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第3部 古都アーセンバリ篇
5 アーセンバリ大寺院
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古都へは直接民間のポートで飛ぶことはできない。まず出入国管理局で共和国への入国許可を取り、「国際線」と呼ばれている国家管理のポートで相手国へ飛ぶ。
待ち時間ばかりの手続きを終え、ようやく古都の地を踏むことができた。
初めてみる古都は石造りの歴史を感じさせる建物が立ち並ぶ。人々が忙しく行き来しているのは帝都と同じだった。共和国側の出入国管理局から出てきたセストは、大きく息を吸い込んで首を巡らせた。時刻は昼を少し過ぎたあたりで、空腹を覚える。古都の大寺院を訪ねるよう指定があった時刻にはまだ余裕があった。先に食事を済ませることにする。
指定の時刻ぴったりに、指定されたとおり大寺院の事務所を訪ねる。
応対した少年僧侶は、セストが来ることを聞かされていたようで、預かってきた紹介状のケースを手渡すと、すぐに寺院の中に案内される。
古都の大寺院は、帝都の大寺院と違って、曲線的な装飾が多用された、女性的な印象だった。帝都の大寺院が装飾を極限まで排した質実剛健な造りをしているのとは対照的だ。
少年僧侶が、あるドアの前で立ち止まる。ノックをすると、中かから応答があった。
「失礼します。セスト導師をお連れしました」
「やあ、ありがとう」
中にいたのは、セストよりやや歳上と思われる男性だった。
「私は大僧侶の秘書官、ラッジと言います」
手を差し出してくるので、握手する。
「セストです。今日から、お世話になります」
「こちらこそ、セスト導師。大僧侶がお会いになります。こちらへ」
ラッジに伴われて応接室のような部屋へ移動する。
掛けて待つように言うと、ラッジは部屋を出て行く。それとほぼ入れ替わりに入ってきたのは、車椅子に乗った若い男性だった。セストを案内してくれた少年僧侶が車椅子を押している。
彼が大僧侶なのか。セストとそう年齢は変わらないのではないだろうか。セストは立ちあがり、合掌する。
「初めまして、セスト導師。 私は大僧侶、エルヴェと申します」
大僧侶も合掌する。古都の大僧侶は若くして大僧侶の座についた類い稀な僧侶であると聞いてはいたが、詳しい年齢まで覚えていなかったため、セストは動揺する。
少年僧侶は一礼して部屋を出て行った。
「どうぞお掛けください」
立ったままのセストに大僧侶が声をかける。セストは素直に従った。
「やはりそうでしたね」
大僧侶はセストの顔を見て微笑んだ。大僧侶は金色がかった真っ直ぐの髪に、灰色の瞳をした柔和な男性だった。僧衣の下にある脚は成人男性としては極端に細く、普段から車椅子に乗って移動していることを窺わせる。
「やはり、とは?」
セストは、大僧侶に奇妙な親近感を覚えていた。まるで久し振りにあった友人か、親戚のような、近しさ。もちろん大僧侶に会うのは今日が初めてであったし、これが錯覚であることはわかっているのに、否定できない。
「あなたは」
大僧侶は目を細めて微笑んだ。懐かしい友人から向けられた笑顔のようにセストには感じられる。
「自身がこれまでとは変わってしまったと、感じているのではありませんか? 何かが失われてしまっていると」
セストはハッとした。まさに、大僧侶の言うとおりだった。ぎこちなく頷くと、大僧侶も満足そうに頷いた。
「そして、自身が、外なる世界からやってきた者であると」
「…そのとおりです」
セストは重い空気を吐き出すように言う。
「あなたは、あなた自身が朧げに感じているとおり、光の来訪者なのです」
「…」
あまりに突拍子もない思いつきだと、頭の片隅に押しやっていた考えをあっさり肯定され、言葉が出ない。
「そして、私も」
セストは驚きに口をパクパクさせる。最初に感じた懐かしさにも似た感情の正体は、それだったのか。
「本来であれば、これは私の役割であったはずなのです。しかし、人の世にある限りは、私も人にすぎません。人の宿命としての病や死からは逃れられない」
大僧侶が何を言わんとしているのかわからず、セストは言葉の続きを待つ。
「闇の来訪者を、人の世の理を無視してこの世に留まっている来訪者を、探し出してほしいのです。その者は、光と闇を和合させることを目論み、世に混沌を作り出しています。この、人の世は、光の世界と闇の世界の境界に危うく浮いている世界です。光と闇を和合させようとすれば、簡単に消し飛んで、混沌に帰してしまうでしょう。また、光と闇が混ざりあえば、残るのは混沌あるいは虚無のみです。お願いします、セスト導師。お力をお貸しください」
大僧侶は、車椅子に座ったまま、頭を下げた。
「そんな。俺に、いや、私にそんな力は…」
「自分の力を信じてください、セスト導師。それに、あなたはひとりではありません。あなたはもしかしたら、あなたを助けてくれる人と既に出会っているのでは? そして、あなたはこの古都で出会わなければならない人物がいます。今日この時、あなたにここに来ていただいたのは、そのためです。あなたは必ず成し遂げるはずです。私はそう信じていますよ」
帝都の大僧侶は、古都でセストが啓示を受けると言っていた。それが、これか。しかし大僧侶の言葉は謎めいていて、意味がよくわからない。ただ、とてつもなく重い任務を言い渡されたことだけはわかる。
「困ったことがあれば、いつでも私を訪ねてきてください。力になれるはずです」
「自信がありません。しかし、努力はします」
セストは率直に言った。
「あなたに良い導きがあるよう、いつも祈っています」
その言葉が合図であったかのように、先程の少年僧侶が入ってきた。
「またお会いしましょう、セスト導師」
大僧侶は微笑み、セストは立ちあがって退室する大僧侶を見送った。
この後どうすればいいのだろうと思いながら部屋を出ると、秘書官のラッジが待っていた。まさか、廊下でずっとセストを待っていたのだろうか。
「お疲れさまです。事務方から、滞在していただく部屋の説明があります。導師は帝都大寺院から『留学』なさっているという建前になっていますが、特にこちらから過ごし方を指定することは致しません。外出も自由です。何かご希望のプログラムがあれば私の方で手配しますが」
歩きながらラッジの説明を受ける。
「それなら、治癒の現場に出たいです。ここのところ、廃坑に強力な魔物が現れていると聞きました。おそらく、猫の手も借りたい状況だと思うので、役に立てるんじゃないでしょうか」
セストの言葉に、ラッジは少し眉を上げた。
「ありがたいお言葉です。おっしゃるとおりです。教区の僧侶だけでは間に合わず、今は大寺院の僧侶も動員して治癒に当たっている状況です」
「部屋にこもって教義の研究をするのは性に合わなくて」
「導師は実践を尊ばれる方なのですね」
ラッジは感心した表情で頷く。いや、そんな立派なものじゃないんだけどな、とセストは思うが、否定しても謙遜としか取られなさそうで面倒だったので、黙っておいた。
「それでは、明日、廃坑への応援に行く僧侶たちと一緒に出かけられるとよろしいと思います。朝の礼拝が終わった後、その場に残っていていただければ、私から紹介させていただきますので」
「お願いします」
待ち時間ばかりの手続きを終え、ようやく古都の地を踏むことができた。
初めてみる古都は石造りの歴史を感じさせる建物が立ち並ぶ。人々が忙しく行き来しているのは帝都と同じだった。共和国側の出入国管理局から出てきたセストは、大きく息を吸い込んで首を巡らせた。時刻は昼を少し過ぎたあたりで、空腹を覚える。古都の大寺院を訪ねるよう指定があった時刻にはまだ余裕があった。先に食事を済ませることにする。
指定の時刻ぴったりに、指定されたとおり大寺院の事務所を訪ねる。
応対した少年僧侶は、セストが来ることを聞かされていたようで、預かってきた紹介状のケースを手渡すと、すぐに寺院の中に案内される。
古都の大寺院は、帝都の大寺院と違って、曲線的な装飾が多用された、女性的な印象だった。帝都の大寺院が装飾を極限まで排した質実剛健な造りをしているのとは対照的だ。
少年僧侶が、あるドアの前で立ち止まる。ノックをすると、中かから応答があった。
「失礼します。セスト導師をお連れしました」
「やあ、ありがとう」
中にいたのは、セストよりやや歳上と思われる男性だった。
「私は大僧侶の秘書官、ラッジと言います」
手を差し出してくるので、握手する。
「セストです。今日から、お世話になります」
「こちらこそ、セスト導師。大僧侶がお会いになります。こちらへ」
ラッジに伴われて応接室のような部屋へ移動する。
掛けて待つように言うと、ラッジは部屋を出て行く。それとほぼ入れ替わりに入ってきたのは、車椅子に乗った若い男性だった。セストを案内してくれた少年僧侶が車椅子を押している。
彼が大僧侶なのか。セストとそう年齢は変わらないのではないだろうか。セストは立ちあがり、合掌する。
「初めまして、セスト導師。 私は大僧侶、エルヴェと申します」
大僧侶も合掌する。古都の大僧侶は若くして大僧侶の座についた類い稀な僧侶であると聞いてはいたが、詳しい年齢まで覚えていなかったため、セストは動揺する。
少年僧侶は一礼して部屋を出て行った。
「どうぞお掛けください」
立ったままのセストに大僧侶が声をかける。セストは素直に従った。
「やはりそうでしたね」
大僧侶はセストの顔を見て微笑んだ。大僧侶は金色がかった真っ直ぐの髪に、灰色の瞳をした柔和な男性だった。僧衣の下にある脚は成人男性としては極端に細く、普段から車椅子に乗って移動していることを窺わせる。
「やはり、とは?」
セストは、大僧侶に奇妙な親近感を覚えていた。まるで久し振りにあった友人か、親戚のような、近しさ。もちろん大僧侶に会うのは今日が初めてであったし、これが錯覚であることはわかっているのに、否定できない。
「あなたは」
大僧侶は目を細めて微笑んだ。懐かしい友人から向けられた笑顔のようにセストには感じられる。
「自身がこれまでとは変わってしまったと、感じているのではありませんか? 何かが失われてしまっていると」
セストはハッとした。まさに、大僧侶の言うとおりだった。ぎこちなく頷くと、大僧侶も満足そうに頷いた。
「そして、自身が、外なる世界からやってきた者であると」
「…そのとおりです」
セストは重い空気を吐き出すように言う。
「あなたは、あなた自身が朧げに感じているとおり、光の来訪者なのです」
「…」
あまりに突拍子もない思いつきだと、頭の片隅に押しやっていた考えをあっさり肯定され、言葉が出ない。
「そして、私も」
セストは驚きに口をパクパクさせる。最初に感じた懐かしさにも似た感情の正体は、それだったのか。
「本来であれば、これは私の役割であったはずなのです。しかし、人の世にある限りは、私も人にすぎません。人の宿命としての病や死からは逃れられない」
大僧侶が何を言わんとしているのかわからず、セストは言葉の続きを待つ。
「闇の来訪者を、人の世の理を無視してこの世に留まっている来訪者を、探し出してほしいのです。その者は、光と闇を和合させることを目論み、世に混沌を作り出しています。この、人の世は、光の世界と闇の世界の境界に危うく浮いている世界です。光と闇を和合させようとすれば、簡単に消し飛んで、混沌に帰してしまうでしょう。また、光と闇が混ざりあえば、残るのは混沌あるいは虚無のみです。お願いします、セスト導師。お力をお貸しください」
大僧侶は、車椅子に座ったまま、頭を下げた。
「そんな。俺に、いや、私にそんな力は…」
「自分の力を信じてください、セスト導師。それに、あなたはひとりではありません。あなたはもしかしたら、あなたを助けてくれる人と既に出会っているのでは? そして、あなたはこの古都で出会わなければならない人物がいます。今日この時、あなたにここに来ていただいたのは、そのためです。あなたは必ず成し遂げるはずです。私はそう信じていますよ」
帝都の大僧侶は、古都でセストが啓示を受けると言っていた。それが、これか。しかし大僧侶の言葉は謎めいていて、意味がよくわからない。ただ、とてつもなく重い任務を言い渡されたことだけはわかる。
「困ったことがあれば、いつでも私を訪ねてきてください。力になれるはずです」
「自信がありません。しかし、努力はします」
セストは率直に言った。
「あなたに良い導きがあるよう、いつも祈っています」
その言葉が合図であったかのように、先程の少年僧侶が入ってきた。
「またお会いしましょう、セスト導師」
大僧侶は微笑み、セストは立ちあがって退室する大僧侶を見送った。
この後どうすればいいのだろうと思いながら部屋を出ると、秘書官のラッジが待っていた。まさか、廊下でずっとセストを待っていたのだろうか。
「お疲れさまです。事務方から、滞在していただく部屋の説明があります。導師は帝都大寺院から『留学』なさっているという建前になっていますが、特にこちらから過ごし方を指定することは致しません。外出も自由です。何かご希望のプログラムがあれば私の方で手配しますが」
歩きながらラッジの説明を受ける。
「それなら、治癒の現場に出たいです。ここのところ、廃坑に強力な魔物が現れていると聞きました。おそらく、猫の手も借りたい状況だと思うので、役に立てるんじゃないでしょうか」
セストの言葉に、ラッジは少し眉を上げた。
「ありがたいお言葉です。おっしゃるとおりです。教区の僧侶だけでは間に合わず、今は大寺院の僧侶も動員して治癒に当たっている状況です」
「部屋にこもって教義の研究をするのは性に合わなくて」
「導師は実践を尊ばれる方なのですね」
ラッジは感心した表情で頷く。いや、そんな立派なものじゃないんだけどな、とセストは思うが、否定しても謙遜としか取られなさそうで面倒だったので、黙っておいた。
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