春休みが始まる。

 

 「って言うか…最近透…背が伸びたよね…。」

 少し赤くなりながら泉が言った。

 「ん…そうかな…。」

 言われてみれば確かに…泉との距離が少し遠くなったような…。

 少し前までは泉とそんなに変わらない身長だったが最近は泉を見下ろすほどになっていた事に気づく。

 「背だけは伸びるけど中身は全然変わらないよ。真実みたいにカッコよくなりたいな…。」


 

 少し前を浅川さんと歩いている真実。

 すっかり身長も伸びて…。

 来月から剣道部の部長兼生徒会長だ。

 「真実かっこいいよね!」



 泉にそう言うと微笑んだ。

 「透より真実の方が何も変わってないよ。」

 「?」

 …そんなはずない…と思うんだけど…。

 真実を眺める。

 …やっぱり真実はカッコいい。




 ★



 背が伸びてから何故か女の子に話しかけられる事が多くなった。

 スーパーのバイト中に品出しをしていると同い年くらいの女の子二人組に話しかけられた。

 「お兄さんっ、バイト何時までですか?」

 「え?なんで…?」

 「バイト終わったら遊びに行きませんか?」

 …。

 困惑してしまう。

 「ごめんなさい、忙しいから。」

 何とかそう言う。

 「じゃあいつなら空いてます?」

 「ごめん、まだ仕事あるから…。」

 そう言って逃げようとした先に泉がいた。

 「あ、泉…来てくれたの?今日は何買うの?」

 泉は困ったような顔をする。

 「ちょうどお醤油が無くなっちゃって。」

 「そうなんだ。ゆっくり見ててよ。もう少しで終わるから一緒に帰ろう?」

 うなづく泉に手を振ってレジに立つ。

 泉と一緒に帰れる!

 そう思うと嬉しくなる。




 もうすぐ交代の時間だ。

 そう思っていたらまたあの二人組…。

 「アドレス交換しませんか?」

 再び話しかけられる。

 「ごめん、携帯持ってないから。」

 「遊びに行きましょう?」

 支払いが済んだのに離れようとしない。

 「ごめん、仕事中なの!こういうの困るから…。」

 何とか女の子達を帰す。
 
 …面倒だな…。

 どうしてもそう思ってしまう。

 

 さてさて次は…っと思ったら泉が並んでいた。

 と同時ぐらいに交代の人が来る。

 交代は店長さんだった。

 店長さんにお願いして泉のところまでレジ打ちさせて貰う。

 「ああ、透くんの彼女だね。」

 「…すいません。せっかく来てくれたから…。」

 店長は泉を見て微笑んだ。

 「可愛い子じゃないの。大事にするんだよ。」

 そう言ってくれた。





 「泉…お待たせっ」

 泉の側まで走る。

 「急がないで良いよ。」

 泉が笑った。

 …けど何か少し様子が違う気がした。

 …?


 
 
 泉の持つ買い物袋を持ち反対の手で泉と手を繋ぐ。

 最近やっと泉と手を繋ぐ事にも慣れてきた。

 「泉、今日はご飯なににするの?」
 
 「ビーフシチューにしようと思うんだけど…。」

 「やったっ!俺泉のビーフシチュー大好きっ!」

 泉は笑ってくれたけどやっぱり…。

 

 家の近くの公園が見えてきた。

 「ねえ泉、ちょっと寄り道しようか。」

 泉をベンチに座らせる。

 傍の自販機でお茶を買って泉に渡した。

 「ありがとう。」

 泉の隣に座ってお茶を飲んだ。

 

 「泉、どうしたの?何か…俺しちゃった??」

 そう聞くと泉は首を振った。

 「ううん…違うよ。」

 「…それとも俺の事…嫌になった?」

 泉は振り向く。

 「それは無いよっ!ただ最近透凄いカッコ良くなって、女の子に話しかけられること多くなったよね。…だから私なんか…。」

 うつむく泉…。

 「透を…そのうち他の子に取られちゃうって…そう思ったら…。」

 真っ赤な顔でそんなことを言い出した。

 ……。

 …可愛い…。

 …可愛すぎる…。

 一人だったら悶えていたところだ…。

 「透…私っ…」

 もう耐えられなかった。

 泉の肩を掴んで抱き寄せる。

 もう…抑えられそうにない…。

 泉を抱きしめる。

 「透っ?!」

 「ごめん…もう耐えれそうにない…。」

 泉の首筋に額を押し付ける。

 「んっ透っ…くすぐったい…。」

 泉に構わず額を擦り付ける。

 「ああっ、泉っ好きだよ。…ほんっと可愛すぎる…。オレっ我慢できなくなりそうっ!」

 「透…。」

 泉と目が合って…。

 勢いでそのままキスしてしまいそうになる。
 
 …。

 何とか泉の額に口付けた。

 「ごめんね。今の俺にはこれが精一杯。本当に途中でやめれなくなっちゃうから。」

 泉の肩をぎゅっと握り身体を離す。

 「ごめん…オレまだガキで…。もう少し…待って?」

 「…っ…。」

 赤い顔で見上げてくる泉…。

 「…泉…。やっぱりもう一回抱きしめさせてっ!」

 やっと泉が笑った。

 泉を再び抱きしめる。

 「泉…俺は…泉以外の女の子に興味ないから。」

 「…うん…。」

 泉が背中に手を回してくれた。

 泉を抱きしめているとやっぱりどうしても…。

 …マズイ…。

 下半身に血液が…。


 
 慌てて泉を離す。

 「…?透?」

 泉が不思議そうな顔をする。

 「ごめん…最近泉の事考えたり見てると…。」

 そっと上着で隠す。
 
 何となく泉も察してくれたようだ。

 「んっ…分かったから…。」

 赤い顔で困ったように笑う泉。

 …こんな事で…情けない…。

 
 

 

 

 
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