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㉚薬草部
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「母さん。俺、大学行かなくてもいいかな?」
意を決してセダムは、南の魔女王に聞いてみた。
「ダメに決まっているだろう。
もう、金は払っているし、寮の部屋も押さえたし。
学部も全部こちらで決めてあるから、セダムは、ちゃんと通ってくれたら、それでいいから。」
え?そんなことあります?
「学部も決めた?」
「ああ、薬草部へ行ってもらうぞ。
しっかり勉強してきなさい。
鬼門の魔女王に推薦書いて貰って提出づみだから、テストは無しにしてもらったからな。
安心して学んでくるように」
俺の意思は?
そんなことってあります?
母の部屋を出て、茫然とした記憶を思い出す。
普通、子供の意思を尊重してとかあるよね。
ちょっとくらい俺の意思を確認してくれてもよくない?
いくら、魔女王でもさ
誰も逆らえないからってさ
ひどくない?
兄さんも姉さんもこんな感じだったの?
たぶん違うよね?
あの人達は、何でも出来すぎて、どこの学部に入るのか、すごく悩んでいたもんね。
だからって、俺だけ扱い違くない?
ひどくない?
セダムは、きこりの一族の子供だから、子供の頃から、薬草は、目にするだけで、だいたい種類が分かった。
きのこの種類も見分けられるのだ。
そこの部分だけ覚えていて、母は、勝手に大学を決めたのだろう。
たぶん、それ以外で俺には何にもないからなぁ。
てか、こんなの勉強しなくても、だいたい分かるんだけど。
わざわざ大学入らなくてもいいのに。
訳が分からなかった。
「あの、ここが薬草部でしょうか?」
部屋で一人で待っていたら、女性が入ってきた。
「ああ、ここで間違いないですよ」
「ああ、よかった。ちゃんと到着したわ。
私、フィオルドって言います。
今日から、お世話になります」
「俺は、セダムです。
これからよろしく。よかったら、ここ座れば?」
隣の席をポンポンと叩いた。
「はい。」
女性は、隣に座った。スレンダーな女性だけど感じのいい人だった。
ん?
この匂い
なんだっけ?
この匂い
きこりの息子は、鼻がいい。
どこかで嗅いだことある匂いだ。
ああ。東の魔女王国の宰相ガーディアンの匂いだ。
月の人間の匂いだ。
月の出身だろうか・・・。
まぁ、それは、自分から言うだろうし、俺から聞くのは変かな。
初対面なのに色々聞くのはおかしいし、慣れ慣れしいよな。
黙っておこう。
そう思っていたら、あと数名が部屋に入ってきた。
部屋は、騒がしくなり、匂いはいつの間にか消えて、そのことも、なぜか忘れてしまっていた。
意を決してセダムは、南の魔女王に聞いてみた。
「ダメに決まっているだろう。
もう、金は払っているし、寮の部屋も押さえたし。
学部も全部こちらで決めてあるから、セダムは、ちゃんと通ってくれたら、それでいいから。」
え?そんなことあります?
「学部も決めた?」
「ああ、薬草部へ行ってもらうぞ。
しっかり勉強してきなさい。
鬼門の魔女王に推薦書いて貰って提出づみだから、テストは無しにしてもらったからな。
安心して学んでくるように」
俺の意思は?
そんなことってあります?
母の部屋を出て、茫然とした記憶を思い出す。
普通、子供の意思を尊重してとかあるよね。
ちょっとくらい俺の意思を確認してくれてもよくない?
いくら、魔女王でもさ
誰も逆らえないからってさ
ひどくない?
兄さんも姉さんもこんな感じだったの?
たぶん違うよね?
あの人達は、何でも出来すぎて、どこの学部に入るのか、すごく悩んでいたもんね。
だからって、俺だけ扱い違くない?
ひどくない?
セダムは、きこりの一族の子供だから、子供の頃から、薬草は、目にするだけで、だいたい種類が分かった。
きのこの種類も見分けられるのだ。
そこの部分だけ覚えていて、母は、勝手に大学を決めたのだろう。
たぶん、それ以外で俺には何にもないからなぁ。
てか、こんなの勉強しなくても、だいたい分かるんだけど。
わざわざ大学入らなくてもいいのに。
訳が分からなかった。
「あの、ここが薬草部でしょうか?」
部屋で一人で待っていたら、女性が入ってきた。
「ああ、ここで間違いないですよ」
「ああ、よかった。ちゃんと到着したわ。
私、フィオルドって言います。
今日から、お世話になります」
「俺は、セダムです。
これからよろしく。よかったら、ここ座れば?」
隣の席をポンポンと叩いた。
「はい。」
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ん?
この匂い
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黙っておこう。
そう思っていたら、あと数名が部屋に入ってきた。
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