愛を知らない私と僕

こむぎ

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11(悠斗視点)

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「え?もう居ない?」
起きてお姉さんにお礼を言おうといそいそとリビングに行けば、優希ちゃんがのんびりとカフェオレを飲んでいた。
そして言われた言葉が、「なるならもう会社行った」だった。
そう言えば昨日「職業柄ねー」といっていたな、、、
え?お姉さん学生じゃないの、、、?

混乱してる俺に優希ちゃんが、お姉さん(さすがに失礼だから鳴瀬さんと呼ぼう、、、)の今までの人生をポツリ、ポツリと話し始めた。
、、、孤児だったこと、愛情なんて欠けらも無い母親、大きなプレッシャーに、社会の闇。
それを小学生の頃に全てみて、理解して、対応してたって言うんだから。
、、、凄すぎるよ。でも、計り知れない苦しみがあっただろうし、今もあるんだろうな。
少しでも心を軽く出来ないかな、、、
よし、康太に相談しよ。
、、、え?デジャヴ?気の所為だと思うよ?

にしても、優希ちゃん
鳴瀬さんの事嫌ってるのかと思うぐらい冷たい言い方だったな、、、
え?仲悪いの?
あんなに鳴瀬さん、優希ちゃんが褒められてて嬉しそうだったのに、、、
「環境が違うから」って言っても、、、
何だか寂しいな、、、


「知らねぇよそんなの」
「、、、だよねぇ~」
早速、起きてきた康太に、相談してみた。
返ってきたコメントがとても辛辣なんですけども(泣)
「なんで急にそう思ったんだ?」
「いや、実は昨日、、、」
「、、、は?昨日?」
「、、、なんでもない」
言いかけて止めた。
あっぶね、泣いてたのバレるじゃん。
「、、、何があったかは知らねぇけど愚痴聞いてやるだけでも変わるんじゃねぇの?」
「、、、愚痴を聞く、、、か」
鳴瀬さんは、心を軽くする方法をわかってたってことかな。
うーん、やっぱ鳴瀬さんにはかなわないなぁ
「うんうん、鷹村くん、なっちゃんにかなわないかもねぇ」
「、、、いつから聞いてたのー?ゆめちゃん?」
「んーとね、“心を軽くする方法”を遠野くんに聞いた辺りかな?」
「それ、全部聞いてるねー?」
まじですか、、、恥ずかし。
ゆめちゃんってびっくりするぐらい勘が鋭いんだよね。
ん、、、?俺鳴瀬さんについて言ったっけ?
「分かるよー?ゆめはなんでもお見通しなのだっ!!」とドヤってるゆめちゃん。
「、、、なっちゃんは無意識になんでも我慢しちゃうの。仕事とかならハッキリ言ったりとかできるのに、プライベートになるとからきし。」
だから、、、とゆめちゃんは一度区切った。
「鷹村くんもなっちゃんにも、信頼できてなんでも話せる人を見つけて欲しいの。」
と、真っ直ぐな目で言われました。
、、、信頼できるなんでも話せる人、かぁ。

、、、鳴瀬さんが思い浮かんだのは黙っておこう
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