3 / 3
たまてくんと魔法少年
しおりを挟む
☆前回のあらすじ☆
ハンバーガーを食べました。
>魔法少年になって早3日。
「1日身体が元気でいるために朝ごはんはしっかり食べるラ!!」
ヤキトリとの生活も3日目。ドンドン世話焼きおばちゃんぽくなってきている。おかげさまで前よりまともな食事を余儀なくされている。味噌汁にご飯に目玉焼き。美味しい。目玉焼きは両面焼きの中半熟。もちろん醤油派だ。
「ぼくちんは決めたのラ。魔法少年として雇用契約している間に玉手を健康優良児にするラ!」
朝ごはんの片付けが終わるとスマホで猫の動画を観ていた僕にヤキトリはそう言った。
「……別に僕、健康だけど。健康診断でも体重以外で引っかかったことない。」
「その体重が大事なのラ。今は他の項目が引っかかってなくても、そのうち少しずつ綻びがでてくるラ。」
そう言われると反論できない。
「昨日の玉手は1日お家で勉強してたラ。日光を浴びた方がいいのラ。だから今日は少しでも外に出ることをオススメするラ。」
凄い健康管理してくる…。
「昨日で高校の課題も予習も終わったし、今日はおばあちゃん家に行こうと思ってるから外には出るよ。帰ったら勉強はするけど。」
「噂のおばあちゃんラ!!新キャラ!」
「そんな人のおばあちゃんをキャラクターみたいに…。」
>制服に腕を通す。新品だからまだ硬くて動きづらい。新しい制服の香りがする。スンスンスンスン。
「嫌いじゃない…。」
「……なんかキモイのラ。」
「ヤキトリがいると家でちょっとやっちゃう人には見られたくないことが出来ないよね。」
「真新しい制服の匂いを嗅ぐことがやりたいことなのラ…?」
「せ、折角だから……!!」
新しい洋服とかレアだし!!
「それにしてもまだ春休みなのになんで制服着るラ?」
「おばあちゃんのおかげで高校通えるから、届いた制服を見せたげたくて。」
「それはいい案ラ!玉手は本当におばあちゃん大好きなのラ。」
「それはそう。」
「即答ラ。」
両親が玉を弾いて帰ってこない間も嫌な顔せず、面倒を見てくれたおばあちゃん。嫌われることはあっても嫌うことは絶対にない。
おばあちゃん家は歩いて40分くらいの団地だ。今までは無心で歩いてたけれど、今はヤキトリがいてうるさいけど、飽きることなく歩ける。
「おばあちゃん、着たよ~!!」
「おや、たまちゃん。いらっしゃい。」
「見て見て、これ高校の制服!ちょっと大きいけど、すぐピッタリになるからね!」
「わぁ、たまちゃん。すっかりお兄さんね。」
「えへへ。」
玉手とおばあちゃんは嬉しそうに話しているラ。こうやって見ると年相応にみえるラ。確かに優しそうなおばあちゃんラ。玉手とは出会って3日経つけれど、誰かと話すのははじめて見たラ。両親は玉を弾くとき以外は仕事をしていて帰ってくることはごく僅からしいラ。玉手にとってはそれが当たり前のようだラ。だからそれを可哀想と思ってしまうのはぼくちんの勝手な判断ラ。でも出会って、相棒となったのなら少しでも幸せになってもらいたいと思うのは悪いことではないはずラ。
「あのね、おばあちゃん。今日はこれ持ってきたんだ。」
「まぁ、なぁに。お砂かしら?虹色で綺麗ね。」
「これねお守り。おばあちゃんがもっっと楽しく過ごせるように。」
おばあちゃんの手のひらに小瓶を置く。初めての魔法少年としてGETしたマジカルルンパウダーなるもの。少し運気が上がるというアイテムらしい。なら1番におばあちゃんにあげたかった。隙を見て、少しおばあちゃんにバレない程度で振りかけてみた。パウダーは直ぐに消えて跡形も無くなった。これで使い方はあってるのか…?残りは綺麗だからそのままおばあちゃんに渡すことにした。
「ありがとう、たまちゃん。おばあちゃん嬉しい。でもねたまちゃん。おばあちゃんは今のままでも充分に幸せなのよ。たまちゃんが大きくなっていく姿を見れるのがおばあちゃんの一番の幸せなんですから。」
おばあちゃんは優しく笑った。
>鳥は泣いていた。「良いおばあちゃんラぁぁああああああああ!!」大号泣だった。ヤキトリが隣で号泣してるから僕が泣くタイミングを失った。
おばあちゃんと話をしていると、スマホが点滅しだした。これは敵が近くにいる合図だ。名残惜しいが、おばあちゃん家を後にしてマップを見ながら僕らは走っていた。
「いつまで泣いてんの?」
「涙が止まるまでラ。」
「だからそれが何時までか聞いてるんだけど…。」
☆変身(以下略)☆
マップが示した目的地は中学校だった。自分の学区の中学校ではないから、初めましての場所だ。
「…中学校って入ったら不味いんじゃ?」
「このまま入るのは大変よろしくないラ。良い子は真似してはいけないラ。でも魔法少年はセーフラ。」
「セーフなの!?」
「見えないかラ?」
「えー…」
令和的に中学校に侵入は大炎上不可避。魔法少年だとしても許されるのか危ういところである。実害がでるなら突入も許される気がするが、そういうわけでもないのである。だって風船だから。
ぷかぷかと浮かぶ風船が屋上からプカプカと降りてくる。このままこっちに来れば、侵入しなくてもいける!そう思ったのと同時に風船を追うように人が屋上から落ちてきたのだった。
>「うわぁああああああああああ!!」
屋上から人が落ちてきてる。どうしていいか分からず、思わずキャッチしようと試みる。屋上から落ちてきた人なんてキャッチしたら僕も無事では済まない気もするが、魔法少年だからきっと平気!!!!
後から思えば浮けるんだから、浮いて助ければよかった。
むんっと下で構えて待ってみたが、落ちてきた人は宙でピタリと止まった。しかも立った状態で。
「え?」と僕が困惑していると、その人は振り返った。
猫耳のフードが付いている黄色の大きなパーカーをワンピースのように着ている。顔はよく見えない。けれど小学生くらいの男の子だ。隣にはキャラクターみたいなデフォルメされた猫が。
「あれは魔法少年ラ!」
ま、魔法少年!?!!?そんなご近所にいるの!?
黄色の魔法少年と目が合う。
「こ、コンニチハ…」
取り敢えず笑ってみせる。敵意はないんです。僕は仲間ですって伝われ!!!!!
僕の笑顔がキモかったのか、猫耳フードの隙間から見えた顔はやや困惑ぎみだった。
謎の沈黙が流れる。しかし、その沈黙を破ったのは彼の精霊だろう黄色の猫だった。
「それよりも凜、今は風船ドゥ!」
「あ…うん、そうだね…。」
猫の精霊に凜と呼ばれるその子は、校門付近まで落ちた風船を追いかける。手にはいつの間にかバレリーナのリボンのような物が。
「凜、浄化!」
「うん!!!」
「マジカル猫じゃらし準備OK…。沢山遊ばせてね…?」
少年はステッキの部分を持ち、リボンを風船の周りで回す。バレリーナのリボンのようにも見えるが、先端には魚のオモチャが付いていて、本人も仰っていたが猫じゃらしのようだ。
「沢山遊んで帰りましょ…♩」
その決めゼリフと共に猫じゃらしのリボンが光輝いて、風船を包む。光が消えると少年の手にはマジカルルンパウダーが。
「浄化、完了…。」
一瞬の出来事に思わず黙って見守ってしまった。
「すごい、これが本物の魔法少年…。」
「玉手も一応本物ラ。」
「いやー、輝き方が全然違うよ。」
なんというか今どきの言葉で映え?ってやつかな。ポージングとか、ステッキ?の魅せ方が凄い上手でこれが本物って感じがした。スムーズさもまるで違う。僕なんて叩き割ったし…。
「キミ、凄いね!めっちゃ魔法使いって感じだった!!」
「え…、あぅ…。」
猫耳パーカーの少年はもじもじとしている。
「凜!ちゃんと挨拶するドゥ。」
また猫の精霊に促されている。うちのヤキトリとは違った形の保護者タイプだ。精霊はおかん体質が多いのか?
「あ、うん…、魔法少年やってます…。東雲凜です…。よろしくお願いします…。」
これが魔法少年りんくんとの出会いだった。
ハンバーガーを食べました。
>魔法少年になって早3日。
「1日身体が元気でいるために朝ごはんはしっかり食べるラ!!」
ヤキトリとの生活も3日目。ドンドン世話焼きおばちゃんぽくなってきている。おかげさまで前よりまともな食事を余儀なくされている。味噌汁にご飯に目玉焼き。美味しい。目玉焼きは両面焼きの中半熟。もちろん醤油派だ。
「ぼくちんは決めたのラ。魔法少年として雇用契約している間に玉手を健康優良児にするラ!」
朝ごはんの片付けが終わるとスマホで猫の動画を観ていた僕にヤキトリはそう言った。
「……別に僕、健康だけど。健康診断でも体重以外で引っかかったことない。」
「その体重が大事なのラ。今は他の項目が引っかかってなくても、そのうち少しずつ綻びがでてくるラ。」
そう言われると反論できない。
「昨日の玉手は1日お家で勉強してたラ。日光を浴びた方がいいのラ。だから今日は少しでも外に出ることをオススメするラ。」
凄い健康管理してくる…。
「昨日で高校の課題も予習も終わったし、今日はおばあちゃん家に行こうと思ってるから外には出るよ。帰ったら勉強はするけど。」
「噂のおばあちゃんラ!!新キャラ!」
「そんな人のおばあちゃんをキャラクターみたいに…。」
>制服に腕を通す。新品だからまだ硬くて動きづらい。新しい制服の香りがする。スンスンスンスン。
「嫌いじゃない…。」
「……なんかキモイのラ。」
「ヤキトリがいると家でちょっとやっちゃう人には見られたくないことが出来ないよね。」
「真新しい制服の匂いを嗅ぐことがやりたいことなのラ…?」
「せ、折角だから……!!」
新しい洋服とかレアだし!!
「それにしてもまだ春休みなのになんで制服着るラ?」
「おばあちゃんのおかげで高校通えるから、届いた制服を見せたげたくて。」
「それはいい案ラ!玉手は本当におばあちゃん大好きなのラ。」
「それはそう。」
「即答ラ。」
両親が玉を弾いて帰ってこない間も嫌な顔せず、面倒を見てくれたおばあちゃん。嫌われることはあっても嫌うことは絶対にない。
おばあちゃん家は歩いて40分くらいの団地だ。今までは無心で歩いてたけれど、今はヤキトリがいてうるさいけど、飽きることなく歩ける。
「おばあちゃん、着たよ~!!」
「おや、たまちゃん。いらっしゃい。」
「見て見て、これ高校の制服!ちょっと大きいけど、すぐピッタリになるからね!」
「わぁ、たまちゃん。すっかりお兄さんね。」
「えへへ。」
玉手とおばあちゃんは嬉しそうに話しているラ。こうやって見ると年相応にみえるラ。確かに優しそうなおばあちゃんラ。玉手とは出会って3日経つけれど、誰かと話すのははじめて見たラ。両親は玉を弾くとき以外は仕事をしていて帰ってくることはごく僅からしいラ。玉手にとってはそれが当たり前のようだラ。だからそれを可哀想と思ってしまうのはぼくちんの勝手な判断ラ。でも出会って、相棒となったのなら少しでも幸せになってもらいたいと思うのは悪いことではないはずラ。
「あのね、おばあちゃん。今日はこれ持ってきたんだ。」
「まぁ、なぁに。お砂かしら?虹色で綺麗ね。」
「これねお守り。おばあちゃんがもっっと楽しく過ごせるように。」
おばあちゃんの手のひらに小瓶を置く。初めての魔法少年としてGETしたマジカルルンパウダーなるもの。少し運気が上がるというアイテムらしい。なら1番におばあちゃんにあげたかった。隙を見て、少しおばあちゃんにバレない程度で振りかけてみた。パウダーは直ぐに消えて跡形も無くなった。これで使い方はあってるのか…?残りは綺麗だからそのままおばあちゃんに渡すことにした。
「ありがとう、たまちゃん。おばあちゃん嬉しい。でもねたまちゃん。おばあちゃんは今のままでも充分に幸せなのよ。たまちゃんが大きくなっていく姿を見れるのがおばあちゃんの一番の幸せなんですから。」
おばあちゃんは優しく笑った。
>鳥は泣いていた。「良いおばあちゃんラぁぁああああああああ!!」大号泣だった。ヤキトリが隣で号泣してるから僕が泣くタイミングを失った。
おばあちゃんと話をしていると、スマホが点滅しだした。これは敵が近くにいる合図だ。名残惜しいが、おばあちゃん家を後にしてマップを見ながら僕らは走っていた。
「いつまで泣いてんの?」
「涙が止まるまでラ。」
「だからそれが何時までか聞いてるんだけど…。」
☆変身(以下略)☆
マップが示した目的地は中学校だった。自分の学区の中学校ではないから、初めましての場所だ。
「…中学校って入ったら不味いんじゃ?」
「このまま入るのは大変よろしくないラ。良い子は真似してはいけないラ。でも魔法少年はセーフラ。」
「セーフなの!?」
「見えないかラ?」
「えー…」
令和的に中学校に侵入は大炎上不可避。魔法少年だとしても許されるのか危ういところである。実害がでるなら突入も許される気がするが、そういうわけでもないのである。だって風船だから。
ぷかぷかと浮かぶ風船が屋上からプカプカと降りてくる。このままこっちに来れば、侵入しなくてもいける!そう思ったのと同時に風船を追うように人が屋上から落ちてきたのだった。
>「うわぁああああああああああ!!」
屋上から人が落ちてきてる。どうしていいか分からず、思わずキャッチしようと試みる。屋上から落ちてきた人なんてキャッチしたら僕も無事では済まない気もするが、魔法少年だからきっと平気!!!!
後から思えば浮けるんだから、浮いて助ければよかった。
むんっと下で構えて待ってみたが、落ちてきた人は宙でピタリと止まった。しかも立った状態で。
「え?」と僕が困惑していると、その人は振り返った。
猫耳のフードが付いている黄色の大きなパーカーをワンピースのように着ている。顔はよく見えない。けれど小学生くらいの男の子だ。隣にはキャラクターみたいなデフォルメされた猫が。
「あれは魔法少年ラ!」
ま、魔法少年!?!!?そんなご近所にいるの!?
黄色の魔法少年と目が合う。
「こ、コンニチハ…」
取り敢えず笑ってみせる。敵意はないんです。僕は仲間ですって伝われ!!!!!
僕の笑顔がキモかったのか、猫耳フードの隙間から見えた顔はやや困惑ぎみだった。
謎の沈黙が流れる。しかし、その沈黙を破ったのは彼の精霊だろう黄色の猫だった。
「それよりも凜、今は風船ドゥ!」
「あ…うん、そうだね…。」
猫の精霊に凜と呼ばれるその子は、校門付近まで落ちた風船を追いかける。手にはいつの間にかバレリーナのリボンのような物が。
「凜、浄化!」
「うん!!!」
「マジカル猫じゃらし準備OK…。沢山遊ばせてね…?」
少年はステッキの部分を持ち、リボンを風船の周りで回す。バレリーナのリボンのようにも見えるが、先端には魚のオモチャが付いていて、本人も仰っていたが猫じゃらしのようだ。
「沢山遊んで帰りましょ…♩」
その決めゼリフと共に猫じゃらしのリボンが光輝いて、風船を包む。光が消えると少年の手にはマジカルルンパウダーが。
「浄化、完了…。」
一瞬の出来事に思わず黙って見守ってしまった。
「すごい、これが本物の魔法少年…。」
「玉手も一応本物ラ。」
「いやー、輝き方が全然違うよ。」
なんというか今どきの言葉で映え?ってやつかな。ポージングとか、ステッキ?の魅せ方が凄い上手でこれが本物って感じがした。スムーズさもまるで違う。僕なんて叩き割ったし…。
「キミ、凄いね!めっちゃ魔法使いって感じだった!!」
「え…、あぅ…。」
猫耳パーカーの少年はもじもじとしている。
「凜!ちゃんと挨拶するドゥ。」
また猫の精霊に促されている。うちのヤキトリとは違った形の保護者タイプだ。精霊はおかん体質が多いのか?
「あ、うん…、魔法少年やってます…。東雲凜です…。よろしくお願いします…。」
これが魔法少年りんくんとの出会いだった。
10
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
包帯妻の素顔は。
サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる