◆君と一緒にいられたら…〜青海透の恋愛事情

青海

文字の大きさ
83 / 102

誕生日のお祝い

しおりを挟む
 「真実…さりげなく透と色違いのパーカー着てるんだよ…。」

 泉がすこし拗ねた様な顔をしている。

 「…そうなの?」

 ため息をつく泉の肩を抱く。

 「真実…透の事絶対好きだと思うな…。」

 「そりゃあまあ、友達だしさ…。泉は俺のこと好き?」

 赤くなった泉が頷く。

 


 泉とスーパーに買い物に来ていた。

 過ぎてしまった誕生日をわざわざ祝ってくれると言うのでそれなら一緒にケーキでも作ろうかと誘った。

 泉と一緒に何かを作るのは楽しいし、この前泉が作ってくれたクッキーを食べてからお菓子作りに興味が湧いたのもあった。

 ケーキを泉が嬉しそうに食べる姿を見るのは本当可愛くて好きだった。



 
 「泉、材料これで足りるかな?」

 「うん。大丈夫だよ。」

 メモを見比べながら泉が笑う。

 ついでに夕飯の材料も買い込んで、スーパーを出た。

 泉と手を繋いで家に帰る。

 


 材料を量って生地を作る。

 温度と時間を見ながらスポンジを焼いて、クリームを泡立てる。

 お菓子作りは面白い。
 
 最後の飾り付けは泉に任せて夕飯作りを始める。

 
 
 せっかく泉が来てくれてることだし…。

 久しぶりに唐揚げを作った。

 「いい匂いっ!」

 泉が嬉しそうにそばに来る。

 「泉…そっちはもういいの?」

 「うん。少し冷やしたいから、もう少し待ってね?」

 唐揚げにサラダと炊き込みご飯。

 …お腹空いたな…。


 ケーキは食後のデザートにっ★





 目の前に泉が座っている…それだけで充分だった。

 「美味しいっ!やっぱり透が作った唐揚げが一番っ。」

 泉が美味しそうに唐揚げを食べてくれる。

 「う~ん。でも俺は泉の作ったビーフシチューが一番好きだよ。この前作ってくれたミートボールも美味しかったけど。」

 「…早く高校卒業して…一緒に暮らしたいな…。」

 泉が嬉しい事を言ってくれる。

 「…そしたらもう泉を家に帰さないでもいいんだなあ…。」

 ふっとそんな事を言ってしまった。

 「…透…。」

 「あ、イヤ、帰りたい時はもちろん帰っていいんだよ?お母さんだって心配するだろうし。泉は自由に…。」

 泉が立ち上がってそばに来る。

 「…泉?」

 後ろから抱きしめられた。

 
 
 

 「透の誕生日…10月ってことは去年は一緒に過ごせてたんだよね?」

 泉が去年の事を思い出そうとしているのかむずかしい顔をする。

 「うん。去年の10月はずっと泉の家にいたから…あんまり覚えてないけど一緒に過ごせたと思うよ。」

 「私…透におめでとうって2回も言えなかったんだねっ…。ごめんなさい。でも私は…本当に透が産まれてきてくれて…逢えて良かったって思ってるよ?」

 …そんな事を今まで言ってくれた人なんかいなかった。

 「…泉…嬉しいよ。ありがとう。俺も…泉に会えたおかげで…生きてきて良かったって…今思えた…。」

 泉の手に触る。

 …なんだか泣きそうになってしまう。

 

 
 「…ケーキ食べよっか。」

 泉が目元を拭いながら冷蔵庫のそばに歩いて行く。

 「泉のケーキっ楽しみだなっ!」

 


 可愛らしいデコレーションが施されたケーキが机の上に置かれる。

 真っ白なクリームの上には苺やメロンが乗っていてすごい美味しそうだった。

 「…こんなの作れるんだねえ…。」

 せっかくなのでカメラで写真を撮る。

 「泉…せっかくだから一緒に撮ろう?」

 カメラをテレビに載せてタイマーをセットする。

 ケーキと泉がちゃんと写るように…。

 泉の隣に座ってシャッターが降りるのを待つ。

 シャッターが降りる瞬間に泉が頬にキスしてくれた。

 「…っ!」

 思わず赤くなってしまう。

 「誕生日おめでとうっ透っ!」

 泉が笑顔で抱きついてくる。

 「…ありがとうっ。泉…。」

 嬉しくてたまらなかった。

 泉を抱きしめていられるだけで幸せだと思った。


 「透…それで…これ…良かったら使って?」

 泉がくれたのはキーケースだった。

 「…私も色違いの買ったんだっ★」

 嬉しそうに見せてくれる。

 泉の家の鍵と、透の家の鍵がくっついて収められている。

 「…来年は一緒に暮らせてると思うし…。私も透とお揃いの何かを持ちたかったの…。」

 赤くなりながらもそう言ってくれる泉は本当可愛くって…。

 「嬉しいよ。ありがとね。」

 泉がくれたキーケースに早速自宅の鍵を付ける。

 


 ケーキに蝋燭を刺して火を灯す。

 向こう側に座っている泉の顔を照らし出す。

 っ…綺麗だな…。

 泉と目が合うと照れた様に泉が笑った。


 
 「透…おめでとうっ!」

 笑顔の泉に促されて蝋燭の火を吹き消す。

 …幸せだ…。

 …ずっと泉と一緒にいたいと思った。




 

 
 
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

結婚する事に決めたから

KONAN
恋愛
私は既婚者です。 新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。 まずは、離婚してから行動を起こします。 主な登場人物 東條なお 似ている芸能人 ○原隼人さん 32歳既婚。 中学、高校はテニス部 電気工事の資格と実務経験あり。 車、バイク、船の免許を持っている。 現在、新聞販売店所長代理。 趣味はイカ釣り。 竹田みさき 似ている芸能人 ○野芽衣さん 32歳未婚、シングルマザー 医療事務 息子1人 親分(大島) 似ている芸能人 ○田新太さん 70代 施設の送迎運転手 板金屋(大倉) 似ている芸能人 ○藤大樹さん 23歳 介護助手 理学療法士になる為、勉強中 よっしー課長(吉本) 似ている芸能人 ○倉涼子さん 施設医療事務課長 登山が趣味 o谷事務長 ○重豊さん 施設医療事務事務長 腰痛持ち 池さん 似ている芸能人 ○田あき子さん 居宅部門管理者 看護師 下山さん(ともさん) 似ている芸能人 ○地真央さん 医療事務 息子と娘はテニス選手 t助 似ている芸能人 ○ツオくん(アニメ) 施設医療事務事務長 o谷事務長異動後の事務長 雄一郎 ゆういちろう 似ている芸能人 ○鹿央士さん 弟の同級生 中学テニス部 高校陸上部 大学帰宅部 髪の赤い看護師(川木えみ) 似ている芸能人 ○田來未さん 准看護師 ヤンキー 怖い

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

その出会い、運命につき。

あさの紅茶
恋愛
背が高いことがコンプレックスの平野つばさが働く薬局に、つばさよりも背の高い胡桃洋平がやってきた。かっこよかったなと思っていたところ、雨の日にまさかの再会。そしてご飯を食べに行くことに。知れば知るほど彼を好きになってしまうつばさ。そんなある日、洋平と背の低い可愛らしい女性が歩いているところを偶然目撃。しかもその女性の名字も“胡桃”だった。つばさの恋はまさか不倫?!悩むつばさに洋平から次のお誘いが……。

【完結】一番腹黒いのはだあれ?

やまぐちこはる
恋愛
■□■ 貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。 三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。 しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。 ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。

リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした〜

ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。 イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。 8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。 ※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

元婚約者が修道院送りになった令嬢を呼び戻すとき

岡暁舟
恋愛
「もう一度やり直そう」 そんなに上手くいくのでしょうか???

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...